事務所インタビュー

2015年2月24日現在

中小企業を全方位から支援する 北村労務会計

中小企業を全方位から支援する 北村労務会計

北村労務会計事務所(石川県金沢市)は、昭和41年から続く、金沢の老舗会計事務所である。所長の北村具穎氏(写真右)は、開業当初から総合的な経営コンサルティングに取り組んでおり、自身も複数の資格を持つほか、事務所にさまざまな資格者を集め、中小企業支援のワンストップサービスを実現している。そのような体制が地域の経営者から支持され、事務所は順調に発展してきた。今回の取材では、北村労務会計事務所の北村具穎氏と、副所長の北村彰英氏(写真左)に、事務所の沿革とこれからの展望について伺った。

総合経営コンサルティングを目指して

―― 北村労務会計事務所は、金沢にある老舗の会計事務所です。早くから税理士、社会保険労務士、中小企業診断士などの有資格者をそろえ、ワンストップ型の顧問先支援を実践してきました。本日の取材では、所長の北村具穎先生と、副所長の北村彰英先生に、事務所の経営戦略について伺います。まずは、事務所の沿革についてお聞かせください。

北村所長当事務所の開業は、昭和41年です。
 私は税理士の資格を取る前は、会計事務所に3年半ほど勤めていました。独立当時は、お客様は誰もいないゼロからのスタートでした。あまりに仕事がないので、当初は金沢のある会社に総務部長という肩書で入っていたほどです。

―― 開業されてからは、どのような事務所を目指されたのですか。

北村所長私が目指していたのは、総合的な経営コンサルティングを行う事務所でした。そのために10年ごとに新しい資格を取り、職域を広げようと当初から計画していました。
 そのような流れのなかで、昭和51年に中小企業診断士を取得し、株式会社北陸経営を設立しました。

―― 当時は、経営コンサルティングを行う会計人は少なかったのではありませんか。

北村所長そうですね。でも、私からすれば当たり前のことでした。なぜなら、私たちのお客様である企業経営者の皆様は、さまざまな業務をこなしながら経営も考えています。ですから、私たちも税務をこなしながら、お客様のさまざまなご要望に応えるべきなのです。

―― 税務だけを見るのでは不十分だというという発想だったのですね。

北村所長はい。私はその頃、お客様に「相談があったら何でもどうぞ」と言っていました。どんなに難しいことでも、勉強をすれば何とかなるという気持ちがあったのです。
 そのような姿勢で仕事をしていると、商工会議所などから講演の依頼がくるようになり、これもどんどん引き受けました。なかでもよく覚えているのは、「節税十二の知恵」というタイトルで、金沢商工会議所で講演をしたときのことです。これが、立ち見がでるくらいの大入りでした。当時は、節税という考え方があまり浸透していなかったからなのでしょう。

―― 昭和59年には、社会保険労務士事務所も開設されていますね。

北村所長はい。会社を形づくるのは、人・物・金・情報です。よい経営とは、これらを健全な状態にしておくことです。このうち、金に関わるのが税理士で、情報が中小企業診断士、そして人が社会保険労務士です。この3つを仕事の中心に据えたいという思いから、社会保険労務士の資格を取得し、事務所を開設しました。

―― 現在、事務所には資格者の方が何名いらっしゃるのですか。

北村副所長税理士は6名です。当事務所は独立して開業する「卒業生」がとても多いのですが、独立した人は税理士だけでも30名近くいると思います。

北村所長社会保険労務士の卒業生は10名、中小企業診断士も10名くらいますね。

―― 顧問先は地元が多いのですか。

北村副所長金沢と近郊で9割近くを占めています。顧問先の業種は日本全体の構成率と一緒です。

北村所長最近では副所長のがんばりにより、上場企業が顧問先になってくださるなど、企業規模が以前とは違ってきました。私のときは、お客様の会社は10名からせいぜい30名くらいの従業員規模でしたから。

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ミロク式伝票との出会い

―― 話は変わりますが、所長先生は、税理士の資格を取られた時期に、ミロクさんとの大きな出会いがあったと伺っています。

北村所長それは、有名な「6枚つづりのミロク式伝票」に出会ったことですね。この伝票を活用した票簿会計を知ったときには、目から鱗が落ちる思いでした。
 複写式の振替伝票をファイリングすることで、総勘定元帳への転記を省略するというものです。転記の手間やミスをなくせる大変合理的な手法でした。票簿会計で顧問先の業務効率化と経営改善をしようという思想にとても共感しました。
 それ以後、私はお客様へのご指導の内容を、票簿会計に全部切り替えました。ここから、現在に至るミロク情報サービスとのお付き合いが始まりました。思い返してみても、ミロク情報サービスには、ずっとお世話になっていますね。

