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2018/02/03

質問

経営会議での経理部長の説明は、会計の専門用語が多過ぎて、他の経営幹部と話がかみ合っていません。あなたが経営者なら次のうちどの対応をしますか?

パターン1

経理部長以外の幹部は会計用語まで知らなくていいので、経理部長の言うことを信じて任せる。

パターン2

経理部長に、会計用語は易しい言葉に置き換えて話すように指示する。

パターン3

経営幹部に、会計の基本を勉強するよう指示する。

この質問をイメージして以下のストーリーをお読みください。
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経営幹部が活発に議論する経営会議

「みろくネットセキュリティー」は、創業7年のベンチャー企業で、急激に業績を伸ばしています。毎週、月曜日の午前中は経営幹部が集まる経営会議がありますが、今日もいつものように活発な議論が行われ、新しい施策が次々と検討されました。

今でこそ、活発な議論がされている同社の経営会議ですが、ほんの半年前までは全く状況が違っていました。ちょっとその頃の様子を見てみましょう。

半年前 ~経理部長の説明を誰も理解できない……

経営会議で新しい施策を議論するとき、営業担当幹部やマーケティング担当幹部らを中心に活発に意見が交わされます。しかし、経理部長が月次損益や会社の財務状況を説明する番になると、経営幹部は皆、目を資料に落としたまま、まるでお通夜のように静まり返ってしまいます。ときどき経理部長が厳しく他の幹部を問い詰めますが、そもそも会話が成立しないのです。

経理部長 このように、今月も資金繰りが厳しく、借入をしなければならない状況です。原因は売掛金の増加と、セキュリティー機器などの商品在庫の増加です
営業担当幹部 しかし、営業ががんばって売上を上げてるんだから、売掛金が増えることは良いことじゃないの?
購買担当幹部 在庫も、いつ注文がきてもいいようにたくさん持っておいてなぜいけないんだ?
経理部長 お二人とも違います。売掛金も在庫も回転期間が長くなるのは良くないんですよ
営業担当幹部 えっ、回転寿司??? 回転寿司のコンベヤーが長くなるってこと? 確かに嫌だな
経理部長 違います! 回転期間です! 回転期間が長くなると、運転資金が増えて流動性が苦しくなるんです!
購買担当幹部 えっ、流動食??? 流動食だったら苦しくないだろ。のどに詰まったのか?
経理部長 ……
Y社長をはじめ経理部長以外の幹部は皆、理系出身者ばかりで、会計のことはほとんど勉強したことがありません。そのため、経理部長の説明に分からないところがあっても、「そんなことも知らないんですか?」と言われそうで、質問さえできずにいたのでした。
 
経営会議が終わり、経理部長が会議室から出て行ったあと、他の幹部が話しています。
幹部A しかし、経理部長の話はまるで耳に入ってこないな。ほとんど意味が分からない
幹部B 確かにそうだ。ところで、経理部長は資金繰りが厳しいって言ってたけど、貸借対照表を見ると、資本金がこんなにたくさんあるじゃないか。この資本金を使えばいいんじゃないのか?
幹部A お前、それはまずいぞ。そんなことを経営会議で言ったら、さすがに皆に笑われるぞ
幹部B えっ、そうなのか?
幹部A いいか、資本金っていうのは、金庫に入れておくものだろう
当時はこんな状況だったのです。
 

質問

経営会議での経理部長の説明は、会計の専門用語が多過ぎて、他の経営幹部と話がかみ合っていません。あなたが経営者なら次のうちどの対応をしますか?

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パターン1

経理部長以外の幹部は会計用語まで知らなくていいので、経理部長の言うことを信じて任せる。

パターン2

経理部長に、会計用語は易しい言葉に置き換えて話すように指示する。

パターン3

経営幹部に、会計の基本を勉強するよう指示する。

経営幹部はそれぞれ専門分野がありますから、自分の担当以外の分野について知識が少なくても仕方ありません。しかし、会計知識がなくて理解できないからといって、ただ経理部長を信じて任せてしまっては、経営に関わる重要な判断を誤ってしまうかもしれません。

会計用語を使わなければ、他の幹部も話の意味を理解できるかもしれません。しかし、基本的な会計用語すら使わずに会社の経営状況を説明するのは至難の業でしょう。

実は社長が行ったことはパターン3でした。社長は、経営幹部に会計の基本を勉強するよう指示したのですが、それはなぜだったのでしょうか……

会計は「ビジネスパーソンの教養だ」ということに気付いた!

その日の夜、Y社長は大学のゼミの同窓会に出席していました。恩師であるN教授をはじめ、大勢の卒業生たちが集まりました。Y社長のゼミの同期はなかなか優秀で、大企業の部長や起業家、新聞記者など多彩なメンバーがそろっています。

N教授 Y君の会社は好調のようだね。うわさは聞いたよ。もしかしてそろそろ上場かい?
Y社長 とんでもありません、まだまだこれからですよ
Y社長はそう答えながらも、内心ではだいぶ浮かれていました。ところが……
新聞記者 へ~、Yが上場企業の社長か、大したもんだ。ところでROEはどのぐらいあるんだ? ネット企業だから30%近いんじゃないか?
Y社長 えっ、アールオーイー……?? よく分からないが……、まぁ利益率は高いぞ!
大企業の部長 Yの会社のようなネット企業は、原価がほとんどないから利益率が高くなるわけだな。でも、そうなると、固定費の金額にもよるが、損益分岐点が意外と高い可能性もあるから、注意が必要かもしれないぞ
Y社長 えっ、そんえきぶんきてん……??
新聞記者 なんだ、Yは会計が苦手なのか? 会計と英語はビジネスパーソンの教養だって、雑誌にも書いてあったぞ。経営者なんだから、ちゃんと会計の勉強もしておかないと、いつか痛い目にあうぞ
N教授 確かにそうだね。会計は英語ではアカウンティング、これは“説明する”という言葉に由来するんだ。つまり、経営者は株主などの利害関係者に業績を説明しなければならず、そのための共通言語が会計なんだ
大企業の部長 経営者である以上、会計が分かっていて当然ということだな。社長が会計を知らなかったら、そのうち会社が倒産しちまうかもしれないぞ~
全員 わははは

Y社長は「そろそろ上場」なんて言われて浮かれていたのが恥ずかしくなり、顔を真っ赤にし、会計の勉強をしてこなかったことや、経営会議での経理部長の説明をしっかり理解しようとしなかったことを後悔しました。そして、会計を知らないと本当に会社を倒産させてしまうかもしれない、と真剣に心配するようになったのです。
 
Y社長は経理部長と相談してみました。そして、次の経営会議で経営幹部に対し、簿記3級程度のことは身につけるようにしようと話しました。さらに、経理部長には定期的に会計のレクチャーをしてもらうようお願いしました。
 
こうして、会計の基本が全く分かっていなかった幹部たちも、だんだんと経理部長の言うことが理解できるようになってきました。それまで他人事のように感じていた経理部長の話が自分事としてとらえられるようになり、経営会議でも活発な議論がされるように変わっていったのです。

【ワンポイント解説】
「会計」
会計は英語でaccountingですが、これは「説明する」(account for)に由来すると言われます。つまり、会計は、社内での経営会議等での業績報告や議論はもちろんのこと、経営者が株主などの利害関係者に業績等を説明するための共通言語でもあるのです。
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