記事制作:税経システム研究所

サービス業

  • サービス業
2020/10/03

質問

新型コロナで来店客が激減した「ヘアサロンミロク」。以前のような来店客数に戻るには時間がかかりそうで、採算の確保が難しい状況です。そこで来店して頂かなくても提供できる新たなサービスの導入も含めて検討しています。あなたが経営者なら、次のうちどの行動をとりますか?

パターン1

出張サービスを行う。

パターン2

オンラインでヘアカットの有料指導をする。

パターン3

ヘアケアのためのグッズを、アドバイスサービス付きで販売する。

この質問をイメージして以下のストーリーをお読みください。
イメージ01
イメージ02

新型コロナでピンチのヘアサロン

「ヘアサロンミロク」は、とある郊外にある美容院です。美容院激戦区に位置していますが、多くの固定客を抱え、これまでの経営は順調でした。しかし、新型コロナ発生後、客足は遠のき、元のような来店客数に戻るのには相当の時間がかかりそうです。
 
ある日の午後、ガラガラの店内で、スタッフ達が話しています。

スタッフA 暇だわ……
スタッフB 今日は、午前にお一人お客様がいらしただけね
スタッフA 正直言って、今日のスタッフは一人で十分だったわね
スタッフB お客様がいらっしゃらなくても私達の給料はかかるだろうし、大丈夫かしら……

新型コロナで大変な状況で、スタッフ達は不安を抱えているようです。

質問

新型コロナで来店客が激減した「ヘアサロンミロク」。以前のような来店客数に戻るには時間がかかりそうで、採算の確保が難しい状況です。そこで来店して頂かなくても提供できる新たなサービスの導入も含めて検討しています。あなたが経営者なら、次のうちどの行動をとりますか?

▼あなたの思うパターンをクリック▼

パターン1

出張サービスを行う。

パターン2

オンラインでヘアカットの有料指導をする。

パターン3

ヘアケアのためのグッズを、アドバイスサービス付きで販売する。

出張サービスであればお客様同士が店内で接することがないため、新しいサービスの一つになるかもしれません。しかし、出張サービスの提供には法規制があって自由にできるわけではありません。また条件を満たしたとしても、移動時間や移動のための追加コストがかかりますので、スタッフが限られている中では、相当程度高額の料金設定ができないと、導入は難しそうです。

オンラインでヘアカットの指導を導入するのも良い方法かもしれません。しかし、ヘアカットはそれなりに難しいため、指導があったとしても、自前で上手くカットできる可能性はそれほど高くなく、有料でカット指導を受けたいという需要はあまり期待できないかもしれません。

ヘアサロンミロクの店長が選んだのはパターン3でした。ヘアケアのためのグッズを販売し、必要な場合には、オンラインでヘアケア指導をするという方法です。果たしてそのねらいはどこにあったのでしょうか?
 

ヘアケアサービスの提供

スタッフ達が不安を口にしていた頃、ヘアサロンミロクの店長は自宅に居ました。と言っても、決して休んでいたわけではありません。この状況下で、提供できる良いサービスはないかと思案していたのです。

そこに、友達とのオンラインでのおしゃべりが終わった娘が、やってきました。

店長 あら。おしゃべりは、もう終わったの?
うん。もう2時間以上も話しちゃったわ
店長 何人、集まったの?
5人かな
店長 オンラインでのおしゃべりって、上手くいくの?
そうね。5人くらいなら、スムーズよ。でも、普通に集まっている時みたいに、何人もが一気に話すことはできないから、5人くらいの人数が丁度いいかな。これ以上増えると、あまり話せない人も出てくるから、厳しいかも
店長 みんな、元気なの?
元気よ。私が家で髪をカットしてもらったって話をしたら、羨ましがってたわ
店長 皆、美容院に行けないわよね。かと言って、自分でカットするのも難しいしね
失敗すると厳しいもんね。でもその分、皆、髪型にはこだわってたわ。カットできない分、ネットで一生懸命調べて、似合う髪型にする努力をしてるんだって。オンラインだと、顔とか髪は特に目立つしね。それに、上手く髪がまとまるよう、ヘアケア用品も、ネットショップで一生懸命調べているみたいよ
店長 あら、ヘアケア用品は、うちの美容院のものがピカイチよ。何と言っても、プロ仕様なんだから
え~。でも、それは店舗限定でしょ
店長 お店では、お客様に売ってるわよ
だったら、店に来ない人にも売ってあげたら、きっと喜ばれるわよ
店長 確かにそうかもしれない

娘と話していて、ヘアカットができなくても、逆に、できないからこそ提供できるサービスがあることに気が付いたのです。

店長は早速、新しいサービスの提供をスタッフとともに検討し始めました。その際に重視したのは、従来のお客様との関係が途切れてしまわないようにすることでした。

店長 まずは、新型コロナの影響で来店が難しいお客様は、うちが何もしなかったら関係が途切れてしまうかもしれない
スタッフA 確かに、それは心配ですね
店長 そこで、これまで当店をご利用のお客様と連絡をとって、店で販売しているヘアケアセットを、初回は手頃な価格で自宅に届けられないかと考えてるの
スタッフA でも、ヘアケアセットも多種多様ですから、使い方を間違えるとかえって髪や頭皮にダメージをあたえかねません
店長 そうよね。だから、場合によってはお客様へのアドバイス付きで
スタッフB アドバイスですか。そうですよね。頭皮の汚れが気になるからって、洗浄力の強いシャンプー使ってる方なんかもいらっしゃいますし……
スタッフA 髪のパサつきが気になるからって、コーディングの成分が多すぎるトリートメントを使ってる方とか……
スタッフB 髪がまとまらないからって、髪の栄養補給を妨げるオイルを使ってる方とか……。アドバイスって大事かも

こうして、顧客つなぎ止めをねらって、従来のお客様に対するアドバイス付きでのヘアケアセット販売が始まりました。なかなか好評で、口コミなどでそれを知った新規顧客からも徐々に注文が入るようになってきました。

店長 来店されるお客様なら、お客様に合ったヘアケア用品をお勧めできるけど、そうでないお客様だと気を付けないといけないわね

そこでヘアサロンミロクでは、購入して頂くお客様には必要があればオンラインや電話での無料相談にも乗ることにしました。店舗で取り扱うヘアケア用品はプロ仕様のものであり、販売価格も決して安くはないので、それぞれのお客様に適したものを正しく使ってほしいのです。また、ヘアカットすることができず髪が伸びてしまった場合であっても、オンラインでお客様の髪型を確認しながら、似合う髪型を提案するオンラインサービスも始めることにしました。こうした各種アドバイスについてより詳しく聞きたい方には、有料のアドバイスサービスも設けることにしました。

これまで、ヘアサロンミロクのお客様は地域のお客様だけでした。しかし、今回のサービスは、地理的な制約がありません。来店しない顧客への対応を検討していったことで、「地域のお客様はもちろんのこと、地域を超えたお客様に利用して頂けるかも」と、店長は期待しています。

ワンポイント解説「来店しない顧客への対応」
今般の新型コロナのような非常事態の状況下では、来店を控える顧客も少なくありません。それが長引くとそれまで築いてきた顧客との関係が途切れてしまいかねません。本記事にあったように、グッズを割安で提供するなど、来店しない顧客とも関係が続く方法を検討してみると良いでしょう。それが新たな顧客開拓にもつながるかもしれません。
ミロク情報サービスFacebookページ

かんたんナビ