記事制作:税経システム研究所

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2017/12/03

質問

長年付き合いがあり信頼しているA社の社長から、「資金繰りが苦しいので会社を買い取ってほしい」と懇願されたとき、あなたが経営者なら、まずはどのように対応しますか?

パターン1

A社の社長を信頼して、すぐにA社を買収する。

パターン2

まずは、必要資金を融資して、買収するかどうかは様子を見て決める。

パターン3

まずは、外部の専門家に相談して、A社の状況を調査する。

この質問をイメージして以下のストーリーをお読みください。
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会社を買収して成功した会社

「MJS製作所」は、1年前にA社を買収し子会社にしました。このA社は小規模ながらもユニークな特許を多くもっています。MJS製作所は、A社を子会社にした後、両社共同で新製品を開発し、それが大ヒットして売上が大きく伸びています。
 
今でこそ、A社の買収が成功したことを誰もが喜んでいる状況ですが、1年前にA社のA社長から買収の提案があったときは大変でした。

1年前 ~うちの会社を買収してください!

MJS製作所は、国内に自社工場をもち、従業員数も50人を超えています。特殊な技術があることから、製品の販売価格を高く設定できます。財務体質は大変良く、余剰資金の投資先を探している状況でした。

MJS製作所の3代目社長は、大学卒業と同時にこの会社に就職し、父である2代目社長に会社の製品のことなど厳しく教えられてきましたが、3年前に父親の病気が悪化したことを機に社長として会社の経営にあたっています。
 
ある日のこと。3代目社長の携帯電話に、A社のA社長から電話が入りました。A社長とは、2代目社長とともに参加した「経営者の会」で10年以上前に知り合ったのですが、それ以来、ときどき経営について相談したり、一緒にゴルフをしたりする仲です。

A社長が創業したA社は、ユニークな特許をたくさんもっており、小さいながらも魅力のある会社でしたが、A社長は既に65歳を過ぎており、そろそろ会社を引退したいとほのめかしていました。

A社長 もしもし、Aですが
3代目社長 今日はどうされました? 週末のゴルフのお誘いですか? もちろん私はOKですよ!
A社長 いや、違うんだ。実は大変なことになってね
3代目社長 大変なことって、どうされたんですか?
A社長 実は、この数か月、大きな取引が後ろ倒しになってしまったことで、資金繰りが苦しくなって。このままでは倒産しかねないんだ
3代目社長 えっ、そうなのですか?
A社長 そこで急なお願いで恐縮なんだが、うちの会社を買収してもらうわけにはいかないだろうか。私にはもう再建の気力がない。もう引退するべき時期だ。今後は私が信頼しているあなたにA社の経営を託したいんだ
3代目社長は考えました。
3代目社長 <A社長は信頼できる人間だし、A社にはユニークな特許もある。A社をグループ会社にできれば、両社できっと画期的な新製品が開発できるはずだ。買収すべきか、すべきではないか。しかし……、倒産しそうな会社を買収して良いのだろうか……>

質問

長年付き合いがあり信頼しているA社の社長から、「資金繰りが苦しいので会社を買い取ってほしい」と懇願されたとき、あなたが経営者なら、まずはどのように対応しますか?

▼あなたの思うパターンをクリック▼

パターン1

A社の社長を信頼して、すぐにA社を買収する。

パターン2

まずは、必要資金を融資して、買収するかどうかは様子を見て決める。

パターン3

まずは、外部の専門家に相談して、A社の状況を調査する。

A社長とは長年の付き合いがあり、A社の実態も既に相当程度つかんでいるのであれば「信頼しているA社長の頼みだから」ということで、買収に踏み切ってしまうことが実務的にはあるかもしれません。しかし、A社がとんでもない不利な契約をしていたり、とんでもない粉飾をしていたり、といったことがないとは言えません。会社の買収は慎重に進めるべきでしょう。

A社が破たんしたら買収も難しくなるかもしれませんから、一時的に資金を融資することも現実的には考えられます。しかし、後継者がいない会社に融資して、その融資した資金が返済されなければ大きな損失になります。また、A社長が引退して、まったく知らない経営者に変わってしまう可能性もあります。融資は慎重に判断するべきでしょう。

実は3代目社長が行ったことはパターン3でした。社長が、外部の専門家に相談し、A社の状況を調査した理由とは何だったのでしょうか……
 

娘にプロポーズしてきた男性を徹底調査する妻から学んだこと!

その日、社長がA社の買収を考えながら自宅に帰ると、ちょうど妻がパソコンと“にらめっこ”をしているところでした。

3代目社長 そんな真剣な顔して、パソコンで何しているんだい?
あなた聞いてよ。この前、うちの娘がインターネットのSNS(Social Networking Service)で良い男性と知り合ったって言っていたでしょ
3代目社長 ああ、覚えているよ。顔は見たことなくて、SNS上でのやりとりだけなのに、何だか気が合うって言っていた人だろ
その人がね、今日、突然“僕と結婚を前提に付き合ってください”ってプロポーズもどきのメッセージを送ってきたっていうのよ
3代目社長 へ~、会ったこともないのに付き合おうなんて、今時だな~
娘は、とっても気が合う人だから、思い切って結婚を前提に付きあっちゃおうか、それとも取りあえず友達からはじめようか、って悩んでいたから、私、娘に言ったのよ
3代目社長 何て言ったんだい?
私がその人のことを徹底的に調べるからちょっと待ってなさい、って。それで今、インターネットでその人の名前を検索して調べているのよ。結婚が前提かどうかは別にしても、まずは相手のことを知っておかないと、後悔することになりそうだから
3代目社長 そんなもんかねぇ
実は、さっき私の友達の“お見合いのプロ”に電話して教えてもらった話の受け売りだけどね
3代目社長 まったく、お前ってやつは心配性だな。でも、いくらネットで検索したって、大したこと分からないだろうに
社長はそう言って、妻の様子に苦笑いしながらも、ふと思いました。
3代目社長 <プロポーズしてきた男性を調査するのも、買収先の会社を調査するのも同じかもしれないぞ。相手を信頼して結婚を前提に付き合ったり(買収したり)、取りあえず友達になったり(お金を融資して様子を見たり)する前に、後悔しないためにもまずは徹底的に調査するべきなんだ>

翌朝一番に、社長はM&A(合併・買収)のアドバイス等を専門に行っている会社に電話で相談しました。すると、買収先の調査のことを「デューデリジェンス」と言い、小規模な会社であれば、数日から1週間もあればできるということを知りました。
 
そこへA社長からちょうど電話がかかってきました。

A社長 もしもし、買収の件、考えてもらえただろうか
3代目社長 その件ですが、ぜひ、前向きに検討させてください。ただ、買収した後に何かあったら、私もうちの会社の社員や取引先に説明できませんから、まずはデューデリジェンスをさせていただけませんか?
A社長 デューデリジェンスって??
3代目社長 弁護士や公認会計士などの専門家が御社を数日訪問して、契約書や過去の決算内容などを調査させていただくというものです
A社長 なるほど。あなたの立場で考えれば当然のことだね。うちには隠し事なんて一つもないから、ぜひお願いします

こうして、A社のデューデリジェンスを行うことになったMJS製作所は、A社の実態を十分につかんだ上で、納得してA社を買収することができたのでした。

【ワンポイント解説】
「デューデリジェンス」
M&A(合併・買収)の際などに、対象会社や事業を専門家などにより調査することを言います。調査はビジネス、法務、財務、人事などさまざまな観点から行われます。
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