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2018/03/03

質問

上場しているライバル企業A社を目標に経営をしているものの、売上も利益もだんだん引き離されている「MJS電子工業」。あなたが経営者なら次のうちどのようにしますか?

パターン1

他社のことは気にせず、自社の経営方針を貫く。

パターン2

ライバル企業A社を辞めた社員を大量に採用する。

パターン3

ライバル企業A社の決算書を読んでA社の経営状況などを理解する。

この質問をイメージして以下のストーリーをお読みください。
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上場しているライバル企業の尻尾を捕まえた!

「MJS電子工業」は、未上場企業ですが、高い技術力と営業力により売上と利益が急拡大しています。業界でのシェアも着実に拡大しており、業界トップで株式上場しているライバル企業A社との差異は依然として大きいものの、決して引けを取らないレベルになってきたと社長は自負しています。
 
MJS電子工業の社長は心のなかでつぶやきました。

社長 <ついにA社の尻尾を捕まえたぞ! このまま一気にA社のシェアを奪ってやるぞ>

このように、今でこそライバル企業に近づくことに成功したMJS電子工業ですが、わずか3年前は状況が全く違っていたのです。

3年前 ~なぜライバル企業との差が拡大する一方なんだ?

MJS電子工業が属する業界では、株式上場しているA社が圧倒的なシェアを誇り、多くの未上場の企業が残りのシェアを奪い合っているという状況でした。

MJS電子工業の社長は、いつかA社と対等に戦える会社にしたいと、会社の技術力と営業力を磨いていましたが、A社との差は埋まるどころか、どんどん開いていきます。
 
実はMJS電子工業の社長は、A社のA社長のことを大変尊敬していました。彼はかなりの高齢でありながら、腰が低く、人格者であり、業界の重鎮として誰からも慕われています。また、技術者でありながら経営やマーケティング、会計・財務など幅広い知識をもっており、経営者としての評価も高いのです。
 
その日、MJS電子工業の社長が自宅で朝食を食べながら新聞を読んでいると、ある記事に目が留まりました。「A社、過去最高の売上」。この記事を見た社長は自分のふがいなさからつい愚痴ってしまいました。

社長 <けっ、A社の良い記事なんか見たくもね~や……、まったく。うちの会社は売上の減少と社員の退職が止まらず、お先真っ暗なのに、この差は一体何なんだ? A社なんて大っ嫌いだ!>
 

質問

上場しているライバル企業A社を目標に経営をしているものの、売上も利益もだんだん引き離されている「MJS電子工業」。あなたが経営者なら次のうちどのようにしますか?

▼あなたの思うパターンをクリック▼

パターン1

他社のことは気にせず、自社の経営方針を貫く。

パターン2

ライバル企業A社を辞めた社員を大量に採用する。

パターン3

ライバル企業A社の決算書を読んでA社の経営状況などを理解する。

ライバル企業のことなど気にせず、自社の経営方針を貫くのも一つのあり方です。しかし、ライバル企業の動きを理解すれば、今の方針の間違っていたところが分かり、より良い経営ができるかもしれません。

ライバル企業の退職者を採用したり、人を引き抜いたりすることで、ライバル企業の経営手法をまねすることも考えられるかもしれません。しかし、そのような人材を確保することは容易ではなく、コストもかかります。何より、社内に亀裂を生むだけになってしまうリスクもあります。

実は、社長が行ったことはパターン3でした。ライバル企業の決算書を見ることで何が分かるのでしょうか……
 

娘が大っ嫌いなY子、彼女が図書館でしていたこととは?

その日、社長が月間の売上高が先月に続いて前年割れとなったことに頭を抱えながら帰宅すると、リビングで高校生の娘と妻がうれしそうに話していました。

お帰りなさい。ちょっと聞いてよ。この子、この前の期末テストで10位になって、学校で貼り出されたそうよ
社長 本当か!? 高校に入学して以来、いつも後ろから数えたほうが早かったのに、一体どうしたんだ?
実はね、学年トップのY子のおかげなの
社長 Y子って確か……、“かわいくって成績が良くって、本当に憎たらしい”って、お前が言っていた同級生か?
そうなの。そのY子の勉強のやり方を研究してみたのよ
社長 研究?
Y子って、よく図書館で勉強してるから、その様子を観察したの。そしたら、問題集は3回繰り返してるし、関連資料も調べて暗記ノートを作ったりして完璧に覚えてたのよ。ノートの作り方なんか、ほんとにさすがって感じだった
社長 ほー、学年トップはやることが違うな
だから私、そのやり方を自分なりにアレンジして、この3カ月は本当に頑張ったのよ
そのとき社長は思いました。
社長 <確かに、うまくいっているライバルのことを研究するのが一番だ。うちの会社もライバルのA社から学べばいいんだ。だが、どうすればライバルの経営を知ることができるんだ……>

翌朝、社長はすぐに経理部長を呼び、ライバルのA社の経営を詳しく知る方法はないか、相談しました。すると……

経理部長 それなら、A社の有報(ゆうほう)や短信(たんしん)を見れば良いと思います
社長 えっ、UFOと阪神?? それがA社と一体何の関係があるんだ?
経理部長 違います! 有価証券報告書決算短信です! 略して有報、短信とも言うんです。いずれも上場企業の決算書ですが、これを見ると、会社の業績や来期の見込み、目標とする経営指標やセグメント別の利益、それから販管費の主な内訳なども分かります
社長 えっ、そんな重要なことが分かるのか?
経理部長 決算説明会の資料もホームページでダウンロードできることが多いのですが、これを見ればもっと詳しい経営状況が分かると思います
社長 では、次回の経営会議で、幹部全員にA社の決算書を配布して全員で読み込んでみよう
こうして社長はA社の経営状況を研究することにしたのです。その結果、A社の強さの秘密がだんだんと分かってくるとともに、自社だったらどうするかを社員たちと活発に議論するようになっていきました。これが一つのきっかけになって、その後MJS電子工業は成長軌道に乗ることができたのです。
 
【ワンポイント解説】
「有価証券報告書」「決算短信」
上場企業等が作成・公表する決算書であり、その会社のホームページなどに掲載されます。決算短信は決算発表時に作成され、業績・財産の状況等が開示されています。また、有価証券報告書では、企業の概況・事業の状況・設備の状況・財務諸表などが開示されています。
関連リンク各社の有価証券報告書は金融庁のEDINETのサイトで閲覧することもできます。 EDINETサイトを閲覧したい方はコチラをご覧ください。http://disclosure.edinet-fsa.go.jp/
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