記事制作:税経システム研究所

建設業

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2018/05/03

質問

「みろく工務店」では、採算がとれる仕事しか引き受けないとのポリシーで各工事を受注しているにもかかわらず、どうも利益があまり出ていないようです。あなたが店主なら次のうちどの行動をとりますか?

パターン1

使用する資材の品質を下げるなどして、さらなるコストダウンを図る。

パターン2

できる限り受注価格を引き上げる交渉を強化して、売上の増加を目指す。

パターン3

エリアを限定した営業活動を行うことで、現場が近い案件をまとめて受注できるようにする。

この質問をイメージして以下のストーリーをお読みください。
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活気があって街に愛される工務店

「みろく工務店」は、住宅の新築のみならず改装の相談にもよく乗ってくれると、小さいながらも評判の店になっており、近所の主婦も多く来店しています。おかげで、店を明るい開放的な雰囲気に改装できるくらい利益が出ているようです。

しかし3年前はそうではありませんでした。ちょっとその頃の様子を見てみましょう。

3年前 ~十分な利益を獲得できていない工務店

みろく工務店は、今では住宅地となっているこの街に、まだ田んぼがあった頃に開業しました。現在の店主は2代目です。先代が店主を務めていた頃には、周辺の住宅地開発の波に乗って、景気の良い時代があったのですが、2代目に代わってからは厳しい状況が続いています。

2代目店主は真面目に仕事をしてきましたが、期待したほどの利益が得られず悩んでいました。

店主 この仕事、これだけ材料を使うし、作業にこれだけ時間がかかる、諸々の経費もかかるから……。あー、今回の依頼も、とても採算とれやしない。残念だがお断りするしかないな
店の利益を増やそうと採算がとれる依頼しか引き受けないようにしたものの、利益は一向に改善しないままです。そのため、資金的余裕もなく、工務店にもかかわらず、自分の店を改装することもできずにいました。その一方で、従業員たちに時間的な余裕はできているようです…… 

質問

「みろく工務店」では、採算がとれる仕事しか引き受けないとのポリシーで各工事を受注しているにもかかわらず、どうも利益があまり出ていないようです。あなたが店主なら次のうちどの行動をとりますか?

▼あなたの思うパターンをクリック▼

パターン1

使用する資材の品質を下げるなどして、さらなるコストダウンを図る。

パターン2

できる限り受注価格を引き上げる交渉を強化して、売上の増加を目指す。

パターン3

エリアを限定した営業活動を行うことで、現場が近い案件をまとめて受注できるようにする。

使用する資材の品質を下げるなどしてコストダウンを図ることができれば利益は増えるかもしれません。ただし、不必要に資材の品質が高い場合はともかくとして、通常は、使用する資材などの品質を下げたらお客さまの満足度は下がり、いずれ受注の減少につながってしまうでしょう。これでは継続的に利益を増やすことはできません。

これは、1件1件の工事について価格を引き上げることで売上を増加させ、利益を増やそうとする案です。ただし、サービス品質等はそのままで価格を引き上げただけならば、受注件数は必然的に減少してしまうので、付加価値の高い追加的なサービスを考えることが必要でしょう。こうしたサービスを用意しないまま価格を引き上げたら、利益を減らしてしまうかもしれません。

みろく工務店の店主が選択したのはパターン3の方法でした。それまでみろく工務店では、1工事ごとの採算にこだわり、採算のとれない工事は断るようにしていました。しかし、これが受注件数の減少につながり、人件費などの固定費負担を考慮すると、採算改善をはばむことになっていたのです。

見直しのきっかけは、ある定食屋のメニューにあった!?

頼まれた仕事のうち、採算がとれる依頼しか引き受けないようにしてから、仕事量が減り、店主には時間的余裕ができていました。ある日の昼どき、社長はお昼ご飯を食べようと街中を歩いていました。たまには少し遠くの店まで足を伸ばしてみることにしました。

しばらく歩いていると、人気のありそうな定食屋が目に留まり、早速入ってみることにしました。

定食屋 いらっしゃい
社長 あっ、すいません。メニューはありますか?
定食屋 いやぁー、うちはね、昼はこの定食だけなんですよ
社長 あーそうでしたか。じゃあ、この定食で……。それにしても、ここはお客さんいっぱいだねぇ。確かにこの定食、抜群にうまそうだからな。しかし、よくこの値段で採算とれるよねぇ
定食屋 そりゃあ、メニューがいくつもあったらとてもやっていけませんが、この1種類の定食だけですから、まぁ何とかやっていけてます。まとめ仕事効果ってことですかね
このとき社長はヒントをつかんだのです。
社長の心の声 <まとめ仕事か……。さすがにうちの工務店じゃ、工事1種類だけってわけにはいかないが、まとめ仕事ならできそうな……>

街で感謝される工務店へ!

それまで1工事で採算がとれるかどうかだけで判断して、採算がとれそうもない仕事は断っていましたが、1工事だけで判断せず、複数工事まとめて採算がとれるかどうかという観点で考えてみました。

店主の心の声 <確かに小口の改修工事を1件1件引き受けていたら採算はとれそうもない。でも近隣地域の改修工事をまとめて実施することができたら、燃料費や運搬費・移動時間を節約できるし、養生シートを他工事に転用したりして資材も節約できる。ある程度の工事件数があればコストを抑えられるから、十分採算が確保できるんじゃないか?>
工事件数を確保するために店主が考えたのは、外壁と屋根の改修工事のキャンペーンを仕掛けることでした。この地域は住宅開発がされた当初からすると、外壁と屋根の改修が必要になる時期が近付いていたので、これらの悩み解決に役立つチラシを配ったり、相談会を開催したりしました。お客さま紹介キャンペーンとして、一定期間に一定地域で一定件数以上の注文をまとめて獲得できるような仕掛けも行いました。その結果、「まとめ仕事によるコストダウン」ができたのです。

それだけでなく、不採算工事の注文を断っていたことで、その頃従業員には時間的な余裕がありました。受注件数の多少にかかわらず人件費はかかっているので、まとめ仕事を受けても追加の人件費はほとんどかかりませんでした。その結果、みろく工務店全体の利益は増加し、少し資金に余裕ができたので、店を明るい開放的な雰囲気に改装することができたのです。

やがて、みろく工務店は口コミでも評判となり、近隣住宅の改修・改装などを請け負うことが増えました。近所の主婦の方々が相談に店を訪ねてくることも増え、近所の皆さんに感謝されています。
【ワンポイント解説】
「まとめ仕事によるコストダウン」
バラバラになっていることをまとめることで、採算アップにつながるケースはいろいろとあります。提供する製品を絞り込むことで、材料を共通化したり、製造工程を単純化したりと、コスト削減につながることがあります。また、サービスを提供する地域や時期をまとめることで、効率的にサービスを提供することができます。
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