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2021/07/23

質問

業務委託による経費の増加に悩まされていた「MRKシステム」では、業務委託の見直しを行ったものの、なかなか経費を削減できずにいます。あなたが経営者なら、業務委託経費削減のために、次のうちどの方法を選びますか?

パターン1

委託業務を代行できる人材を部署の垣根を超えて社内公募する。

パターン2

業務委託先と値下げ交渉を行う。

パターン3

業務委託経費の大きなシステムの開発を縮小・廃止する。

この質問をイメージして以下のストーリーをお読みください。
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好転し始めた業務委託経費の問題

「MRKシステム」は、ビジネス活動における様々な課題に対するソリューションを提供するためのシステム開発を行っています。開発するシステムが多岐にわたるに連れて開発コストは膨れ上がり、中でも機械学習に対応したプログラミングや多言語対応のための言語翻訳に対する業務委託経費の増加が問題となっていました。業務委託経費の増加は長らく経営層の悩みの種となっていましたが、社員のある会話をきっかけとして、事態は急激に好転していくこととなったのです。

それはどういうことだったのか、その頃の様子を見てみましょう。

半年前 ~ある日の役員会議の後

開発部長 ふー(大きなため息)。また役員会議でシステム開発コストが高すぎると怒られてしまったよ。そうはいっても、お客様のニーズに合ったシステムを開発するためには、どうしてもコストがかかってしまうんだよな。どうしたらよいものか……
開発部社員 部長のおっしゃるとおりです。特に最近ではAIや機械学習に対応したシステム開発が求められていますし、様々な国の言語に対応した仕様にもしなければなりません。どうしても、開発コストは高くなってしまいますよね
開発部長 特に高度な技能に関する業務委託はどうしてもコストが高くなってしまう。かといって、機械学習対応や多言語対応をシステムの仕様から外してしまうと、他社システムと似たり寄ったりになってしまう
開発部社員 そうですね。残念ながら開発部には語学も堪能で高度なプログラミングもできる人材はいませんし、どうしたらよいものでしょう……


開発部長も開発部社員も、すっかりお手上げ状態です。

質問

業務委託による経費の増加に悩まされていた「MRKシステム」では、業務委託の見直しを行ったものの、なかなか経費を削減できずにいます。あなたが経営者なら、業務委託経費削減のために、次のうちどの方法を選びますか?

▼あなたの思うパターンをクリック▼

パターン1

委託業務を代行できる人材を部署の垣根を超えて社内公募する。

パターン2

業務委託先と値下げ交渉を行う。

パターン3

業務委託経費の大きなシステムの開発を縮小・廃止する。

開発部社員は「残念ながら開発部には語学も堪能で高度なプログラミングもできる人材はいません」と嘆いていましたが、思いもよらぬところに知識を持った人材がいたようです。経営者は、社内に埋もれた知識を有効活用する方法に気付き、パターン1を選択して業務委託経費の削減に成功したようです。どういうことかと言うと……

業務委託契約の更新のタイミングなどで、定期的に値下げ交渉を行うのは有益でしょう。しかし、あまりに大幅な値下げ要求は委託先との信頼関係を損ねてしまうため、大幅な業務委託経費の削減は望めません。値下げを要求する場合には、値下げが合理的であることの根拠を提示しつつ、慎重に交渉に臨む必要があります。

業務委託経費があまりにも莫大である場合には、確かに開発を縮小・廃止せざるを得ないかもしれません。しかし、業務委託経費が大きいということだけで開発を縮小・廃止することは適切な経営判断とは言えません。開発を継続するためには、なんらかの業務委託経費削減案を検討する必要があります。

