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飲食業

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2020/05/23

質問

新型コロナウィルスの影響で、売上高が前年比8割も減少してしまった飲食店の経営者。金融機関に融資を申し込むことにしましたが、いくらの融資を申請すればよいか全く分かりません。あなたが経営者なら次のうちどのようにしますか?

パターン1

とにかく借りられるだけお金を借りる。

パターン2

借りても返せる当てがないので、融資を申し込むのをやめる。

パターン3

いくつかのパターンに分けて計算してみる。

この質問をイメージして以下のストーリーをお読みください。
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新型コロナの収束が見え始め、お客さんが戻ってきた飲食店

「レストランみろく」は、社長が長い修業期間を経て10年前にはじめたカジュアルなイタリアンのお店です。都内に3店舗を構え、固定客を中心に人気を得ています。
 
新型コロナの収束がみえはじめたことで、社長はレストランを再開することにしましたが、お客様に安心して食事をしていただけるように、入店前に手のアルコール消毒をしてもらったり、テーブルの間隔をあけたり、様々な工夫をしています。
 
また、新型コロナウィルスの第2波がきても会社が耐えられるように、これまで適当にしていた日々の資金繰りをしっかり毎日チェックするようにし、また料理の持ち帰りも積極的にはじめるなど、コツコツと対策をはじめています。
 
今でこそ、新型コロナの恐怖から抜け出しはじめたレストランみろくですが、緊急事態宣言が出たころは大変だったのです。

必要な資金額を教えろって言うなら、いつコロナが終わるか教えてくれっ!

政府により新型コロナウィルスに関して緊急事態宣言が発令された直後の話です。社長は朝早くから銀行の営業が始まるのを待ち構えていました。そして、銀行の入り口が開いた瞬間に飛び込んで、馴染みの融資担当者に詰め寄りました。

社長 大変なんです! この売上の集計表みてください! 去年に比べて売上が8割も減ってるんです。今月末の支払いも難しい。すぐに融資をお願いします!
融資担当者 うちは御社のメインバンクですから、しっかりとできる限りの支援をさせていただきます
社長 助かった~。じゃあ、うちの会社は何とかなると思っていいんですね
融資担当者 まずはいくらの資金が必要かを教えてください
社長 いくら必要かって、そりゃあ、多ければ多いほど助かりますよ
融資担当者 それではこちらも困ります。具体的に数字でお出しください
社長 そんなことできるわけないだろう! だったら、この新型コロナがいつ終わるのかを教えてくれっ!

社長は融資担当者にぶち切れてしまいました。そして、メインバンク以外の銀行に相談にいくことや、補助金の申請など、ほかの手がないか検討を始めることにしました。

社長の心の声 <融資担当者にあんなことを言ってしまったけど、実際、融資が受けられなかったらうちは今月末で倒産だ。必要な資金ってどうやって計算すればいいんだ?>
 

質問

新型コロナウィルスの影響で、売上高が前年比8割も減少してしまった飲食店の経営者。金融機関に融資を申し込むことにしましたが、いくらの融資を申請すればよいか全く分かりません。あなたが経営者なら次のうちどのようにしますか?

▼あなたの思うパターンをクリック▼

パターン1

とにかく借りられるだけお金を借りる。

パターン2

借りても返せる当てがないので、融資を申し込むのをやめる。

パターン3

いくつかのパターンに分けて計算してみる。

新型コロナの収束が見えない状況では、とにかく借りられるだけ借りて安心したい気持ちもよくわかります。しかし、借りたお金が少な過ぎたら危険ですし、必要以上に借りるのも金利負担がかさみます。何らかの方法で必要な資金を計算する必要がありそうです。

新型コロナの収束が見えない状況では、たとえ融資を受けられても、返済できる見込みも立ちません。いっそのこと融資を申し込むのをやめて、会社をたたんでしまうという考えもあり得ます。しかし、本当に会社をたたむべきかどうかをしっかり計算してみる必要がありそうです。

実は社長が行ったことはパターン3でした。いくつかのパターンに分けて計算してみるとは、具体的にどういうことだったのでしょうか……
 

自宅待機中の長男と遊んでいたら気づいたこととは?

