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2021/09/23

質問

「洋品店ミロク」では、お客様の年齢層が高くなっており、体力の低下に加えて新型コロナの影響もあり、客足が遠のいてしまっています。店主は閉店することも考えたものの、地元のお客様のために細々とでも続けたいと思っています。あなたが店主なら、次のうちどの行動をとりますか?

パターン1

ネット通販を始める。

パターン2

期間限定セールを行う。

パターン3

出張サービスを行う。

この質問をイメージして以下のストーリーをお読みください。
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新型コロナで客足が遠のいた洋品店

「洋品店ミロク」は、とある郊外の駅前に30年以上前からある洋品店です。比較的古くからの住宅地が近いことで昔からのお得意様が多く、実際に服を見て、試着し、また自分の好みを良く知っている店員からのアドバイスをもらうなど、じっくり検討した上で購入するという方が少なくありません。そのため洋品店ミロクでは、それぞれのお客様の好みも良く分かっています。

以前の経営は順調でしたが、お得意様の年齢層が高くなり、体力の低下とともに買い物に行くのも億劫になってきたことに加えて、新型コロナの影響も受け、新型コロナ以降はすっかり客足が遠のいてしまっています。

ある日の午後、洋品店ミロクの店主が近所を歩いていると、お得意様とバッタリ会いました。

お得意様 あら、久しぶりね〜
店主 本当ですね〜。この辺りでお見かけするのは久しぶりですね。最近、どうされていたんですか
お得意様 もっぱら自粛よ。病院に行ったり、スーパーに行ったりと、必要最低限ね
店主 以前は、いろいろと外出されていましたもんね
お得意様 ソーシャルディスタンスを保ちながらお散歩したり、少し外出くらいはって思っているのよ。でも最近は体力も落ちてきて、買い物に出かけるのもちょっと億劫になってきちゃって……
店主 お出かけの時は、うちの店にも、是非お立ち寄りください
お得意様 そうね〜。新しいお洋服を着れば、気分も明るくなるかもねぇ
店主 そうですよ


お得意様と別れた店主、「あの感じだと、店に来てくださるのは、まだまだ先になりそう」と思いました。すっかり客足が遠のいてしまい、開店休業の状態で、店主は閉店することも考えました。しかし、お客様の声を聞くと、地元のお客様のために細々とでも店を続けたいと思っています。

店主の心の声 <どうしたら、今の状況でお客様のお役に立てるだろう>
 

質問

「洋品店ミロク」では、お客様の年齢層が高くなっており、体力の低下に加えて新型コロナの影響もあり、客足が遠のいてしまっています。店主は閉店することも考えたものの、地元のお客様のために細々とでも続けたいと思っています。あなたが店主なら、次のうちどの行動をとりますか?

▼あなたの思うパターンをクリック▼

パターン1

ネット通販を始める。

パターン2

期間限定セールを行う。

パターン3

出張サービスを行う。

最近はネットで洋服を買うということも増えていますので、ネット通販を始めるのは一つの方法かもしれません。しかし、洋品店ミロクのお得意様の年齢層が高いことを考えると、試着なしにネットで洋服を購入してもらうことは難しいかもしれません。一方で、ネット通販を行うためには、洋品店ミロクでは新たな設備投資を行うコストがかかりますので、リスクが高そうです。

期間限定セールを行うのは、追加のコスト負担が抑えられるので、安さに魅かれて来店客が大きく増えるなら、効果的な方法の一つと思われます。しかし、お客様が来店することに抵抗感がある今の状況では、かえって利益を減らすことになりかねません。

洋品店ミロクの店主が選んだのはパターン3の、出張サービスを行うことでした。店の方は開店休業状態ですので、現状の人員でも何とか対応できそうです。洋品店ミロクのお得意様は、昔からお付き合いのある方が多いため、好みは知り尽くしています。そのため、洋品店ミロク側で、各お得意様の好みに合わせた洋服を何着か選び、それを自宅に持っていき、試着して頂くことにしたのです。

お客様のお役に立てるサービスがあった!

「客足が戻ってくるのはまだまだ先のことになりそう」、そう思いながら、洋品店ミロクの店主は足取りも重く、帰宅しました。

娘は、ソファーでスマホを見ながら、ゴロゴロしています。

店主 あら。またスマホを見ているの?
うん。ネットショッピングしているのよ
店主 なんでもネットなのね。実物を見ないで、不安じゃないの?
うーん。普通よ。靴だって、ネットで売ってるんだから
店主 靴なんて、サイズが合わないと大変じゃない!
まぁ、合わなかったら変えてもらえばいいだけだから。お母さんのショップも、ネット販売、始めてみたら?
店主 そうねぇ……。でも、お得意様のほとんどは、あまりネットでお買い物をする人達じゃないし
そうよねぇ
店主 実物を見ないで買う人達でもないし、私達のアドバイスを聞いた上で購入したいという方が多いからねぇ


さらに店主は続けます。

店主 ネット販売を始めるためのホームページ開設の資金的余裕も、今はないわねぇ
この前も、ギリギリだって言ってたわよね。じゃあ、実物を見たいけど店には来たくないってことなら、お母さんが実物を持っていってあげたらどうかしら
店主 どういうこと?
最近は、ネット注文で好みに合わせた洋服をいくつか詰め合わせてくれたり、ネットで自分でいくつか選んで、おうちに郵送してくれるサービスがあるのよ
店主 それをどうするの?
それを試着してみたり、実物を確認してみたりして、気に入ったら買うし、気に入らなかったらそのまま返却するの
店主 そんなサービスがあるのね
お母さんのショップのお客様は近所の人ばかりだから、わざわざ郵送せずに、持っていけばいいじゃない


「なるほど」と店主は思いました。店の方は開店休業状態ですので、うまくやりくりすれば、現状の人員でも何とか対応できそうです。

娘からのアドバイスで、店に来て実物を確認してもらえなければ、逆に、こちらから出向き、実物を確認してもらえば良い、ということに気が付いたのです。

店主は早速、サービス提供方法の見直しを行い、新しいサービスの提供を始めることにしました。さらに、お客様の中には衣類をクリーニングに出したいと思っても、重い荷物を持っていくのが大変などと言った困り事も多く耳にするようになりました。そこで店主は、クリーニング店と協業することで困り事を解決できるのではと考え始めています。

こうした新たな試みが上手くことを、店主は期待しています。
 

ワンポイント解説「サービス提供方法の見直し」本記事では、来店できない顧客が持つニーズをつかみ、それに合致するよう、サービス提供方法(場所)の見直しを行った例が取り上げられています。来店できなくなってしまった顧客に対しては、来店を促すのではなく、来店しなくてもニーズを満たせるような新たなサービス提供の方法を探してみることが有効です。
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