事務所インタビュー

2015年7月9日現在

地域に根ざした士業のネットワークをつくり上げ、ワンストップサービスを提供する小木崇永税理士事務所

地域に根ざした士業のネットワークをつくり上げ、ワンストップサービスを提供する小木崇永税理士事務所

小木崇永税理士事務所(福井県越前市)は、税務業務だけではなく、経営に関するコンサルティングも提供する税理士事務所である。同事務所の所長税理士である小木崇永氏は、福井という地域で祖父より事業を引き継いで以来、10年以上にわたりこの地域での活動を続けている。大きな特徴のひとつが地域の士業と協力し、ワンストップでさまざまな分野のサービスを提供できるという点だ。「サムライアライアンス」と名付けられたそのネットワークには、税理士である自身の他にも、弁護士、司法書士、社会保険労務士、中小企業診断士が参加している。今回は所長の小木崇永氏(写真)に、今までの歩みや今後の事務所運営についてお話を伺った。

東京でも地方でも大切なこと

―― 小木崇永税理士事務所は、福井県越前市で活動を続けている事務所です。同事務所の特徴として、他の士業と連携して地域にプロフェッショナルネットワークを立ち上げたことが挙げられます。税理士の他に、弁護士、司法書士、社会保険労務士、中小企業診断士が参加するこのネットワークにより、中小企業の経営者にワンストップでサービスを提供しています。
 今回は、小木崇永所長にこれまでの事務所の運営や、今後の展望についてお話を伺います。まず、小木崇永税理士事務所の足跡を教えてください。

小木私はここ福井の出身です。東京の大学へ進学し、大学卒業後、東京で税理士試験に合格し、そのまま都内の会計事務所に入所しました。
 地元へ帰ってきたきっかけは、祖父の他界です。私の祖父は今の越前市で税理士事務所を開業していました。つまり、祖父の事業を引き継ぐ形で、小木崇永税理士事務所を開業したというわけです。祖父が亡くなり、私が開業したのは平成14年のことですから、現在は13年目になりますね。

―― 東京の事務所にお勤めされた後に、地方都市へ戻られたわけですが、どのように感じましたか。

小木正直に申し上げますと、初めはかなり抵抗がありましたね。東京の事務所でもお客様は中小企業でしたから、その点では同じです。ただ、お客様の取引先などの環境は異なりますので、そういった点では、地元より東京での業務のほうが刺激はありました。
 しかし、こちらに戻ってきて、祖父はお客様との関わりを大事にしていたのだと感じました。私の場合は祖父から一世代飛び越えて、孫への承継です。「よく分からない若造に代わった」と思われても仕方がありません。それでも会計事務所を替えるお客様はほとんどなく、そのまま顧問先を引き継ぐことができました。ですから、古くからのお客様がとても多く、そういったお客様とお話ししていると、私も身が引き締まる思いです。

―― 御祖父様からお客様を引き継いだとのことで、小木先生ご自身よりも年上のお客様が多いと思いますが、そのあたりはいかがですか。

小木お客様にとても恵まれていますので、それが負担になるようなことはありません。私たちがやるべき仕事をきちんと行い、お客様にその仕事に対する評価をいただくという極めてシンプルで、かつ信頼がおける関係を築けていると思います。

―― 東京をはじめとした都市部では顧問料の低価格化が進んでいますが、こちらではいかがでしょうか。

小木きちんと比較をしているわけではありませんが、確かに東京に比べれば、それほど低価格化が進んでいない印象はあります。
 しかし、重要なのは価格ではないと思っています。祖父の代から引き継いだお客様が他の事務所に移動することはほとんどありませんし、また新規のお客様を年間10~20件くらいずつ毎年獲得しているのですが、お客様が本当に求めているのは価格が安いことではないように感じるのです。
 しっかりと自分の会社を見てもらうことであったり、軽いフットワークで相談に応じたり、売上が減ったときの資金繰りといった、税務以外のニーズが本当に多いと感じます。もちろん税務の話はしますが、重要なのはそこだけではありません。お客様の立場に立って真剣に解決策を提供していくということが、私たちの本来のスタンスだと考えています。東京であれ、福井であれ、中小企業の経営をしっかりと支えることができる会計事務所が求められていると思います。

