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2018/06/13

質問

月次決算や予算編成作業に伴う残業時間の増加や、思惑通りに動いてくれない各部門との意見調整で、心身ともに疲弊する部員が多くなっている「ミロクシステム」の経理部。あなたが経理部長なら次のうちどの行動をとりますか?

パターン1

繁忙期に経理部の人員を増やす。
 

パターン2

繁忙期後にリフレッシュ休暇を与える。

パターン3

経理部員の交渉スキルを高める。

この質問をイメージして以下のストーリーをお読みください。
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皆が活き活きと仕事をしている経理部

「ミロクシステム」は首都圏を中心に営業している中堅クラスのソフトウェアの受託開発会社です。同社の経理部は、月次決算や予算編成などの繁忙期でも、皆が活き活きと仕事をすることができています。

今でこそ、そういった部員が多くなりましたが、2年前の状況は、今とは全く違っていました。

2年前 ~身体だけでなく精神的にもきつい

ある日のこと、月次決算を早く終わらせるために、ある経理部員が関係部門に対して、決算に必要なデータを早期にシステム登録してもらうよう相談しています。

経理部員 月次決算を早期化するために、仕入や売上関連のデータについては、これまでよりも2営業日早くシステムに登録して欲しいのですが……
購買部長 もっと早く請求書を入手しろっていうこと? できることならもうとっくにやってるよ
営業部長 うちもね、ぎりぎりの要員で厳しい売上目標を追ってるんだ。その事情をちゃんと理解してもらわないと困るよ
経理部員 では、せめて1営業日だけでも早めていただけないでしょうか
営業部長 こちらに依頼する前におたくの業務を効率化することで、月次決算にかかる作業時間を短くできないか検討すべきなんじゃないの?
経理部員 はぁ……。一度、持ち帰らせていただきます……
ミロクシステムでは月次決算を実施していますが、数字を確定させるために必要なデータがなかなか経理部に集まりません。それでも期日までに月次決算を終わらせようと、この時期はかなりの残業をするのですが、目標期日に終わらないことがほとんどです。

また決算処理後も、後回しにした業務の遅れを取り戻す必要があるため、月の半ばまで恒常的に残業が続きます。そんな環境に、身体的な疲労を訴える部員が多くなっています。それだけでなく、思惑通りに動いてくれない各部門との意見調整も行わなければならず、精神的に追い込まれる部員も増えています。

月次決算の時期だけでなく、予算編成などの繁忙期も同じような状態に陥ります。最後は経理部長も含め、部員総出で対応することで、何とか月次決算や予算をまとめてはいるものの、経理部長はこうした状況を何とか改善できないかと悩んでいます。 
 

質問

月次決算や予算編成作業に伴う残業時間の増加や、思惑通りに動いてくれない各部門との意見調整で、心身ともに疲弊する部員が多くなっている「ミロクシステム」の経理部。あなたが経理部長なら次のうちどの行動をとりますか?

▼あなたの思うパターンをクリック▼

パターン1

繁忙期に経理部の人員を増やす。
 

パターン2

繁忙期後にリフレッシュ休暇を与える。

パターン3

経理部員の交渉スキルを高める。

確かに経理部の人員を増やすことで1人当たりの業務量が減るだけでなく、他部門と折衝を行う担当者を分散できるかもしれません。しかし、間接部門においては、コスト増につながる施策を実行することは簡単ではないと予想されます。他の解決策がないか考えてからでも良いかもしれません。

確かに厳しい時期を乗り越えた後にリフレッシュ休暇をとれるようにすることは、一時的に身体的、精神的な疲れを癒す助けになりそうです。その結果、部員のモチベーションや作業効率がアップし、残業時間の削減につながるかもしれません。しかし、根本的な問題が解決されないと、リフレッシュ休暇を取得するだけではいずれ回復できなくなるでしょうから、注意が必要です。

実は、ミロクシステムの経理部長が行ったことはパターン3でした。部員の交渉スキルを高めることで生まれた仕事の変化とは……
 

お互いにハッピーになることが大事!

経理部長は少しお酒でも飲んで気晴らしをしようかと考えましたが、今月は懐がさみしいことを思い出し、そのまま帰宅することにしました。

飲みたかったのに小遣い不足で飲んで帰ることができなかった経理部長は、自宅に帰りつくと、妻に小遣いアップの交渉を始めました。

経理部長 最近、ストレスがたまることが多くてさ。もう少し旨い店でお酒を飲んでリフレッシュする機会を増やせれば嬉しいんだけど、小遣いを1万円くらいアップしてくれないかな?
何、自分勝手なこと言ってるの。私だってやりくりできる範囲で我慢してるんだから、あなたもやりくりすればいいだけの話でしょ!
経理部長 頼むよ、家計に全く余裕がないわけじゃないんだろ? せめて、5千円だけでもいいから
絶対ダメ! そもそも自分だけいい思いをしようっていう魂胆が許せないわ

その時、経理部長はひらめきました。

経理部長 だったら、家で少し豪華な夕食とお酒を楽しむ日を作るのは、どうかな? デパ地下のちょっといい惣菜とかなら、店よりは安くつくと思うし
うーん、わかったわ。それなら考えてもいいわ
経理部長の心の声 <そうか、これまで経理部がやっていた交渉の仕方は、妻が絶対ダメだと言っていたパターンと同じだ。相手が望んでいることも考えて、お互いがハッピーになるような交渉をすればうまくいくかもしれないぞ>


お互いがハッピーになるWin-Win型交渉が大事だと気づいた経理部長は、部員に交渉術について勉強させるとともに、関係部門との交渉の仕方を工夫させることにしました。

交渉術を学んだ経理部員は、月次決算の早期化を実現するために「データを今より2営業日早く提出せよ」、「いや、そちらの作業を効率化して2営業日縮めれば良い」といった、いわゆるWin-Lose型の交渉を行うことはやめました。

その頃、営業部では、客先から受領した検収書のデータをタイムリーにシステムへ登録できていないなど、滞っている作業がありました。そこで、経理部の若手が比較的余裕のある時期にその作業を手伝うことで、処理を早められるのではないかといったことを提案することにしたのです。また、購買部門に対しても同様にWin-Win型を心掛けて交渉を行っていくことで、催促を何度も行わなくても、月次決算に必要なデータが早く集まるようになりました。

その結果、目標期日に月次決算を終えられるようになっただけでなく、後回しにせざるを得ない業務も減りました。こうして、うまく仕事が回るようになったミロクシステムの経理部は、時間に余裕ができただけでなく、精神的なストレスも少なくなり、残業と心的負担を削減しつつ月次決算の早期化も実現することができたのです。

【ワンポイント解説】
「Win-Win型交渉」
交渉では、交渉者は互いに自分の「立場」を主張します。その裏には、「利害」や「関心事」があるためです。互いの利害や関心事の違いに着目し、お互いがより満足度を高めながら合意できるようにする交渉を「Win-Win型交渉」と言います。一方、「Win-Lose型交渉」とは、例えば、一つのパイをどちらが多く勝ち取るか、いわゆる奪い合いの交渉です。Win-Win型交渉を心掛けることで、うまく仕事を進めましょう。
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