記事制作:税経システム研究所

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2020/11/03

質問

企業向けに社内研修を提供している教育研修会社。新型コロナウィルスの影響で集合研修ができなくなり、オンライン型の研修を始めようと考えています。しかし、講師陣は、オンライン研修のためのパソコン操作が全くできず、一から教えるには相当な時間がかかりそうです。あなたが経営者なら、次のうちどの手段を選びますか?

パターン1

オンライン研修はあきらめ、コロナが終息するのを待つ。

パターン2

講師陣に徹底的にパソコンの操作方法を勉強してもらい、オンライン研修を始める。

パターン3

講師がパソコン操作を全くしなくてもオンライン研修ができる方法を考える。

この質問をイメージして以下のストーリーをお読みください。
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企業内研修で講師に大絶賛の拍手が行われている研修会社

「みろく教育研修社」は、20年前に大手研修会社で働いていた社長が独立して始めた企業向けの研修会社です。新卒向け研修や営業スキル研修、会計・人事など幅広く研修メニューをそろえています。
 
今日も、みろく教育研修社の顧客企業で実施された社内研修で、人気講師が講義を行い、大絶賛の拍手を受けています。
 
今でこそ、多くの顧客企業で企業内研修が再開できるようになったものの、新型コロナウィルスによる影響が深刻だった頃は、企業内研修も実施できずに大変だったのです。

社長、大変です! また研修のキャンセルです!

新型コロナウィルスが拡大を見せる中、みろく教育研修社には毎日のように企業内研修のキャンセルの電話が相次いでいました。

企業の研修担当 申し訳ありませんが、しばらくは三密を回避するために、マネジャー向け研修はキャンセルさせてください
社長 えっ、キャンセルですか? 講師はマスクとフェイスシールドをして対策はしっかりしますから、何とか実施してもらえませんでしょうか?
企業の研修担当 さすがに、この時期に集合研修はちょっと……。そもそも社員がリモートワークをしているわけですから、研修のために出社させるのは……

電話を切って、がっかりしている社長に、経理担当役員と営業担当役員が声を掛けました。

経理担当役員 社長、うちもそろそろオンライン研修を考えてはどうでしょうか?
社長 オンライン研修? そんなもんダメだ! 研修は講師と受講者が同じ空間で触れ合ってこそ……
経理担当役員 社長のおっしゃることはごもっともですが、このまま売上ゼロが続いたら、会社が持ちません
営業担当役員 私もオンライン研修には賛成です。受講者には自宅からパソコンで研修に参加してもらい、講師はパソコンの画面上で講義をする。これならコロナ禍でも研修ができます
社長 まぁ、二人の言うことももっともだな。それなら善は急げ! さっそくオンライン研修を始めようじゃないか
営業担当役員 ただ……、問題がありまして。実はうちが契約している講師陣はパソコンに疎いベテランが多いので、パソコンの操作方法が分からないからオンライン研修は無理だって言うんです
社長 私もオンライン研修のパソコン操作なんて分からないから、講師の気持ちは分かるが……、どうしたものか……
 

質問

企業向けに社内研修を提供している教育研修会社。新型コロナウィルスの影響で集合研修ができなくなり、オンライン型の研修を始めようと考えています。しかし、講師陣は、オンライン研修のためのパソコン操作が全くできず、一から教えるには相当な時間がかかりそうです。あなたが経営者なら、次のうちどの手段を選びますか?

▼あなたの思うパターンをクリック▼

パターン1

オンライン研修はあきらめ、コロナが終息するのを待つ。

パターン2

講師陣に徹底的にパソコンの操作方法を勉強してもらい、オンライン研修を始める。

パターン3

講師がパソコン操作を全くしなくてもオンライン研修ができる方法を考える。

講師陣がパソコン操作を知らないので実現は難しい、ということでオンライン研修をあきらめるという手も考えられます。しかし、集合研修ができない期間がこのまま続けば、固定費を賄えなくなり、会社の存続も危ぶまれます。早急に何らかの収入確保の手段を考えるべきでしょう。

すべての講師が一から勉強して、問題なく研修を一人でこなせるようになるのはかなり時間がかかるかもしれませんから、その間、会社の資金が持つかどうかが心配です。また、講師のパソコンの操作ミスにより研修が失敗するようなことがあれば、研修の評価が下がり、リピートがなくなってしまうかもしれません。リスクを抑えた上で、収入を確保する手段を考える必要がありそうです。

実は社長が選択したのはパターン3でした。講師が全くパソコン操作をしなくてよい方法とは、どういうことなのでしょうか。
 

社長がオンライン会議でミュートにし忘れた!

その頃、みろく教育研修社では、従業員の新型コロナウィルスの感染を避けるために、自宅からのリモートワークを始めていました。
 
そして事件が起こったのは、リモートで行われた経営会議でのことです。すべての経営幹部が自宅のパソコンから会議に参加する中、経理部長が、前月の損益が大赤字になり、資金繰りも厳しくなっている状況を、資料に基づいて説明していたとき……。

(リモートによる経営会議にて)

経理部長 ……、先月の赤字の影響で、来月の資金繰りも少し厳しくなっており……

すると、どこからともなく……

  ねぇ~、お父さーん、夕飯はレトルトのカレーでいいかしら~

真剣にパソコンの画面を見つめていた経営幹部たちが、首をかしげました。

さらに、どこからともなく……

  レトルトのカレーか~。何かトッピングとかないのか?

経営幹部たちは、その聞き覚えのある声を聞いてすべてを察しました。

パソコンの画面に映し出されている社長は、横を向いて、奥さんらしき人と話をしているではありませんか。

経理部長は動揺しつつも説明を続けるしかありません。

経理部長 ……、というわけで、明日、銀行に行きまして……

また、どこからともなく……

  じゃあ、お肉屋さんの100円コロッケもつけてあげるわ!
  おお~、いいね~、サンキュー!

経理部長は何事もなかったかのように淡々と説明を続け、経営幹部たちも何も聞こえていないふりをしていましたが、ついに総務部長が小さな声で言いました。

総務部長 あの~、社長、マイクがミュートになっていないようです
社長 あ~っ!
 
社長の心の声 <しまった! オンライン会議中なのに、マイクをミュートにし忘れてしまった。だが、こんな失敗が研修中に起こったら大変なことだ。講師は講義に集中してもらい、パソコンの操作は別の担当者をつけるようにしよう。しかし……、講師とパソコン担当者の二人体制にして、ちゃんと利益は出るのか??>

その後、社長は経理担当役員と協力しながら、講師とパソコン担当者の二人体制でオンライン研修を受注した場合、今の研修料で利益がちゃんと出るかどうか、採算分析をすることにしました。

その結果、サポート要員を派遣社員として追加採用しても、講師や営業社員の交通費や宿泊費、教材の印刷費など削減できる費用も多く、研修料を以前より若干アップに設定できれば、研修1件当たりの利益はしっかり出るということが分かりました。

こうして、みろく教育研修社では、コロナ禍がいつまで続くか分からない中、試験的にオンライン研修を顧客企業に提案することにしたのです。

ワンポイント解説「採算分析」事業にかかわる収益と費用を算出し、利益が出るかどうかを分析することを採算分析と言います。今回、みろく教育研修社が、「オンライン研修」を試験的に始めることにしましたが、このようにビジネスモデルや収益構造を変える場合には、それによって採算が確保できるかどうかを分析することが必要です。
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