記事制作:税経システム研究所

運輸業

  • 運輸業
2018/06/03

質問

社長が新しい施策に挑戦しようとすると、幹部社員が口をそろえて「予算がありません」と反対する「みろく運輸」。あなたが経営者なら、年度予算の策定段階でどのような工夫をしますか?

パターン1

予算の中に使用目的を定めない予備費を多めにとっておく。

パターン2

来年度に行う施策を徹底的に検討し、すべて予算化しておく。
 

パターン3

今までどおり予算を作り、期中に新しいことがおきたら修正予算を作る。

この質問をイメージして以下のストーリーをお読みください。
イメージ01
イメージ02

いつもお客さまのニーズにこたえることができている運送会社

「みろく運輸」は、ある地方都市を中心に営業している運送会社です。社長が30年前に創業し、今では地元でもちょっと名の知れた会社に成長しました。

近年は大手運輸会社の価格攻勢などもあり、競争が厳しくなってきていますが、お客様はみろく運輸から大手に乗り換えようとはしません。

それは、みろく運輸がいつもお客さまのニーズにこたえて、サービス内容の改良を行ったり、新サービスを提供したり、うまく環境変化に対応しているからです。
 
今でこそ、柔軟に変化できる会社になったみろく運輸ですが、ほんの数年前は硬直しきった組織だったのです。

数年前 ~官僚主義がはびこる会社……

数年前、荷物の配送量が増え続ける中、みろく運輸の社長が、社員数を増やして一層の拡大を目指そうと、経営会議で提案したときのことです。

社長 最近はネットショッピングの好況などで荷物が増えていて、現場ではお客さまのご依頼をお断りしていることもあると聞いている。そこで、思い切ってアルバイトを増やそうと思うんだがどうだろう
営業担当 確かに荷物の量は増えていますが、すでに今期の売上予算は十分達成できそうですから、あえて人を増やす必要はないのではないでしょうか。教育に手間やコストもかかりますから
人事担当 私もそう思います。そもそも、今期の年度予算にアルバイトの増員や教育コストはまったく織り込んでいませんから絶対無理です
社長 広告宣伝費が余っていたはずだから、それをアルバイトの人件費に使ったらどうだ? そうすれば、お断りしていた依頼を受けられるから、多少コストが増えても十分もとがとれるんじゃないか?」
経理担当 当社の予算規程では、経費予算の勘定科目間の流用は禁止されています。それに、銀行に年度予算を提出していますから、経費が予算をオーバーすると銀行の心証も……
社長 あ~、わかった、わかった。皆がそこまで言うならあきらめよう……
幹部社員のほっとした顔を見ながら、社長は思いました。
社長の心の声 <会社の規模が大きくなってからというもの、何か新しいことをやろうとするとすぐに“予算がない”、という反対意見ばかりだ。うちの会社はいつから官僚主義的になってしまったんだ……。これではお客さまやライバルの変化に追いつけずに会社が傾いてしまうぞ>
 

質問

社長が新しい施策に挑戦しようとすると、幹部社員が口をそろえて「予算がありません」と反対する「みろく運輸」。あなたが経営者なら、年度予算の策定段階でどのような工夫をしますか?

▼あなたの思うパターンをクリック▼

パターン1

予算の中に使用目的を定めない予備費を多めにとっておく。

パターン2

来年度に行う施策を徹底的に検討し、すべて予算化しておく。
 

パターン3

今までどおり予算を作り、期中に新しいことがおきたら修正予算を作る。

実は、社長が行ったことはパターン1でした。予備費を多めに設定することで会社がどう変わったのでしょうか……
 

年度予算の策定段階で、来年度の施策をすべて予算化できれば問題ないかもしれませんが、環境変化の激しい今日、すべての変化を予測することは難しいでしょう。硬直した予算から脱却する方法を考える必要がありそうです。

期中に新しい施策が必要になったら、すぐに修正予算を作成するという方法も考えられます。しかし、修正予算を作るのはかなりの時間と労力がかかります。修正予算を作っている間にビジネスチャンスを逃してしまうかもしれません。

ヒントは妻の“埋蔵金”にあった!

ある日曜日の夜、社長がスーツを新調しようと思い、妻に相談したときのことです。

社長 そろそろ新しいスーツを買いたいんだが
すると、ちょうど家計簿をつけていた妻が、むっとした顔で眼鏡を外しながら言いました。
あなた、今月は家計が赤字よ。新しいスーツにお金をかける余裕なんてないから絶対無理よっ
社長 まったく、お前までうちの社員みたいだな……
うちの社員ってどういうことよ!
社長 あっ、いや、つまり、優秀だって意味ですよ!
あら、そう? 実は……、まったく余裕がないわけでもないのよ

妻はそう言うと、一旦姿を消し、どこからか封筒を出してきました。

実はここに我が家の“埋蔵金”があるのよ!
社長 おおっ、さすが、うちの経理担当だ! ちゃんとへそくりがあったわけか
そういうこと。で、ここからあなたのスーツを買ってあげましょう。そして残りのお金で私はネックレスを買わせていただくわ♪
このとき社長は思いました。
社長の心の声 <してやられた!! そうか、会社の予算にもちゃんと埋蔵金を持てばいいわけだ>
それから数か月後、来年度予算を策定する時期になり、社長は幹部社員に次のように指示をしました。
社長 来期の各部署の経費予算は、余裕を持たない最低限の金額で設定してもらいたい。その代わり、販売費及び一般管理費の雑費勘定をかなり余裕がある金額で予算化しようと思う
経理担当 つまり、各部署には予算の予備費を持たせず、雑費勘定に一括して大きな予備費を持つということですか?
社長 そういうことだ。期中に新しい施策が必要になったときは、この雑費勘定から振り替えて使っていけばいい。幹部のみんなにも雑費勘定がいくらあるか“見える化”するので、新しい施策があれば経営会議で提案して欲しい
営業担当 なるほど。予算がないから新しい施策ができない、という状態を変えて、むしろ幹部からも新しい施策の提案が出てくるような仕組みにするというわけですね
社長 予算にも“へそくり”があったほうが、経営に余裕があっていいだろう
 
【ワンポイント解説】
「予算の予備費(バッファ)」
年度予算を策定する際、使用目的を決めずに一定の金額を予算化したものを予備費もしくはバッファなどと言い、雑費勘定などに設定することがあります。環境変化の激しい企業や、新しい施策で成長を目指す企業では、この予備費を多めにしておくと良いでしょう。
関連リンク「柔軟性の高さ」と「使い勝手の良さ」を兼ね備えた予算編成システムに興味のある方はコチラをご覧ください。https://www.mjs.co.jp/company/software/alliance/bizforecast/
ミロク情報サービスFacebookページ

かんたんナビ

まずは無料資料請求

お問い合わせ