記事制作:税経システム研究所

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2017/07/13

質問

なかなか固定客を獲得することができない「ヘアサロン・ミロク」。あなたが経営者なら次のうちどの行動をとりますか?

パターン1

すべてのお客さまを対象に、いつも何かしらのキャンペーンをする。

パターン2

来店頻度に応じた追加のサービスを提供する。

パターン3

来店頻度に応じた値引きを行う。

この質問をイメージして以下のストーリーをお読みください。
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固定客の獲得に成功している美容院

「ヘアサロン・ミロク」は、比較的人口の多い郊外の駅前にある美容院です。

「今回はいかがなさいますか?」

スタッフが、お客さまに聞いています。

お客さま そうね、前回と同じコースにしてもらおうかしら
スタッフ カットとカラーですね。長さや色はどうなさいますか?
お客さま カットは前回と同じで、カラーは前回より少し暗めにしてもらおうかしら
スタッフ かしこまりました

その様子を、店長がうれしそうに見ています。

<彼女は最近、2カ月に1回は来てくれている。最近、彼女のように定期的に来てくれるお客さまが増えたな>

1年前 ~なかなか固定客が獲得できなかった

ヘアサロン・ミロクは、今でこそ、かなりの固定客がいますが、1年前はなかなか固定客が獲得できませんでした。理由は、ヘアサロン・ミロクのまわりに多くの美容院があり、競争激戦区だったからです。ヘアサロン・ミロクがある駅のまわりには、およそ10軒以上の美容院が立ち並び、ヘアサロン・ミロクの窓から見える範囲内だけでも、3軒の美容院があるほどです。

ヘアサロン・ミロクは雰囲気も良く、技術力も高く、評判が良い美容院でしたが、それは他の美容院も同じでした。どの美容院もヘアサロン・ミロクと同じくらい評判が良く、甲乙つけがたい状況でした。

そのため、お客さまはひとつの美容院に決めず、その時々の気分、またはその時々でキャンペーンをやっている美容院に行く傾向があったのです。

もちろん、ヘアサロン・ミロクにもそのようなお客さまが来店されるため、経営状態は他店と同じくまずまずで、経営が立ち行かなくなるほどではありませんでした。キャンペーンの時には多くのお客さまが来てくれることは分かっていますので、予測は立てられますが、キャンペーン終了後には突然客足が途切れることがあり、新規客ばかりだと、売上の変動が激しくなってしまうことや、スタッフの配置や必要在庫の予測などが難しいことが悩みの種でした。このため、店長は定期的に来てくれる固定客がほしかったのです。

店長 この前の開店記念月キャンペーンは盛況だったね
スタッフA なんといっても、30%オフでしたからね。でも、予約が多すぎて、お断りしなくてはいけないお客さまが多かったのは、残念でしたね
スタッフB スタッフはみんなフル稼働だったので、あれ以上はみんな働けませんよ~
店長 そうだよね。でも、次の月にはお客さまがすごく少なかったよな
スタッフB みんな、暇だったわよね。キャンペーンの時にお断りしたお客さまが来てくれたら、ちょうど良かったのにな~
スタッフA まぁ、少し前なら30%オフなのに、急に30%オフじゃなくなったら、ソンした気分になるし、私だって行かないわよ
スタッフB そうそう。この前、すごく忙しい日に、急に必要なカラーの色がなくなっちゃったことがあったわ~
スタッフA 在庫管理も難しいわね。多めに置いておくしかないですよね
店長 そんなスペースあったかなぁ
スタッフB 固定のお客さまが来てくれるといろいろと助かりますよね
店長 う~ん。何か手はないかなぁ

質問

なかなか固定客を獲得することができない「ヘアサロン・ミロク」。あなたが経営者なら次のうちどの行動をとりますか?

▼あなたの思うパターンをクリック▼

パターン1

すべてのお客さまを対象に、いつも何かしらのキャンペーンをする。

パターン2

来店頻度に応じた追加のサービスを提供する。

パターン3

来店頻度に応じた値引きを行う。

いつも、すべてのお客さまを対象とした何かしらのキャンペーンをすることが考えられます。確かに、キャンペーンをすればお客さまは集まるでしょう。しかし、どのお客さまにも適用されるキャンペーンを無理にし続けると、いずれ経営が苦しくなることが考えられます。

ヘアサロン・ミロクの店長が選んだのは、パターン2でした。そのヒントになったのが、通信教育でもらえる努力賞グッズについての娘と妻との会話だったのですが……

来店頻度に応じた値引きを行うことが考えられます。来店頻度が高いお客さまほど値引き率が高くなるのであれば、お客さまの来店頻度を高める効果が期待できそうです。
ただし、この場合には来店頻度の高いお客さまほど利益率が下がってしまいます。また、安売り競争につながりかねませんので、注意が必要です。

ターニングポイントは「頻度」に着目したことだった

ある日の夕食のことでした。小学校3年生の娘が妻と、通信教育でもらえる努力賞グッズについて話しているのを店長が聞いています。

お母さん、見て、このバッグ。すんごくかわいいでしょう!
あら、本当ね
あー、これほしいなー。このキャラクターのバッグは他じゃ手に入らないし。でもポイントが足りないから、まだもらえないの。今もらえるのは消しゴムとか鉛筆くらいかな
そうねぇ。このバッグをもらいたいんだったら、あと半年は通信教育で勉強を続けて、テストも忘れず提出しないとね
そっかー、早くポイントためたいよー。早く次の教材届かないかなー
どうやら、今使っている通信教育は、テストを提出するとその度にポイントがたまっていき、たまったポイントに応じて、気に入ったグッズと交換できるようなのです。
 
娘と妻の会話を聞いていた店長は、はっとしました。
店長の心の声 <これって、続ければ続けるほど豪華なグッズと交換できるってことだよな。うちの娘はこれまで習い事も長続きしないことが多かったけど、通信教育は結構続いてるみたいだし、やめる気配も全くない。いい仕組みじゃないか。これって、うちの店にも使えないだろうか……>

店長は早速、スタッフに相談し、来店頻度の高いお客さまにメリットを感じていただける仕組みを検討しました。値引きか、追加サービスかを検討した結果、頭皮マッサージや汚れ落としを行うヘッドスパサービスとか、ダメージヘアを修復するヘアエステサービスといった追加サービスを提供しようということなったのです。ヘアサロン・ミロクの自信のサービスでありながら利用率があまり高くないものを中心に追加サービスの対象とすることで、その良さをお客さまに知っていただくこともねらいました。

こうして、来店頻度に応じた追加サービスの提供をはじめたところ、その反響は想像以上でした。来店頻度に応じて魅力的な追加サービスを受けられるということで、1カ月・2カ月・3カ月おきなど、自分の必要期間に応じて、繰り返し来てくれるお客さまが増えたのです。それだけでなく、それまで利用率のあまり高くなかったサービスについて、その良さをお客さまに実感していただくこともでき、客単価アップにもつながったのでした。

【ワンポイント解説】
「値引きか、追加サービスか」
1,000円の値引きと1,000円分の追加サービスを比べてみましょう。お客さまにとってはどちらも1,000円分の価値があります。しかし店側から見ると、値引きの場合は収益が1,000円分減るのに対して、追加サービスの場合は、収益はそのままでその原価分(原価率40%なら400円)の費用増にとどまります。このため、利益への影響を考えると、値引きよりも、追加サービスの提供を考えてみると良いでしょう。
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