記事制作:税経システム研究所

製造業

  • 製造業
2019/06/13

質問

父親が社長を務める会社に入社した副社長。初めて出席した取締役会で、父親である社長が「俺の勘を信じろ!」と言って、強引に多額の設備投資を提案しました。あなたが副社長なら次のうちどの行動をとりますか?

パターン1

取締役会では賛成しておき、あとから社長に意見を言う。
 

パターン2

取締役会で、社長の解任を提案する。

パターン3

取締役会で、投資案の採算分析をすることを提案する。

この質問をイメージして以下のストーリーをお読みください。
イメージ01
イメージ02

副社長を中心に順調に成長している会社

「ミロク製造」は、創業者である社長のワンマン経営で長年事業を続けてきました。しかし、社長の息子である副社長が、勤めていた会社を退職してミロク製造に入社してからは、副社長を中心に取締役会でも活発な議論が行われ、経営陣が一体となった経営ができています。

それでは、副社長が入社した頃のミロク製造はどんな様子だったのでしょうか。当時の様子を見てみましょう。

3年前 ~取締役会で社長が暴走!

3年前、社長の息子が副社長としてミロク製造に入社しました。副社長は以前からときどきミロク製造に立ち寄って幹部や社員とコミュニケーションをとっていたため、多くの社員が副社長の能力に期待し、入社を心待ちにしていたのです。そして、副社長が入社して初めての取締役会でのことです。

社長 実は先日、ある知り合いと話をしていたら、X製造機がなかなか良いという話を聞いたんだ。そこで、うちでも導入したいと思うがどうだろう。ちょっと値段は高いんだがな
取締役会に出席している役員たちはみな遠くを見たり、目を閉じたりしています。やがて社長がいらだちを隠せず言い出しました。
社長 みんなどうなんだ? 異議なんかないだろう! 俺の勘を信じろ!
副社長の心の声 <おやじが暴走してるぞ。強引に多額の設備投資を決議しようとするなんて無茶だろう……。何とかしなければ……>
 

質問

父親が社長を務める会社に入社した副社長。初めて出席した取締役会で、父親である社長が「俺の勘を信じろ!」と言って、強引に多額の設備投資を提案しました。あなたが副社長なら次のうちどの行動をとりますか?

▼あなたの思うパターンをクリック▼

パターン1

取締役会では賛成しておき、あとから社長に意見を言う。
 

パターン2

取締役会で、社長の解任を提案する。

パターン3

取締役会で、投資案の採算分析をすることを提案する。

取締役会で社長の暴走をおさえようとしても、かえってもめるだけなので、取締役会後にじっくり社長と話すという方法もあります。しかし、取締役会の場で意見を言わなければ賛成したものとみなされます。取締役としての責任を果たすためにも、取締役会で何か行動するべきでしょう。

暴走する社長を解任したという事件をときどき聞きますが、オーナー企業では過半数の議決権をオーナー自身が握っていることが多く、あまり現実的ではありません。他の方法を考えてみたほうが良いでしょう。
 

実は、副社長がとった行動はパターン3だったのです。なぜ、投資案の採算分析を提案することにしたのでしょうか、また採算分析とは一体どんなものなのでしょうか……
 

そのとき副社長は昨夜の家族会議を思い出した!

取締役会で暴走している社長に何か言わなければと思っていた副社長の頭の中に、昨夜の家族会議のことが思い出されました。副社長の家庭では、多額の出費があるときには家族全員で会議を行って決めます。昨夜の議題は大学生の息子が最新型のパソコンを買いたいというものでした。

【 昨夜の副社長宅での家族会議 】

大学生の息子 実は、最新型のパソコンが欲しいんだ。大学で勉強するのにどうしても必要なんだ
副社長 そうか、そうか。確かに古いパソコンでは何かと不便だろう
あなた何言ってるのよ。その最新型のパソコンを買うべきかどうか、ちゃんと採算分析をしなきゃだめよ
副社長 採算分析?
つまり、その投資でどの程度のリターンがあるか、経済合理性を計算するのよ。私が経理部で働いていた頃は取締役会に提出するためによくやったものよ
大学生の息子 最新のパソコンがあれば、すばらしい卒業論文ができるよ。それにプログラミングの勉強をして、将来はIT企業の社長にもなれるかもしれないよ!  そうしたらお父さんとお母さんに楽をさせてあげるよ
副社長・妻 夢物語に投資するより、老後のために貯金したほうが良さそうだな……


【 社長が暴走している取締役会の続き 】

社長が暴走している取締役会の場で、昨夜のこの家族会議を思い出した副社長は、思い切って発言しました。

副社長 社長、そのX製造機の購入ですが、まずは投資の採算分析をしてみてはいかがでしょうか
社長 何っ? 採算分析? お前は俺の勘を信じられないっていうのか?
社長が副社長の発言にキレそうになったとき、営業部長がすかさず加勢してくれました。
営業部長 なるほど、副社長、採算分析ですね、分かりました。それなら営業部でX製造機を導入した場合の製品の販売見込みを試算してみます
経理部長 では、経理ではその販売見込みをもとに採算分析をしてみます。DCF法と投資利益率法、それに回収期間法もやってみます。社長、それでよろしいでしょうか
社長 えっ、何だって? よく分からんが、まぁ適当にやってくれ……
経営幹部は以前から、社長の勘に頼った経営に危機感を覚えていたため、副社長の発言をきっかけに、ここぞとばかりに意見を言ったのでした。

その後、ミロク製造では、経営幹部が激しく議論をしながら経営の方向性を決定するようになりました。社長も最初は自分が蚊帳の外になったようで不満そうでしたが、やがて経営幹部の真剣な議論を聞くうちに、頼もしい部下たちだとうれしく感じ始めたのでした。
【ワンポイント解説】
「投資の採算分析」
設備投資や投資案件について、その経済合理性を分析することを言います。DCF法や投資利益率法、回収期間法などがあります。取締役会で投資案件の決議をする際は、投資採算分析など経済合理性を検討することが必要です。
ミロク情報サービスFacebookページ

かんたんナビ

まずは無料資料請求

お問い合わせ