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プロフェッショナルのネットワークでお客様をサポート

―― そういった多様化するニーズに応えていくために、士業のネットワークをつくり上げたと伺いました。概要をご紹介いただけますか。

小木「サムライアライアンス」という士業のネットワークで、ワンストップサービスを提供することが目的の組織です。私の他に、同じ福井の弁護士、司法書士、社会保険労務士、中小企業診断士が参加しています。
 きっかけは7年くらい前のことです。お客様から税務以外の相談も多く受けていましたので、私たちが勉強して専門知識を身につけることを目的に、勉強会を開催していたのです。その勉強会に弁護士や司法書士の先生をお招きしてさまざまな相談をしていたのですが、そういった方々も私たち税理士と同じように、自分の専門分野以外の相談を受けることが多く、私たちと同じ悩みを抱えていることが分かったのです。
 そこで、同じ思いのプロフェッショナル同士がネットワークを組んでより親密な関係のもとで、さまざまな情報を共有しながらサービスを提供していきたいと立ち上げたのが「サムライアライアンス」なのです。

―― 立ち上げ時にはどのような士業の方が参加されたのでしょうか。

小木私と中小企業診断士と司法書士の3名でスタートしました。その後、社会保険労務士と弁護士も参加して現在に至ります。
 今でも月に1回は、顔を合わせてさまざまな議論をしていまして、そこで得た知見をそれぞれの専門業務でのサービス向上にフィードバックしているといった次第です。

―― お客様から見れば、会計事務所に相談すると司法や労務の問題も解決できる体制というわけですね。

小木そうですね。中でも社会保険労務士と税理士の関係が一番強いと感じています。会計事務所では内部に社会保険労務士を置くケースも増えていると思います。しかし、社外の有資格者と連携することで、違うところで業務を行っているので甘えを排除できたり、より客観的な視点での意見を得られたりすると考えています。

―― ネットワークを組むことで顧客の層は広がりましたか。

小木このネットワークからお客様は広がっています。ただし、一番のメリットは、既存のお客様からどのような相談を受けても「何でも分かります」というスタンスでいられることだと思います。いつでもプロフェッショナルに相談や紹介ができるという気持ちでお客様の相談を受けられるのは、精神的にとても大きいですね。

お客様のためになる環境を整える

―― 小木先生は現在40代、開業は30代と業界では若いですが、お客様のニーズに応えていくために、他に考えていることはありますか。

小木私が考える会計事務所のあり方は、とにかく使命感を持って仕事に取り組むということ以外にはないと思います。そうしてお客様の負担を減らしたり、お客様の環境をよくするサービスを提供したりしていきたいと考えています。

―― 環境をよくするということは、お客様に自計化の指導等もされているのでしょうか。

小木はい。その際には、お客様の社内のシステムを使うこともありますし、市販されている会計ソフトを使うこともあります。

―― 小木崇永税理士事務所で使用されているのはどのようなソフトですか。

小木私が東京で勤めていたのは大手の会計事務所で、福井に戻ってきてからもその会計事務所が提供する連携ソフトを使おうと初めは考えていました。しかし、お客様にとっての使いやすさや価格を考慮した結果、ミロク情報サービス(以下、MJS)が提供する「ACELINK NX-Pro」を導入しています。また、お客様には、同じくMJSが提供している「iCompassNX アプリケーション」や「記帳くん」などを使って自計化を進めていただいています。

―― MJSは小木先生が使い始めたのですか。

小木いえ、実は祖父の代から使用していますので、とても長いお付き合いになります。祖父が導入した際の具体的な様子は分かりませんが、コンピューター会計が世の中に登場してすぐ、MJSのソフトを使い始めたと聞いています。

―― MJSの魅力を教えてください。

小木私たちが使用している「ACELINK NX-Pro」は事務所運営の基盤になっています。この重要な基盤に対してMJSの方に忌憚なく要望を出せたり、意見交換できるのでとてもやりやすいですね。
 MJSの方は、本当に多くの会計事務所と関わりがあります。さまざまな事務所の知見がMJSに集まって、それがMJSの提供するサービスにフィードバックされるのです。MJSと私たち会計事務所は、Win-Winのよい関係を築けていると思います。

