記事制作:税経システム研究所

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2019/06/23

質問

消費税の税率引き上げの他、軽減税率とインボイス制度が始まっても、自社の財務会計システムには影響がないと安心している様子の「ミロク精密部品販売」の社長。この状況で、あなたが経理部長なら次のうちどの進言を社長にしますか?

パターン1

軽減税率対象の収入はないので、特にシステム対応は必要なく、安心して良いこと。
 

パターン2

軽減税率対象の収入はないが軽減税率対象の支出はあるので、そのシステム対応を進めること。

パターン3

軽減税率対象の収入はないがインボイス制度対象の収入はあるので、そのシステム対応を進めること。

この質問をイメージして以下のストーリーをお読みください。
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消費税の軽減税率がスタート!

「ミロク精密部品販売」は、精密部品専門の中堅商社です。消費税の軽減税率が開始した現在も、特に混乱することなくスムーズに業務処理が進んでいる様子です。

しかし1年前、経理部長には心配なことがありました。ちょっとその頃の様子を見てみましょう。

1年前 ~軽減税率スタートを控えて

1年前のある日のこと、経理部長と経理スタッフが話をしています。

経理スタッフ だんだん消費税率の引き上げ時期が迫ってきましたね。10%っていったらやっぱり大きいですよね。私もムダ使いしないように気を付けないとなって思ってるんです
経理部長 我が家でも何だかんだと子供たちにかかるお金も増えてるし、車の買い替えもしたいし、2%の税率引き上げは痛いよな
ちょうどそこへ社長が通りかかりました。
社長 何を深刻そうに話してるんだ。確かに税率引き上げは負担だが、飲食料品には軽減税率が適用されるんだろ? 君たちみたいな大食いには救いじゃないか
経理部長 確かにそれはありがたいんですが……
社長 しかし、飲食料品なんかも扱ってる会社は面倒そうだよな。そういう会社だとシステム改修も必要なんだろう?」 
経理部長 ……
社長 その点うちは精密部品の販売だけで軽減税率は関係ないし、インボイスってのも関係なさそうだから、影響ないのは助かるんだが……
社長は自社のシステムには特に影響はないと安心している様子です。しかし、経理部長は本当に大丈夫なのか引っ掛かったのでした。
 

質問

消費税の税率引き上げの他、軽減税率とインボイス制度が始まっても、自社の財務会計システムには影響がないと安心している様子の「ミロク精密部品販売」の社長。この状況で、あなたが経理部長なら次のうちどの進言を社長にしますか?

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パターン1

軽減税率対象の収入はないので、特にシステム対応は必要なく、安心して良いこと。
 

パターン2

軽減税率対象の収入はないが軽減税率対象の支出はあるので、そのシステム対応を進めること。

パターン3

軽減税率対象の収入はないがインボイス制度対象の収入はあるので、そのシステム対応を進めること。

確かに、軽減税率対象の収入がなければ、システムへの影響範囲は狭くなるかもしれません。しかし、軽減税率対象の収入がないからといって、自社のシステムに全く影響がないというわけではなさそうです。
 

ミロク精密部品販売の経理部長が社長に進言したのは、軽減税率対象の支出にかかるシステム対応を進めることでした。どういうことかというと……
 

確かに、軽減税率対象の収入がなくてもインボイス制度対象の収入はあるので、その対応を検討する必要があります。ただし、インボイス制度がスタートするのは2023年10月からの予定なので、それよりも優先して対応することが別にありそうです。

営業部門で開催された宴会

社長の安心した様子とは対照的に、経理部長はどうもスッキリしないまま帰宅しようとしていたところ、飲み仲間でもある営業第1部長と営業第2部長がやってきました。

営業第1部長 今日はもう帰るの? だったら一杯やってかないか?
経理部長 おー、そうだな

そして、居酒屋にて……

経理部長 今期はお前のところの営業第1部は絶好調だったな
営業第1部長 おかげさまで。スタッフ皆も本当に頑張ってくれたからな。こんなときくらいはしゃれたレストランで宴会したって構わないよな?
営業第2部長 おい、それって俺に対する当てつけか? うちの営業第2部は売上目標達成できなかったからなぁ……。さすがにしゃれたレストランで宴会ってわけにはいかないか
経理部長 まぁ、オフィス内でささやかな慰労会くらいは開催してもいいんじゃないか? ちょっとしたお酒とつまみを用意して。軽食のテイクアウトを利用したらどうだ?
営業第2部長 そうだよな。まぁそのときは、俺は責任とってノンアルコールビールで我慢するか。次はこっちも高級レストランで宴会できるように頑張るからな!

その日、居酒屋を後にして帰宅途中の電車の中で、なぜか妙に頭がさえてきた経理部長。そのときふと思ったのです。

経理部長の心の声 <さっき話してた宴会の経理処理って、軽減税率が始まった後だったら意外と面倒くさいことになるんじゃないか?>

営業第1部のようにレストランでの宴会だったら、外食のため消費税は10%になります。一方、営業第2部のようにテイクアウトの軽食だったら軽減税率の対象で8%です。また、つまみ類は8%。アルコールは10%でノンアルコールビールだったら8%です。同じ飲食費だといっても税率は1つではありません。

何より軽減税率の影響は収入側だけでなく、支出側にも大いに関係があることに気付いたのでした。

経理部長の心の声 <これまでうちの財務会計システムでは、税込金額で費用を入力すると、勘定科目に応じて仮払消費税分を自動計算し、税抜金額で費用計上できていた。しかし、今後は同じ科目でも複数の税率が混在することになる。今のままではうまくいかないはずだ。影響をしっかり確かめないと!>

経理部長は、今回の軽減税率スタートへの対応で準備不足であった点を反省しつつ、しっかりと対応を進めたのです。

経理部長の心の声 <リース料については、経過措置で旧税率8%と新税率10%のものが発生するはずだ。同じ「リース料」勘定の中に複数の税率が混在することになるな。取引先向けの贈答品だって、お酒だと10%、お菓子だったら軽減税率の8%だし……>

どうやら、取引先から入手する請求書なども新しい記載ルールに則ったフォーマットへの変更が生じることが想定されるので、経理処理に際して混乱しないように気を付けなければならないようです。

こうした諸々の影響を洗い出し、システムの見直しも含めて対応を進めた結果、消費税の軽減税率が始まった後も、スムーズに業務処理を進めることができたのでした。

また、ミロク精密部品販売では、2023年10月から始まる予定の消費税にかかる適格請求書等保存方式、いわゆるインボイス制度への対応についても検討を進めました。インボイス制度は、軽減税率対象の収入があるかどうかに関係なく、これまでにはない適格請求書を発行する必要が生じるなど、広く影響が及ぶ見込みです。今回の軽減税率では対応が後手に回ってしまった感のある経理部長ですが、インボイス制度開始の際には同じ失敗をしないように準備しようと思っています。

【ワンポイント解説】
「軽減税率と経過措置」
2019年10月1日以後、消費税率が8%から10%に引き上げられる予定ですが、飲食料品など所定の資産については税率が8%に軽減されることになっています。また、同日以後に行われる一部の取引(請負工事や資産の貸付など)について、引き上げ前の税率を適用するという措置も講じられています。同じ8%ですが、前者は「軽減税率」、後者は「経過措置」によるものです。
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