記事制作:税経システム研究所

サービス業

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2017/05/03

質問

新たに出店した2号店の経営がうまくいかない「ヘアスタジオ・ミロク」。あなたが経営者なら次のうちどの行動をとりますか?

パターン1

大々的に2号店のキャンペーンを打って、料金も下げる。
 

パターン2

2号店の客層を分析し、特色あるサービスを提供する。

パターン3

2号店の店長を交代させる。

この質問をイメージして以下のストーリーをお読みください。
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次々と予約が入る美容院

ヘアスタジオ・ミロクの2号店は、都心から少し離れた郊外の駅前にある美容院です。

2号店店長 ありがとうございました!

大きな声で、お客さまのお見送りをしています。そこに、仕事帰りらしき若いOLさんがやってきました。

2号店店長 いらっしゃいませ
あのー、7時からレストランでちょっとした食事会があって、セットをお願いしたいんですけど、大丈夫ですか?
2号店店長 はい、大丈夫です。7時からですと急がないといけませんね! では、こちらにおかけください

その様子を、スタッフたちがうれしそうに見ています。

数カ月前 ~同地区に出店した2号店が苦戦

ヘアスタジオ・ミロクは、数年前、都心から少し離れた郊外の駅前から、バスで少し行った場所に出店した美容院です。この地区は住宅地が多く、駅前から少し離れたところでもお客さまが集まると考えました。お客さまからの評判も良く、とてもはやっていました。そこで店長であり経営者でもあるAさんは同地区で2号店を出店することに決めたのです。さすがに1号店のすぐそばに2号店を出すわけにはいきません。多くのお客さまに来ていただけそうな駅前に、思い切って2号店を出店することに決めました。

ところが、2号店は出店してからなかなか軌道に乗らない状況が続いていました。そんなある日のこと、Aさんが2号店を訪れると、2号店の店長と店員が、話しています。

2号店店長 この店舗、なかなか軌道に乗らないな……
店員 そうですよね。なかなかお客さまに来てもらえませんね
2号店店長 1号店はいつも予約でいっぱいのようなんだがなぁ
店員 1号店と同じようにサービスを提供しているんですけどねぇ
こうした状況に、経営者のAさんは危機感を募らせていたのです。

質問

新たに出店した2号店の経営がうまくいかない「ヘアスタジオ・ミロク」。あなたが経営者なら次のうちどの行動をとりますか?

▼あなたの思うパターンをクリック▼

パターン1

大々的に2号店のキャンペーンを打って、料金も下げる。
 

パターン2

2号店の客層を分析し、特色あるサービスを提供する。

パターン3

2号店の店長を交代させる。

お客さまを集めるために大々的にキャンペーンを打って、料金を下げる、このような方法もあるでしょう。しかし、下がった料金にひかれて来店していただける方が増えたとしても、果たして継続して来店いただけるかは疑問です。

ヘアスタジオ・ミロクの経営者が選んだのは、パターン2でした。同地区であったとしても、1号店の客層(住宅地)と2号店の客層(駅前)とは異なります。それにもかかわらず、2号店のサービスは1号店のサービスをそのまま踏襲していました。その問題に気が付いたことがターニングポイントになったのですが……

2号店の店長に問題があるようなら、店長を変えることも一つの方法かもしれません。しかし、今回の問題は店長ではなく、違うところにありそうです。

客層に合わせたサービス展開

ある日、ヘアスタジオ・ミロクの経営者であるAさんが、奥さんと大学生の息子と一緒に外出したときのことです。お昼ご飯を食べようと店を探していたところ、ある天ぷら屋が目にとまりました。“昼のコース料理”と書かれたメニューに魅(ひ)かれ、早速入ってみることにしました。

1時間半ほどして料理を食べ終え、いろいろな料理を楽しめたことに皆満足したようです。

Aさん うまかったなー。さすがコース料理だけあって、お前も満足だろう
息子 そうだね、普段の僕だと、天ぷらっていっても、学食の天丼だもん。安いけど、セルフサービスだしね。15分あれば食べ終わるよ。学食なら天丼以外のメニューも選べるけどね。今日はぜいたくさせてもらってありがとう!
奥さん さすがに学食で、天ぷらのコース料理なんて食べる人いないわよね。同じ天ぷらだって、場所によって売れるものは違うということね
そのときAさんは、基本的なことを見過ごしていたことに気が付きました。1号店は住宅地にあり年配のご婦人が多い、一方、2号店は駅前にあり、通勤・通学途中の若いOLさんや学生さんが多い。1号店との客層の違いを考えずに2号店も1号店と同じように営業してしまっていたのです。

次の日から、Aさんは1号店とは客層が異なる2号店で提供すべきサービスを考え始めました。

住宅地に近い1号店は、時間とお金に余裕のありそうなご婦人が主なお客さまです。予約をとって日中に来店されるお客さまがほとんどです。そして、時間がかかっても、お客さまの望むスタイルをお聞きしながら、髪質や癖、痛み具合に合わせて、カット・カラーリング・パーマなどを丁寧に行ってほしいようです。料金は高くてもきめ細かいフルサービスをご希望のお客さまが多い傾向にあると分析できました。

一方、駅前の2号店は、通勤・通学途中に来店される若いOLさんや学生さんが主なお客さまで、時間がかかるのを気にされるお客さまが多いようです。そうしたお客さまの知り合いの中には、高めの料金が気になって別の美容院にしたという方も結構いらっしゃるようです。

検討を進めた結果、2号店のサービス内容・営業時間・予約制の有無などを客層に合うものに変えることにしました。

通勤・通学途中の利用が多い2号店は、お客さまに来店していただきやすいように、朝と夜の営業時間を延ばすとともに、セットのみ、頭皮マッサージのみ、ネイルのみなどサービスメニューを細分化し、料金もリーズナブルな水準に設定しました。

客層に合わせたサービス提供に変え、店舗のコンセプトを明確にした結果、やがて、2号店にもたくさんのお客さまが継続して訪れるようになり、にぎわい始めたのでした。2号店は1号店より低料金で利益率は高くありませんが、顧客の回転率が高いので、1号店に負けないくらい利益を出せるようになったようです。
【ワンポイント解説】
「回転率」
座席に限りがある店舗で利益を上げるには、1人のお客さまから得られる利幅(売上高利益率)を上げる方法と、利用していただくお客さまの回転率(例えば「顧客数÷座席数」)を上げる方法があります。
立地や顧客ニーズに応じて、利益率の高いサービスの店にしたり、回転率の高いサービスの店にしたりすることで、新たなサービス展開の可能性が見えてくることもあるでしょう。
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