イメージ写真2

地域を活性化する取り組み

―― 小木先生が活動されている地域では、税理士の平均年齢が全国でもトップクラスに高いと伺っています。今後地域が活性化するために、小木先生のような若い世代の活躍が必要だと思いますが、小木先生の取り組みを教えてください。

小木地域に関しては、私は青年会議所に所属し、商工会議所などの地元の経済団体で講演したこともあります。今後も地域の経済状況を肌で感じられる環境に身を置いていきたいです。
 そして、「サムライアライアンス」ですが、もっとサービス化を打ち出して、ネットワークを強化しながら地域へ貢献していきたいですね。

―― 小木崇永税理士事務所としての取り組みもご紹介いただけますか。

小木私たちの事務所は、5年ほど前に世代交代が進み、平均年齢が30代前半へと若返りました。そのときからフレッシュな点を前面に押し出して、機動力を高めてお客様のニーズに的確に応えていくように取り組みを続けています。その方針はお客様からも評価されていますので、より強化していきたいと考えています。
 もうひとつ、相続税が改正されましたので、今後さらに相続の相談が増えてくるでしょう。そのような相談にも効率よく対応できるシステムを構築していきたいと考えているところです。

―― 今後の展望をお聞かせください。

小木毎年、単年度の目標を「顧問先を20件増やす」と掲げています。もちろん、既存のお客様に他の事務所に移られないことも大事ですが、目標を掲げることで事務所が活性化することを対内的にも対外的にも示せるので、このような目標を掲げているわけです。
 今後は、具体的な期限を定めているわけではありませんが、私に匹敵するスタッフを育成すことが目標です。「私に匹敵する」とは単に知識の話ではなく、会計事務所のあり方として、お客様にサービスを提供することで、お客様の成長をお手伝いしたいという意識を持つことも含んでいます。事務所のスタッフには、お客様の情報を共有するだけではなく、そういったところまで含めて毎月研修を行っています。

―― 成長戦略としてM&Aを考える事務所もありますが、そのあたりはいかがですか。

小木M&Aで規模をどんどん大きくしていこうとは考えていません。しかし、この地域も高齢化が進んでいますので、そういった話は実際に出ています。ですから、もし「小木先生のところに承継してほしい」というようなお話が出た際には、受け入れることができる体制を整えたいと考えています。そのためには、スタッフの育成と、サムライアライアンスとのネットワーク強化が必要だと考えています。

―― 最後に、小木先生と同世代の若い税理士の方に向けて、メッセージをお願いします。

小木30代、40代というのは、さまざまなチャレンジができる年齢です。既存の環境にとらわれず、お客様目線で多くの活動に取り組んでほしいと思います。お客様は何を求めているのか、私たちはどのようなサポートができるのか、この点だけに絞って、さまざまな知恵を出し合いながら地域を盛り上げることができれば、素晴らしい社会になるのではないかと思います。

―― 本日は貴重なお話をありがとうございました。小木崇永税理士事務所のますますのご発展を祈念しています。

小木 崇永(こぎ・たかひさ)

所長概要小木 崇永(こぎ・たかひさ)

小木崇永税理士事務所所長。税理士。昭和46年、福井県福井市生まれ。平成6年、学習院大学経済学部経営学科卒。平成10年、税理士資格取得後、都内の会計事務所に勤務。平成14年、祖父の他界を機に、地元福井で小木崇永税理士事務所を開業。

小木崇永税理士事務所

事務所概要小木崇永税理士事務所

所在地 福井県越前市堀川町5-12
URL  http://www.kogi-office.jp/
代表者 小木 崇永
設 立 平成14年
職員数 11名
得意分野 経営支援、相続・事業承継支援、資産運用支援、資金繰り対策、不動産運用コンサルティング、総務関連のアウトソーシング業務等

サムライアライアンス

サムライアライアンス

URL  http://www.samurai-alliance.jp/

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