売上トレンドなどをつかむのにZチャートが役立つ! ところでZチャートとは?

2025年10月3日

質問

売上の長期的なトレンドを把握するために「Zチャート」が役に立つようですが、Zチャートとは一体何でしょうか?

パターン1

Z世代が特に好む商品のランキングを示すグラフのこと。

パターン2

Zebra(シマウマ)模様のように毎月の売上予算と実績を横に並べたグラフのこと。

パターン3

毎月の売上の累積額と月ごとの変動を一つにしたZの形をしたグラフのこと。

この質問をイメージして以下のストーリーをお読みください。

分析
スマホ写真

会計データを活用した分析をもとに、販売戦略を立案

多数の商品を小売販売する「ミロクショップ」。販売戦略が成功し、順調に売上を伸ばしています。


社長

分析によって売上のトレンドをつかんだから、的確な販売戦略をとることができたな

今後も会計データを活用して定期的に分析しましょう


経理スタッフ

現在はZチャートの分析や売上のABC分析などを駆使して売上の動向をしっかり分析しているミロクショップですが、半年前はじわじわと売上が減少しており、販売戦略の見直しを検討していました。

半年前 ~季節変動する売上…、売上の動向がつかめない

半年前、ミロクショップの社長は、悩んでいました。 手がける商品は、季節によって売上が大きく変動するものが多く、各商品の売上について長期的な動向が把握されていなかったのです。


社長

確かに夏場は前月と比べて売上が伸びて好調のようにも見えるが、うちの場合だと季節変動の影響もあるから今一つ実態がつかめていないんだ。的確な販売戦略を立てるためにもしっかりと売上の動向をつかみたい。各商品の売上の動向を分析できる資料を作成してもらえるかな?

どんな資料を作ればいいでしょうか?


Aさん


社長

そう言えば先日、他社の社長と話をした時に、『Zチャート』を使った分析が便利だと聞いたな。当社もその分析をしたいから、どんなものなのか調べて、必要なデータを用意してくれないか

はい、分かりました(『Zチャート』って、一体どんなものなのかしら? 今は想像が付かないわ……)


Aさん

質問

売上の長期的なトレンドを把握するために「Zチャート」が役に立つようですが、Zチャートとは一体何でしょうか?

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パターン1

Z世代が特に好む商品のランキングを示すグラフのこと。

パターン2

Zebra(シマウマ)模様のように毎月の売上予算と実績を横に並べたグラフのこと。

パターン3

毎月の売上の累積額と月ごとの変動を一つにしたZの形をしたグラフのこと。

Z世代にもZが付いていますが、Zチャートとは関係ありません。ZチャートとはZの形をしたグラフなのですが、一体どんなものなのでしょうか?

ZebraにもZが付いていますが、Zチャートとは関係ありません。ZチャートとはZの形をしたグラフなのですが、一体どんなものなのでしょうか?

Zチャートとは、「月次データ」「累計データ」「移動合計データ」を、Zの形で示した折れ線グラフです。季節変動の影響を平準化して長期的なトレンドをつかむことができるのですが、一体どんなものなのでしょうか?

Zチャートとは ~ただの月次推移分析では長期的なトレンドが分からない!

商品の種類によっては、その売上が季節によって大きく変動することがあります。そうした商品について、月次売上高だけを折れ線グラフにしても、売上が伸びているかどうかという長期的なトレンドはつかみにくいものです。

たとえばA商品について1年間の月次売上高の推移を折れ線グラフにしても……


経理スタッフ

【A商品・月次売上高推移の折れ線グラフ】(単位:千円)

図表1


社長

行楽用品のA商品は、春と秋に売上が増える特徴があるから、グラフは当然にでこぼこになるな。これでは長期的なトレンドが分からない

このような場合に便利な分析方法が「Zチャート」です。

Zチャートとは、「月次データ」「累計データ」「移動合計データの3つのデータを、折れ線グラフで示したものです。

移動合計は、各月における、直近1年分の月次データの合計を指します。たとえば、×5年12月における移動合計は、×5年1月から×5年12月までの月次売上高の合計です。そして、×6年1月における移動合計は、×5年2月から×6年1月までの月次売上高の合計です。

図表2

移動合計データでは売上の季節変動がならされるため、移動合計データに着目することで売上の長期的なトレンドをつかみやすくなるようです。

Zチャートのキモ ~移動合計データとは?

