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2018/11/13

質問

味が今一つでお客さんが来ず、閑古鳥が鳴くピザ屋での出来事です。開店初日、不慣れな時給1,100円のバイト君が売価1,000円、原材料費300円のピザをお客さんに持って行く途中で落としてしまいました。さて、この店の損失はいくらでしょうか?

パターン1

バイト君の時給1,100円

パターン2

ピザの売価1,000円
 

パターン3

ピザの原材料費300円

この質問をイメージして以下のストーリーをお読みください。
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開店から1カ月経っても、相変わらず閑古鳥が鳴く店

「ピッツァ・ミロク」は、オーナー店長が1カ月前に始めたピザの専門店で、店内には立派な窯もあります。しかし、ピッツァ・ミロクのピザは残念ながら味が今一つです。そのため今日も店にはお客さんがほとんどいません。

バイト君 店長、今日も閑古鳥が鳴いてますね~
店長 えっ、閑古鳥? どこにそんな鳥がいるんだ?
バイト君 店長には聞こえませんか?
店長 そんな無駄口たたいてないで、ピザをお客さんのところに運ぶ練習でもしてくれよ
バイト君 もう十分練習しましたよ
店長 今度ピザを落としたら、その損失をバイト代から差し引くぞ
バイト君 うわっ、ブラックバイトだな~

店のオープンから1カ月経っても相変わらず暇なピッツァ・ミロク。バイト君もだいぶ店に慣れたようですが、開店したころは失敗続きで大変でした。

バイト君がピザを落とした! その損失額はいくらだ?

1カ月前、ピッツァ・ミロクを開店する直前、バイト募集をしたところ、頼りなさそうな大学生の男の子が一人応募してきただけでした。店長は不安を感じましたが、人手不足の世の中なので仕方なく、この大学生を雇うことにしました。ところが、開店と同時にバイト君がやらかしてくれました。

バイト君 あ~っ、あぶない~
ガッシャーン!!
店長 うわっ、出来立てのピザを落としやがった……
バイト君 すいません。なんだかあせっちゃって……
店長 あせる必要なんかないじゃないか。何しろお客さんなんてほとんどいないんだから……。在庫には余裕があるから、代わりのピザをすぐに用意して
ピッツァ・ミロクは開店初日から暇だったようです。にもかかわらず、このバイト君は失敗続きで、この後も、水をひっくり返したり、お客さんから受け取った小銭をばらまいたり、散々な一日でした。そして一日が終わり、店長はレジを締めながら考えました。
店長の心の声 <お客さんが全然来ないのもショックだが、あのバイト君にもショックだな~。出来立てのピザをひっくり返して無駄にしちまったよ。ピザの損失分はバイト代から引きたいところだが……。待てよ、ところでバイト君がピザを1枚落としたことでいくらの損失が出たんだ?>
このバイト君は時給1,100円で働いており、1枚のピザの販売価格は1,000円です。原材料は300円で、それ以外に直接かかる費用はありません。バイト君が落としたピザの皿はプラスチックなので割れたりしません。 
 

質問

味が今一つでお客さんが来ず、閑古鳥が鳴くピザ屋での出来事です。開店初日、不慣れな時給1,100円のバイト君が売価1,000円、原材料費300円のピザをお客さんに持って行く途中で落としてしまいました。さて、この店の損失はいくらでしょうか?

▼あなたの思うパターンをクリック▼

パターン1

バイト君の時給1,100円

パターン2

ピザの売価1,000円
 

パターン3

ピザの原材料費300円

お客さんがたいして来なかったのだから、この失敗ばかりのバイト君に払った時給1,100円が損失とも考えられますが、ここでは落としたピザの損失だけを考えてみましょう。
 

ピザを落としていなければ1,000円で売れたわけですから、売価が損失とも考えられますが、閑古鳥が鳴くような在庫に余裕がある店の場合はちょっと違うのです。
 

実は、この店の損失は落としたピザの原材料費300円だけなのです。お店の損失とは、一体どう考えたら良いのでしょうか……
 

「もしそれが起きなかったら」と比較すれば良い!

開店初日にも関わらずお客さんが少なかったことと、バイト君のおっちょこちょいのダブルショックで落ち込みながら自宅に帰ってきた店長を、妻が出迎えました。

店長 ただいま~
お帰りなさい。あなた開店初日はどうだった? お客さんいっぱい来てくれた?
店長 いや~、今日はダメだったよ。でも大丈夫、明日はきっとお客さんが大勢来てくれるさ
あなた本当に大丈夫なの? やっぱり会社を辞めないほうが良かったんじゃないの? 会社を辞めずにいれば給料が20万円入ってきたのに、今月は店を始めるために300万円もお金が出て行ったわけだから、320万円も損してるのよ
店長 確かに、会社を辞めなかった場合と、辞めた場合を比較すれば、いくらの損失か分かるな
店長の心の声 <もしバイト君がピザを落とさなかったらいくらの儲けだったかを計算して、それと実際の儲けを比較すれば、バイト君が落としたピザの損失が計算できるわけだ>
心配そうにしている妻を横目に、店長は紙と鉛筆を持ち出して計算を始めました。
店長 えーっと。今日はピザの販売数が20枚で販売単価が1,000円だから売上は20,000円。原価は、ピザの原材料が300円×20枚で6,000円。それにバイト君が落としたピザの原価300円も加えるから6,300円で、……


やがて、店長は次のような表を作り上げました。
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店長 ピザを落としたことで、売上が変わらないのに原価がピザ1枚分増えてしまって、利益がその分減ったんだな。つまり、バイト君が落としたピザの損失額は、バイト君の時給でもピザの売価でもなく、ピザの原材料費300円だったというわけか!

こうして、店長はバイト君が落としたピザの損失額が原材料費だったと理解してすっきりしました。

【ワンポイント解説】
「損失額」(「在庫に余裕がある商品」の場合)
在庫に余裕がある商品の場合、その商品1個を無駄にしてしまったときの損失額はその商品の原材料などの直接費用だけと考えられます。
逆に、商品が完売見込みの場合の損失額の計算はどうなのでしょうか。以下の記事でご確認ください。
「アルバイトが失敗! ピザを落としたときの損失額の計算【ケース②】」(2018年11月23日号)
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