ある日のランチタイムの会話

業務委託経費削減の件で悩んでいた開発部社員でしたが、気晴らしに同期入社の経理部社員と久しぶりのランチに出かけたようです。

開発部社員 急にランチに誘っちゃってごめんね。元気にしてた?
経理部社員 元気元気! いやー久しぶりだよね。仕事うまくいってる?
開発部社員 それがね……。ちょっと難しい案件を抱えちゃっていてね。まぁ、仕事の話は置いておいて、久しぶりに楽しくランチをしよう!
経理部社員 そうだね! ところで、最近仕事終わった後、何してるの?
開発部社員 会社終わった後はジムに行ってるくらいかな。特に何もしてないよ。君は?
経理部社員 いや実はね、数年前から語学にハマっちゃって、仕事以外の時間は語学の勉強ばっかりでさ。英語、中国語、スペイン語、イタリア語の勉強をしてて、最近、英語と中国語の同時通訳の資格も取っちゃったんだ。会社の誰にも言ってないんだけどね
開発部社員 すごいな! まさかそんな特技があるなんて知らなかったよ
経理部社員 意外と隠れた特技を持っている人っているものだよね。この前、広報部の友達と話していたら、趣味の延長でPythonっていう機械学習に強いプログラミング言語のコンテストに出場して、優勝しちゃったらしいよ
開発部社員 本当に!? うちの会社、すごい能力を持った人材が隠れてるんだな。待てよ……。語学もプログラミングもできる人材、社内にいるじゃないか!!

隠れたスキルを持った人材は社内にいるかもしれない

ランチから戻った開発部社員は、早速開発部長に相談を持ち掛けました。

開発部社員 部長。例の業務委託経費削減の件、思わぬところに解決策が隠れていました。経理部には英語・中国語の同時通訳ができる人材がいますし、広報部にはPythonのプログラムコンテストで優勝した人材がいるようです
開発部長 えっ
開発部社員 社内の人材が持っている知識やスキルを有効に活用できれば、業務委託経費は大幅に削減できるかもしれません
開発部長 そんな隠れたスキルを持った人材がわが社にいたのか! もしかしたら、社員が持っているスキルや知識をうまく活用する仕組みができれば、業務委託経費を大幅に減らして、その分社員に追加の報酬を支払うことができるかもしれない。早速、役員会で提案してみよう

役員会での議論を経て

業務委託経費削減の件で悩んでいた開発部社員でしたが、気晴らしに同期入社の経理部社員と久しぶりのランチに出かけたようです。

開発担当役員 開発部長の話によると、どうやらわが社には隠れた知識やスキルを持った人材が数多くいるようだ。高度な知識やスキルが必要になったとき、いきなり業務委託をするのではなく、まずは社内公募で対応できる人材がいないか探してみよう
人事担当役員 部署の垣根を超えて仕事に協力するのだから、高度な知識やスキルを提供してくれた社員には、追加の報酬を支払う仕組みを構築しよう。社員に追加の報酬を払ったとしても、外部に業務委託するよりも大幅にコストが削減できるはずだ

その後、MRKシステムでは、部署の垣根を超えて仕事を公募する仕組みが構築され、知識やスキルを提供した社員には追加の報酬が支払われることになりました。また、特殊なスキルを持った社員が他部署の業務を請け負いやすくするために、他部署からの業務を請け負った社員が所属する部署やグループに対しても追加的な報酬を支払うことで、社員間で業務をうまく分担し、特定の社員の業務が過剰にならないような工夫をしたのです。その結果、社内の知識やスキルがうまく活用され、結果として外部委託に関する経費を大幅に削減することができるようになったのです。

社員が持つ知識、スキル、経験は企業に莫大な価値をもたらします。タスクの社内公募に加えて、社内で知識、スキル、経験等の共有ができるようにデータベース化しておくことも必要かもしれません。また、社内公募の仕組みを導入する場合には、追加のタスクによって特定の社員の仕事量が過剰にならないような工夫をあわせて講じる必要があります。

ワンポイント解説「タスクの社内公募」と「知識等の共有」
高度な知識、技術、ノウハウを必要とするタスクに対して、社内公募の制度をとる企業が増えています。高いスキルを持つ社員の意欲を引き出すことができるとともに、社内の縦割り意識を打破することにもつながると言われています。
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