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2021/02/13

質問

目標予算の設定期間を半年としている「みろくベンチャー」。半年ごとに行う成績発表会で、目標達成部門がゼロになってしまいました。社長は目標の設定期間を変更しようと考えていますが、あなたが経営者なら次のうちどの期間を選びますか?

パターン1

目標の設定期間を半年ではなく、「1年」にする。

パターン2

目標の設定期間を半年ではなく「1カ月」にする。

パターン3

目標の設定期間を半年ではなく「1週間」にする。

この質問をイメージして以下のストーリーをお読みください。
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多くの部門が目標を達成し表彰される会社

「みろくベンチャー」は、企業向けにインターネットサービスを提供すベンチャー企業です。社長が5年前に創業し、今では従業員数が50人を超えるまでに成長しました。みろくベンチャーは売上の増加率は高いものの、経営環境の変化が激しく、ライバル企業との競争もし烈です。
 
朝礼で、社長が目標を達成できた部署を発表しましたが、以前よりはるかに多くの部門が達成できています。
 
今でこそ、目標達成がうまくできていますが、以前は達成できる部門が少なく、社内に「目標なんてあってないようなもの」という雰囲気が充満していました。

今回の目標達成部門は……ありません

みろくベンチャーでは、営業目標値の設定期間を6カ月にしていました。 各部門は今後6カ月間の売上の目標額を設定し、そして6カ月たったところで、その達成・未達成の発表が行われるのです。
 
6カ月ごとの成績発表会では、目標を達成した部門の表彰が行われますが、今回は……。

司会者 え~。今回の目標達成部門は……残念ながらありませんでした
従業員 (しーん)
社長 みんなどうなっているんだ? 6カ月前の「目標を達成するぞ!」という誓いはどうなったんだ!

成績発表会が終わり、従業員が自分の部署に戻るとき、社長の耳に従業員同士の会話が入ってきました。

従業員A 目標を達成するって言っても、2カ月目から目標と実績が相当乖離しちゃってたからな~
従業員B そうそう。あれだけ差が出ちゃうと、目標なんてあるようでないみたいな感じになっちゃうよな

それを聞いた社長は思いました。

<社長の心の声> <なんてことだ。今のように6カ月ごとに成績発表会をするのがいけなかったのか? じゃあ、もっと長くした方がいいのか? それとも短くした方がいいのか?>
 

質問

目標予算の設定期間を半年としている「みろくベンチャー」。半年ごとに行う成績発表会で、目標達成部門がゼロになってしまいました。社長は目標の設定期間を変更しようと考えていますが、あなたが経営者なら次のうちどの期間を選びますか?

▼あなたの思うパターンをクリック▼

パターン1

目標の設定期間を半年ではなく、「1年」にする。

パターン2

目標の設定期間を半年ではなく「1カ月」にする。

パターン3

目標の設定期間を半年ではなく「1週間」にする。

目標の設定期間を長くすれば、成績発表会までの時間が長くなりますから、従業員は頑張るかもしれません。しかし、早々に目標と乖離が出てしまった部門はもう頑張る気が起きないかもしれません。期間を短くすることも考えた方が良さそうです。

目標の設定期間を1カ月にすれば、毎月毎月の達成が目標になりますから、表彰される部門も増えるかもしれません。しかし、経営環境の変化が激しいみろくベンチャーの場合、本当に目標を達成させたいならもっと設定期間を短くする方法もあり得ます。

実は社長が選択したのはパターン3でした。目標の設定期間を1週間というのはさすがに短すぎるようにも思えますが、みろくベンチャーはこれを選択したのです。どうしてかと言うと……
 

鬼と呼ばれた営業部長に教わった、目標達成のコツとは?

成績発表会があった翌日の土曜日の朝。社長はいつものように近所の公園にある陸上用のトラックで準備体操をしていました。社長はこの数年、体力づくりを目的に毎週、このトラックで走り込みを続けていたのです。
 
社長の目標は1,500メートルを5分で走ることですが、どうしてもあと一息のところで達成できずにいたのです。
 
と、そこへ、陸上仲間の初老のAさんがやってきました。

社長 あっ、Aさん、おはようございます
Aさん おっ、久しぶりですね。で、その後、1,500メートルを5分切れるようになりましたか?
社長 いや~、ダメですね。あと少しなんですが、自分に甘いせいか、最後の踏ん張りがきかないんですよ
Aさん それなら、今日は私があなたに5分を切らせてみせますよ。私はこう見えても、現役時代は“鬼”と呼ばれた営業部長ですからね
社長 鬼っ? 一体どんな厳しいことをするんですか?
Aさん 大したことじゃないですよ。管理する期間をぐっと短くするだけです
社長 管理する期間を短く、ですか?
Aさん つまり、1,500メートルを5分で走ろうとするからダメなんです。50メートルを10秒で走り続ければいいんです
社長 なるほど。分かりやすいですね

そして、社長がトラックを走り始めると……。

Aさん はい、50メートル。今9秒です。ちょっと早いぐらいですよ~
社長 なんだか、鬼という割りに大した事なさそうだな。これなら楽勝だ

さらに……。

Aさん はい、50メートル。今11秒です。落ちてきましたよ。少しピッチを上げる~
社長 フ~、フ~、だんだんきつくなってきたぞ~

最後の50メートル手前……。

Aさん 50メートル、また11秒だぞ~。最後の50メートルは8秒で走れ~
社長 ひ~。こりゃきつい。やっぱり鬼だ……
Aさん あと5秒、4秒、3秒、2秒、1秒、はーい、ちょうど5分!

ゴールに倒れこんだ社長に、Aさんが言いました。

Aさん おめでとう。無事に5分切れましたね。会社も同じ。1カ月で達成する目標じゃなくて、1週間で達成する目標を設定した方が、達成しやすくなる。私なんて、1日ごとに目標を設定して部下たちを管理してましたからね!
社長 鬼と呼ばれた理由が分かりました! でも、管理される方は、管理期間が短くなるほどきつくなるな~

その後、社長は目標の設定期間を6カ月から1週間に変えました。その結果、毎週金曜日に行われる成績発表会では、多くの部門が表彰されるようになりました。また、予算と実績の差がつき始めたことにも早く気付けるようになったので、より経営環境の変化に合わせた施策や予算の設定ができるようになったのです。

ワンポイント解説「目標の設定期間」一般的に目標の設定期間を長くするほど、短期的なペースがつかめないことなどにより、目標の達成が難しくなり得ます。また目標の設定期間を長くするほど、目標と実績の差異分析のタイミングが遅れるため、環境変化に臨機応変に対応できなくなり得ます。 目標の設定期間は、企業の業種の特性や経営環境などを考慮して設定することが重要です。

なお、目標の設定期間を短くするほど、管理される側の従業員の精神的な負担が大きくなり、また短期的な施策ばかりに陥る可能性もあるので注意も必要です。
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