記事制作:税経システム研究所

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2017/12/23

質問

創業以来30年、ハンバーガー業界のトップに立ち、チェーン展開している「ミロク・バーガー」ですが、ここ2年ぐらい営業利益が減少してきました。主な原因は、販売数量が減少した結果、売上高が減少したことでした。営業利益を増やすために、あなたが経営者なら次のうちどの行動をとりますか?

パターン1

安さを強烈にアピールできるくらい、ハンバーガーの販売単価を値下げする。

パターン2

高級食材をふんだんに使って、ハンバーガーの販売単価を値上げする。

パターン3

食材の品質を下げて、食材の仕入単価を引き下げる。

この質問をイメージして以下のストーリーをお読みください。
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日本の食生活の一部であるハンバーガー

「ミロク・バーガー」は、親子連れや若いグループのお客さんが来店してにぎわうハンバーガー・ショップです。毎年さまざまなキャンペーンを行って、顧客を誘引しています。ランチ・タイムになると多くのお客さんが駆けつけますが、効率的に注文を受け、商品を販売しています。テーブルでコーヒーを飲みながら二人組が話をしています。

客1 やっぱりハンバーガーといえば、ミロクだね……
客2 うん、一時期はお客さんが減ったけど、今は昼食時にはほぼ満席だね
客1 ライバルのXバーガーとは、商品ラインナップが違うね
客2 きっと、ハンバーガー・ショップごとに戦略が違うんだろうね

たまたまそのときに店を視察しに来て、このお客さんの会話が耳に入ったエリアマネジャーも、満足そうにうなずいています。

2年前 ~他のライバルが台頭し始め客足が遠のいた

ミロク・バーガーは、30年前に開業しました。子供の頃からハンバーガーに慣れ親しんだ世代には、食文化の一部として受け入れられています。若い世代だけでなく、親子連れや親子孫3世代で訪れるお客さんもいます。

ところが、ここ2年くらい、世の中はデフレ環境となり、ライバルのハンバーガー・ショップ、牛丼店、カレー・ショップなど、安さを売りにした他のファストフード店が台頭して、競争相手が増えました。そのため、定番商品であるハンバーガーの販売数量が減少しつつありました。ただし、ハンバーガー業界のトップに立つミロク・バーガーですから、やり方次第で爆発的に販売数量を増やせる余力はあると、社長たちは踏んでいました。

質問

創業以来30年、ハンバーガー業界のトップに立ち、チェーン展開している「ミロク・バーガー」ですが、ここ2年ぐらい営業利益が減少してきました。主な原因は、販売数量が減少した結果、売上高が減少したことでした。営業利益を増やすために、あなたが経営者なら次のうちどの行動をとりますか?

▼あなたの思うパターンをクリック▼

パターン1

安さを強烈にアピールできるくらい、ハンバーガーの販売単価を値下げする。

パターン2

高級食材をふんだんに使って、ハンバーガーの販売単価を値上げする。

パターン3

食材の品質を下げて、食材の仕入単価を引き下げる。

ミロク・バーガーの社長が選んだのはパターン1でした。販売単価を下げると営業利益が減少するおそれもありますが、販売数量を爆発的に増加させることで営業利益を増やそうと考えたのです。

高級食材をふんだんに使った高級ハンバーガーを提供することで販売単価を値上げし、営業利益を増やすのも一案でしょう。しかし、デフレ環境に陥っている状況下、なかなか値上げは受け入れられず、場合によっては客足が大きく遠のく懸念があります。

食材の品質を下げて、食材の仕入単価を引き下げることで、販売価格や数量が変わらなくても採算を改善することができるかもしれません。しかし、たとえデフレ環境下であっても、食材費を大幅に引き下げるために食材の品質を下げてしまっては、客足が大きく遠のく懸念があります。

ターニングポイントは経理部長から社長への耳打ちの内容だった

ある日、社長は営業部長、商品開発部長、経理部長をよび、打開策について、相談してみることにしました。

社長 ここ2年ぐらい、定番商品であるハンバーガーの販売数量が減少して減収減益になっている。まだしばらくはデフレが続きそうだし、何か思い切った打開策を考えたいんだ
営業部長 そうですね、売上高=販売単価×販売数量ですから、販売数量が減少しつつあるときに、前年度と同じ売上高を稼ごうとするなら、値上げするしかないですが……、営業部の立場としては、今のデフレ環境の下で値上げしたら、なおさら売れなくなって販売量が減ると思っています。だから社長、販売単価の値上げはちょっと……
社長 そうだろうね。では、売上高を伸ばすことよりも、費用を削減することで利益を確保する、という考えもあるよね、経理部長
経理部長 そうですねぇ、そういうことも考えられるのですが……
社長 では、費用を引き下げることだとすると、購買部長、食材費を対象にしたら何とかなるかね?
購買部長 だめですよ、今だって食材の品質をキープするのに、ギリギリのコストなんですから。それに、今後は外国為替レートが円安に振れるという予想ですから、食材費をカットすると食材の確保はますます困難になりますよ……
経理部長 社長、それでは、会計の基本に戻って検討してみませんか?
社長 ん、基本に戻るってどういうことかな?
経理部長は社長に耳打ちをしました。
社長 よし、2割の値下げじゃインパクトがないから、3割の値下げにしよう。そしてあらゆる手段でお客さまに周知し、販売数量は3倍を目指すぞ! みんな、よろしく頼むよ

さらに検討を重ね、ミロク・バーガーの新しい戦略が決まりました。早速、翌月から販売価格を値下げするという広告を大々的に展開し、各店舗でも準備を始めました。業界トップのミロク・バーガーが打ち出した、この「値下げ作戦」の広告効果は当初の想定以上の反響をよび、多くのお客さんがミロク・バーガーに来店するようになりました。その結果、定番商品であるハンバーガーの販売量は4倍になり、営業利益も数倍となりました。販売単価を値下げしても増収増益につながる事例として注目に値します。

【経理部長から社長への耳打ちの内容】さて、経理部長は社長にどのようなことを話したのでしょうか。その内容を再現してみましょう。
 
経理部長 社長、以前お話しした変動費と固定費の話を思い出してください
社長 ふむふむ
経理部長 売上高と変動費は販売数量に比例して増減します。例えば、うちの定番商品のハンバーガーは1個200円で、その変動費は120円です。そうすると、1個当たり80円の利益が出ます。まだ固定費を引いていませんので、この利益を「限界利益」といいます。限界利益も販売数量に比例しますので、1,000個売れば80,000円、100,000個売れば8,000,000円と計算することができます
社長 ふむふむ
経理部長 一方、固定費は販売数量に比例しません。そうすると、1個80円の限界利益で固定費を回収し切れば、あとは全部営業利益になります。ハンバーガーにかかる固定費は、20,000,000円ですから、20,000,000円÷80円で最低250,000個売らないといけないことになります。これを損益分岐点販売量といいます
社長 ふむふむ
経理部長 今、価格を2割下げて160円にすると、限界利益は40円と半減します。ただし、値下げ効果で販売量が2倍、つまり500,000個より多く売れれば、営業利益が増えるわけです
社長 なるほど、分かったぞ。やり方次第でうちには爆発的に販売を増やせる余力があるはずだから、その方向で対応策を考えてみよう
【ワンポイント解説】
「限界利益」
売上高から変動費を控除した後の利益を限界利益といいます。限界利益は売上高に比例して増減するので、利益の計画を立てるときなどに役立ちます。
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