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「納税の歌」

―― 所長先生は川柳を得意とされているそうですが、そのほか最近では、「納税の歌」の復元活動にも取り組んでおられたそうですね。

北村所長「納税の歌」はずいぶん古い歌で、これまでに多くの人に聞いていますが、覚えていると仰ってくださったのは、今のところ日本郵便の会長を務めた古川洽次さんだけです。
一部をご紹介しますと、
 「国を明るくするのにも
 楽しい暮らしを生み出すも
 先立つものは国の金 国の金
 身体も大事 国大事
 サァサァ納税
 ウンよしきたハイオーケー」
という歌です。
 終戦直後の混乱期には、納税の仕組みがうまく機能していませんでした。そこで米国の意見も参考に、徴税の法律をつくって、この歌で推進しようとしたようです。
 この歌を普及させようとしたのは、わずか半年ほどだったようですが、私は小学校で教えられたのをはっきりと覚えています。税務大学校の資料室に音源が残されていて聞いたのですが、一部が不明瞭で歌詞が分からなかったこの歌を、国税の方が復元されました。これをお読みになった方のなかで、この歌を覚えている人がいたらうれしいですね。

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専門性を突き詰める

―― 副所長先生は今後、事務所経営のさらに中心的な部分を担っていかれると思いますが、どのような運営を考えていますか。

北村副所長所長は10年おきに、社労士、診断士と、顧問先支援の間口を広げてきました。お客様への見せ方としても、「当事務所は全部できますよ」と言っています。それを発展させるにはどうするべきなのか。各専門家が、自分の領分をまっとうするしかないと思います。
 税理士は税理士、社労士は社労士、診断士は診断士として、専門を徹底的に深掘りする。同じ事務所で働く仲間ではあるのですが、税理士や社労士が、互いに競争するくらいの勢いで、お客様支援に取り組んでみる。それが結果的に、お客様に役立つ仕事につながると思います。
 所長はアイデアマンですし、創始者ですから、さまざまな挑戦をしてきました。しかし、ひとりの代表があまりにもすべてのことを手がけたがために、目の行き届かないところがいくらか残っているのです。
 そこを詰めていくだけで、全体の効率や生産性は相当に上がるだろうと気づきました。それ以来、私はあまり新しいことをやろうと思わなくなりました。これまでの事務所の歴史のなかに、すべての答えが隠されているのです。
 お客様のニーズは分かっている。分かっているけれど、実践できていない。そこを実践できるようにするのが、私の役割です。

―― 最後に3年後、5年後を見据えた成長戦略を、副所長先生に伺います。

北村副所長本質は変わらないと思います。お客様が求めているものにキャッチアップしていくだけです。
 都会で新しい経営ノウハウが生まれたとしても、地方では地場の特性で古いやり方が残る可能性もあると思います。都会で流行っているからといって、無理にそのやり方を押しつけても、ピンとこないお客様は多いでしょう。ですから、私たちはあくまでも北陸のお客様を相手にしているということを肝に銘じて、そのニーズに応えていくつもりです。
 特に中小企業に関していえば、所長なり私なりを信用してくれて、「後は任せたからね」と言ってくれるお客様が多いので、皆さんの期待を裏切らないようにしたいですね。

―― 今日は貴重なお話をありがとうございました。北村労務会計事務所のますますのご発展を祈念しています。

北村具穎(きたむら・ともひで)

所長概要北村具穎(きたむら・ともひで)

北村労務会計事務所所長。株式会社北陸経営代表取締役。税理士・社会保険労務士・宅地建物取引主任者。昭和41年、税理士登録・開設。昭和50年に北陸経営を設立し、代表取締役に就任。平成11年には、産業カウンセラー試験に合格。平成14年、キャリアカウンセラーに認定。文人としての顔をもち、主な著書に『メビウスの環』がある。

北村労務会計事務所/株式会社北陸経営

事務所概要北村労務会計事務所/株式会社北陸経営

所在地 金沢市涌波2丁目14番10号
URL http://www.kitamura.gr.jp/
代表者 北村具穎
設 立 昭和41年
職員数 30名(税理士6名、特定社会保険労務士1名、社会保険労務士3名、中小企業診断士1名、ファイナンシャルプランナー(CFP、1級F・P技能士)1名、同(2級F・P技能士)2名、産業カウンセラー1名、キャリアカウンセラー1名)
得意分野 会社設立・スタートアップ支援、特殊法人設立・運営支援、相続支援、人事・労務、経営マネジメント

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