記事制作:税経システム研究所

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2017/10/03

質問

いつも誰よりも早く出社し、誰よりも遅くまで働き、一度も有給休暇を取らない30代後半の真面目な経理マネジャー。あなたが経営者ならどのような指示をしますか?

パターン1

全社員に、毎年一度、強制的に連続3日間の休みを順番に取らせるようにする。

パターン2

仕事の負担が減るよう、スタッフを部下につける。

パターン3

身体を壊さないよう、健康診断だけは必ず受けさせる。

この質問をイメージして以下のストーリーをお読みください。
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社員が明るく、元気に仕事をする職場

「みろく・インターネット」は、インターネット関連のコンサルティングを行う、創業8年の成長企業です。社員数は30名程度で、そのうち管理部門は、管理担当役員の他、M経理マネジャー、人事マネジャー、スタッフ、それに派遣社員の5名だけです。売上が増えるなか、管理部門の仕事の負担も増え続けていますが、社員は皆、明るく元気に仕事をしています。
 
ある金曜日、管理部門の会議でのことです。

人事マネジャー 今日は午後から健康診断に行かせていただきます
M経理マネジャー 私は、ちょうど入社して半年になりますから、来週、3日間の休暇を取らせてもらいます。業務はスタッフのA君にお願いしました。人事マネジャーはお手数ですが、チェックしてあげてください
管理担当役員 それでは、連絡事項は大丈夫ですね。では今日1日頑張りましょう!

今でこそ、一人が仕事を抱え過ぎることなく、皆で分担し、風通しの良い管理部門ですが、1年前は全く状況が違っていました。

1年前 ~誰よりも早く出社し、誰よりも遅く退社する経理マネジャー

社長と管理担当役員が会議室で深刻そうな顔つきで話しています。

社長 T経理マネジャーのことだが、いつも誰よりも早く出社し、誰よりも遅くまで仕事をしているそうじゃないか。真面目に頑張ってくれるのはありがたいが、彼の体調は大丈夫かい?
管理担当役員 実は、この2年間、有給休暇を1日も取っていないのです……
社長 彼に仕事の負担がかかり過ぎているんじゃないか?
管理担当役員 確かに、彼が経理実務を仕切っていますから、彼に休まれるとちょっと困るのも事実です。彼のために派遣社員を採用したのですが、彼は仕事を抱え込んで離さないのです
社長 彼はいつも席に座っていて、まるであの席に根が生えているようだな。ひょっとして健康診断も受けていないんじゃないか?
このとき社長たちは気付いていなかったのですが、実はT経理マネジャーの行動の裏には、あるワケがあったのですが……

質問

いつも誰よりも早く出社し、誰よりも遅くまで働き、一度も有給休暇を取らない30代後半の真面目な経理マネジャー。あなたが経営者ならどのような指示をしますか?

▼あなたの思うパターンをクリック▼

パターン1

全社員に、毎年一度、強制的に連続3日間の休みを順番に取らせるようにする。

パターン2

仕事の負担が減るよう、スタッフを部下につける。

パターン3

身体を壊さないよう、健康診断だけは必ず受けさせる。

実は社長が行ったことはパターン1でした。社長はあることに気付き、全社員に、毎年一度、有給休暇とは別に、強制的に連続3日間の休暇を取ることを義務付けたのでした。さて、社長が気付いたこととは何だったのでしょうか……

仕事の量が多過ぎるのであれば、スタッフを部下につけるのも一つの手です。しかしこのT経理マネジャーはスタッフを部下につけても、今の働き方を変えないかもしれません。彼が職場から離れない理由が、他にあったからです。

忙しい社員が急に病気になれば、会社の業務に大きな支障をきたします。定期的に健康診断を受け、健康を維持することが、本人のためにも、会社のためにも大切です。もし彼が健康診断を受けていないのなら、すぐに受けさせるべきです。しかし今回は健康診断の問題ではなかったようです。

経理マネジャーが職場を離れない本当の理由とは?

その日、社長が帰宅すると、社長の家に、証券会社で働く息子が妻と子供たちを連れて遊びに来ていました。

社長 仕事はどうだ? 忙しいかい?
息子 本当に忙しいよ……。昨日まで、毎日残業で朝起きるのもつらかったよ
社長 でも、今日は休みを取ったんだろう。そんなに忙しいときに休んで、周りの皆さんに迷惑じゃないのか?
息子 今日から1週間、強制的に休まなければいけない日なのさ。職場離脱って言うんだ
社長 えっ、離脱!? お前、何か悪いことでもやったのか?
息子 違う、違う。逆だよ。悪いことをしていれば、それが発覚するように、社員は順番に強制的に休みを取らされるのさ
社長 休みを取ると、悪いことが発覚するって、どういうことだ?
息子 例えば、架空取引とか、横領とか、そういう不正をしていたら、休みの間に、他の社員が業務を代行すると発覚するのさ。休みをとっている間に業務内容を監査される、と言ったほうが正しいかな
社長は、T経理マネジャーのことが少し気になりだしました。
社長の心の声 <まさか、彼は仕事が忙しいのではなく、不正が発覚しないように、いつも自分の席から離れない……、なんてことはないだろうな>

翌日、社長はすぐに管理担当役員と話し合いました。そして社員に順番に連続3日間の休みを取るようルール化することを決めました。

その後、ルールに従って、社員が順番に休暇を取り始めるようになり、いよいよT経理マネジャーの休暇が近づいたとき、管理担当役員から社長に報告がありました。

管理担当役員 T経理マネジャーから退職の申し出がありました
社長 えっ、本当か? やっぱり不正をしていたってことか?
管理担当役員 ええ、そうでした。退職の話と合わせて、実は彼が会社のお金を使い込んでいたことも打ち明けました。詳細を確認した上でご報告しますが、金額はざっとこれ位になりそうです
社長 うーん、そうか……
管理担当役員 経費の支払いを自分の口座に振り込み、売掛金の入金もごまかして、帳尻を必死に合わせていたそうです。毎日、社員がいなくなった夜中に、書類や証票の偽装をしていたらしいです。毎日が自転車操業で、いつばれるかと心配で、生きている気がしなかった、と言っていました
社長 強制的な休暇がルール化されて、もうごまかせないと思ったということか
管理担当役員 社員を信じて任せるより、社員が不正や間違いをしない仕組みを作ることが、本当に必要なことなのかもしれませんね
 
【ワンポイント解説】「職場離脱」金融機関などでは一般的な社内けん制のシステムであり、社員に対し、休暇または研修などの名目で、一定期間、継続して職場を離れさせ、その間にその者の業務を調査し、不正が行われていないかなどを確認する制度のことを言います。本事例のように事業会社でも効果が期待できるかもしれません。
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