各商品の売上についてZチャートを作成するには「月次データ」「累計データ」「移動合計データ」の3つが必要であることが分かったのですが、経理スタッフはこのうち「移動合計」というのがまだピンときていないようです。

月次売上高は、会計システムのデータを使えばいいわね。「累計」は分かるけれど、「移動合計」って何かしら?


経理スタッフ

するとそのとき、店舗スタッフに話しかけられました。

すいません、経費精算をお願いします


店舗スタッフ


はい!……お久しぶりですね。お子さんはお元気ですか?


経理スタッフ

大きくなりましたよ。スマホの写真を見てください。このフォルダですよ


店舗スタッフ


最近の写真がたくさんありますね!


経理スタッフ

枚数が多いので、毎月末に古い写真データを移動して、常に直近1年分だけを1つのフォルダにまとめているんですよ


店舗スタッフ


常に直近1年分を把握?


経理スタッフ

このとき経理スタッフは気付きました。

……「移動合計」も同じように考えるんだわ!


経理スタッフ

Zチャートの簡単な作り方


社長

直近1年間の月次売上高についてZチャートを作るなら、直近2年分の月次売上高のデータが必要ということだね

はい。まず、直近2年分の商品別の「月次売上高」をExcelに入力します。次に、各月について「期初からその月までの累計」と「その月における移動合計」を算出します。その3つのデータを折れ線グラフで表したものがZチャートです


経理スタッフ

【A商品・月次売上高のZチャート】(単位:千円)

図表3

Zチャートを利用した売上の分析方法

Zチャートを作成したら、一番上の「移動合計」の線(太い線)に着目しましょう。
 「移動合計」の線が右肩上がりなら、長期的にみて売上が成長している傾向にあります。「移動合計」の線がほぼ水平なら横ばい、右肩下がりなら縮小傾向にあることを示しています。

図表4


社長

移動合計のグラフでは、常にその直近1年分の売上高が示されるから、季節による短期的な変動が平準化されて、長期的な傾向を大まかにつかむことができるんだな

また、「累計」の線の傾きを見ると、直近1年間における売上動向をつかむことができます。

A商品の場合、「累計」の線の傾きは、期間の後半(×5年10月以降)のほうが前半よりもやや急になっていることが分かりました。つまり、A商品の売上は、期間の後半になって勢いを増していることが分かります。

反対に、「累計」の線の傾きが時の経過につれて緩やかになっているなら、その売上の勢いが落ちていることを示しています。

A商品以外もZチャートを使って分析したところ、特にB商品とC商品の売上は、長期的に見て明らかに減少トレンドであることが分かりました


経理スタッフ


社長

当社全体の売上がじわじわと減っていたのも、それが原因だな。分析結果を踏まえて、各商品の販売戦略を見直そう

上記の例では、商品別の売上高についてZチャートを作成しましたが、たとえば、事業別の売上高や商品の販売個数などについて作成することもできます。業種によっては、顧客数や来店者数などについて分析することも有用です。データを活用し、販売戦略に活かしましょう。

「Zチャート」

「月次データ」「累計データ」「移動合計データ」の3つのデータを、折れ線グラフで示したチャートをいいます。季節変動の影響が平準化された移動合計データが可視化され、長期的なトレンドをつかみやすくなります。

MJSシステムではZチャートを作成することもできます。興味のある方はコチラもご覧ください。
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