記事制作:税経システム研究所

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2018/01/23

質問

経理部長から業績が悪化しているとの報告を受けたが、具体的に何を改善すればいいのかわからない「ミロク食品」。あなたが経営者なら次のうちどの行動をとりますか?

パターン1

業績悪化にいたるプロセスを分析する。

パターン2

ブレーンストーミングを行って、改善すべきポイントをできるだけ多く洗い出す。

パターン3

対策会議の時間や回数を増やす。

この質問をイメージして以下のストーリーをお読みください。
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やるべきことが決まる業績報告会議

「ミロク食品」は関東を中心に、カレー用のスパイスを始め、粉末調味料の製造、卸を主な事業としている食品メーカーです。外食チェーンなど飲食店向けの業務用商品が主力ですが、家庭用の商品も取り扱っています。

一時は経営状況がかなり悪化していましたが、今では業績も順調に回復してきています。

そんなミロク食品では、今日も、創業者の娘である2代目社長を中心に、業績を伸ばしていくために何を改善すれば良いか活発に議論され、そのために今後やるべきことも次々と決まっているようです。

しかし、若くして社長が後を継いだ2年前の状況は、今とは全く違っていました。

2年前 ~業績が悪化していることはわかっているが……

経理部長 赤字が続いておりますが、今期はさらに赤字が拡大しています
社長 ……、困ったわねぇ。赤字が拡大した原因を説明してください
経理部長 売上が2千万円減って2.5億円に。その結果、営業赤字は前期比3百万円増のマイナス8百万円になってしまいました。既存顧客の売上が徐々に減ってきていることもさることながら、新規顧客の売上減少の影響が大きいと思われます
営業部長 やはり商品力を高めるか値段を下げるといった対策が必要なのではないでしょうか
開発部長 その前に営業力を強化する方が先じゃないですか!
経理部長 今年は暑い日が多かったので、それも影響しているかもしれません
社長 原因はいろいろ考えられるけど、一体どうすればいいのかしら……

質問

経理部長から業績が悪化しているとの報告を受けたが、具体的に何を改善すればいいのかわからない「ミロク食品」。あなたが経営者なら次のうちどの行動をとりますか?

▼あなたの思うパターンをクリック▼

パターン1

業績悪化にいたるプロセスを分析する。

パターン2

ブレーンストーミングを行って、改善すべきポイントをできるだけ多く洗い出す。

パターン3

対策会議の時間や回数を増やす。

実は社長が選択した行動はパターン1でした。売上減少といった会計数値だけではなく、業績悪化にいたるプロセスを分析することで見えてくることとは……

確かにブレーンストーミングを行い、改善すべきポイントをできるだけ多く洗い出すことで何かヒントが見えてくることがあるかもしれません。しかし、案がたくさんでただけで、結局、効果的な改善ポイントはわからなかったといった事態にならないように気を付ける必要があります。

そもそも会議の時間や回数が足りていないのであれば、増やす必要があるかもしれません。しかし、単純に会議時間や回数を増やしたからといって、効果的な改善ポイントが見つかるわけではないため、無駄な時間が増えただけといった事態にならないように気を付ける必要があります。

結果までのプロセスを分析する!

売上を増やすために何を改善すべきなのか、結局、誰も決められないままその日の会議は終わりました。くよくよしても仕方がないと気持ちを切り替え、2代目社長は高校時代の友人たちと約束していた女子会の場へと向かいました。

友人A そういえば、よくうちのラクロス部って廃部にならなかったよね
友人B 何を隠そう、それは私の力よ! いろいろと工夫して新入部員を獲得したからねー
社長 そうそう、すごいなと思って私も当時から気になってたのよね。一体どうやったの?
友人B 実はねー、入部届をもらうっていうゴールにたどり着くまでに、どんなプロセスがあるのか分析してみたの。そして、どこでつまづいてるからゴールにたどり着けていないのか調べてみたんだよね
友人A うーん、どういうこと?
友人B 他の部活もたくさんある中で、向こうから勝手にラクロス部に入部してくれることなんてないわけ。ラクロス部の場合、入部してもらうまでにはこんなプロセスがあるのよ
 【ラクロス部入部までのプロセス】
  ①新入生に声をかける
  ②興味を持った生徒に部活や試合を見に来てもらう
  ③やってみようかなと思った生徒に実際に体験してもらう
  ④正式に入部してもらう
友人B で、どこのプロセスがダメで入部してもらえてないのかも調べたのよ
社長 なるほど! それで、それで?
友人B 圧倒的に①から②のところで人数が減ってるわけ。まぁ簡単な話なんだけど、これで興味を持ってもらうことに失敗してるってことがわかった。だから、まずは興味を持ってもらえるような工夫をいろいろやってみようってことになったの
社長 どんなことをやったの?
友人B ラクロス部のパンフレットや動画を準備するとか、「すぐレギュラーになれるよ」・「全国大会に行きやすいよ」とか、競技人口が少ないスポーツならではの良さを伝えたりしたのよ
社長の心の声 <そうか、プロセスに目を向ける必要があったんだ! この考え方って新規顧客の売上獲得でも同じはずよね!>

翌日から、2代目社長は営業部長や経理部長たちと一緒に、新規顧客の売上を獲得するまでのプロセスを洗い出し、それぞれのプロセスの状況を分析してみることにしました。元々プロセスを意識して営業活動を行っていたわけではないためデータも乏しく、分析できる状況にするだけでもいろいろと苦労しましたが、やるしかない!と試行錯誤しながら、粘り強く取り組みました。

すると、ミロク食品では営業マンが初回訪問する企業の数が少ないだけでなく、2回目以降継続して訪問している企業の割合がとても少なく、どうやらそこが新規顧客の売上が増えないボトルネックになっていそうだということが見えてきました。さらに調査した結果、営業マンは既存のお客さまの対応に多くの時間をとられており、空いているわずかな時間で何とか見込顧客への初回訪問はするものの、定期的な訪問ができておらず、そのせいで商談の機会を逃してしまっていたようです。

新規顧客の売上増加のために、どの業務プロセスの改善をすべきか把握した2代目社長は、ルート営業を行う部隊と新規営業を行う部隊に分けるといった営業体制のテコ入れを行うなど、さまざまな手を打って業績回復を実現していくことができました。

その後、ミロク食品の業績報告会議では会計上の数字だけでなく、売上などにつながるプロセスの状況まで報告することに決め、それによって、会議の場で問題解決のために改善すべきポイントを考えられるようになったのです。

【ワンポイント解説】
「業務プロセスの改善」
「業務プロセス」とは、販売や購買など、経営の目的を達成するために行われる一連の活動のことで、各業務における一連の手続や処理の流れなどをいいます。「新規顧客の獲得」といった成果を得るために行われる一連の業務の流れもその一つです。
一つの業務が複数の部門を横断している、またさまざまな業務と絡み合っているなど、複雑な場合もありますが、会計数値などからわかった課題について、ボトルネック(改善すべき業務)がどこにあるのかを把握するためにも、まずはどのような業務があり、それらがどのようなつながりや流れになっているか可視化することから始めてみてはいかがでしょうか。
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