銀行の融資担当者とけんかをした翌日。社長は店をしばらく休業することにしました。
 
そして、自宅でぼんやりしながら資金繰りのことを考えていました。すると、将棋好きの小学6年生の長男に相手をして欲しいと言われたのです。社長の頭のなかは資金繰りのことでいっぱいでしたが、仕方なく将棋の相手をすることにしました。

長男 確か、パパと将棋をしたのは、去年の夏が最後だったよね。あのときはコテンパンにやられたけど、今日は負けないよ。何しろすごい秘訣を教わったんだ
社長 ほっほう。秘訣か。そりゃ、楽しみだ

そう言って、まずは先手の長男が「歩」を前に進めました。そこで、社長も同じように「歩」を前に進めたところで、何やら長男が目を閉じて考え込んでしまいました。それから3分が経過し、しびれを切らした社長が言いました。

社長 何を悩んでるんだ? まだ2手目だぞ
長男 悩んでるんじゃないよ。シミュレーションしてるんだよ
社長 なんだ? シミュレーション?
長男 そうだよ。いろんな状況を想定してみるんだよ。僕がこうしたら、次にパパがこうやって、そしたら僕はこうして、って具合にね
社長 なるほど。シミュレーションして最も良い手を打つわけか。でも、まだ2手目だぞ
長男 そんなことじゃダメだよ、パパ。会社の経営だって、シミュレーションが必要だよね? 緊急事態宣言が長引いたらこうして、緊急事態宣言が終わったらこんな対策をして、ってちゃんとシミュレーションしてるんだよね?
社長 もっ、もちろんだよ。パパは社長だからな!
長男 なんだか心配だな~

このとき社長は思いました。

社長の心の声 <なるほど。いくつかのパターンにわけて、資金繰りのシミュレーションをすれば、いくらのお金が必要になるかも、そのパターンに応じて計算できるぞ>

将棋の対決は妻に押し付け、社長はすぐにパソコンに向かってシミュレーションを始めました。パターン1は、閉店が今月で終わって、来月から売上が前年比50%に戻り、徐々に回復する場合。パターン2は、閉店が来月まで続き、再来月から売上が前年比30%しか戻らず、そのまま続いた場合…。そして、それぞれのパターンに応じて、仕入高や経費もシミュレーションしてみたのです。
 
このように、社長が想像できるいくつかの状況に応じて資金繰りの予定表を作り、それぞれいくらの資金不足になるかを計算してみました。そして、そのシミュレーションの一式を銀行の融資担当者に見せて相談してみることにしたのです。
 
こうして、何とか資金調達のめどがつきはじめたとき、社長は思いました。

社長の心の声 <今回は何とか生き残れそうだが、今後いつ新型コロナウィルスの第2波が来るかわからないし、ほかにどんな異常事態が起こるかも分からない。そんなときでも生き残れるようにちゃんと日々準備をしておかなければいけないな。もうこんな思いは二度としたくない!>

 

ワンポイント解説
「資金繰りのシミュレーション」
将来、起こり得る様々な経営状況に応じて、資金繰りがどうなるかを計算してみることを言います。 

将来予測が困難なときほど、想像力を働かせて、将来を様々にシミュレーションしてみる必要があります。その結果、様々な状況に合わせた適切な対策を検討できます。 

資金繰りについては、楽観的な場合、悲観的な場合など、いくつかのシミュレーションをすることで、おおよそどのぐらいの資金があればこの状況を乗り越えられるかが見えてくることがあります。またこのシミュレーションによって、どこまで状況が悪化したら会社をたたむべきかの判断もできるでしょう。
関連リンク資金繰りのシミュレーションに興味のある方は、コチラもご覧ください。
<MJSシステム(財務大将)の資金繰り予定表>

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関連リンク新型コロナウィルス感染症に関わる緊急支援情報を知りたい方は、コチラもご覧ください。
新型コロナウィルス感染症緊急支援情報一覧https://www.mjs.co.jp/feature/covid19/
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