記事制作:税経システム研究所

卸売業

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2018/07/13

質問

やっと大不況から脱した会社の社長。また起こるかもしれない不況に備えて、あなたが経営者なら次のうちまず何をしますか?

パターン1

徹底的なコスト削減をはじめる。

パターン2

銀行から可能な限り借入れをしておく。

パターン3

会社の不況に対する強さを測定しておく。

この質問をイメージして以下のストーリーをお読みください。
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嫌な予感が的中し、株価大暴落! それでも余裕を見せる社長

20XX年、テレビの画面から、日経平均株価が連日最安値を更新しているというニュースが流れています。日本はリーマンショック以来の大不況にあえいでいます。

ところが、「みろく商事」の社長は、経理部長から先月の売上が予算比マイナスだったという報告を受けても、平然としています。

社長 この不景気が終わるまではじっと耐えるしかない。でも、うちの会社は大丈夫。破綻するようなことはないから、みんな心配せずに顧客回りをしてきてくれ!

今でこそ、不景気でも余裕を見せる社長ですが、リーマンショックのときは大変だったのです。

リーマンショック時の危機 ~3カ月後には倒産です……

それはリーマンショックによる大不況も終わりに近づいたころのことです。みろく商事も例外ではなく、売上の落ち込みが止まらず苦しい状況でした。

経理部長 売上が下げ止まる兆しが見えません。このままでは、3カ月後に資金ショートです……
社長 もうだめか。一体、この不況はいつになったら終わるんだ……
ところが、それから2カ月後、売上が緩やかに回復し始め、また銀行からの融資も再開されることになり、みろく商事はぎりぎりのところで倒産を免れることができたのです。
社長の心の声 <今回の不況は何とか切り抜けられたが、同じような不況がいつまた来るとも限らない。そのときに備えておかなければ……>
 

質問

やっと大不況から脱した会社の社長。また起こるかもしれない不況に備えて、あなたが経営者なら次のうちまず何をしますか?

▼あなたの思うパターンをクリック▼

パターン1

徹底的なコスト削減をはじめる。

パターン2

銀行から可能な限り借入れをしておく。

パターン3

会社の不況に対する強さを測定しておく。

コスト削減をすることで収益構造を強化することも大切です。しかし、自社の現状を把握する前にやみくもにコスト削減をしようとしても効果が出るとは限りません。その前にやっておくべきことがありそうです。
 

銀行から借入れをして、できるかぎりキャッシュを手許に持っておくのも手です。しかし、必要な資金がどの位かを把握しないまま借入れを増やしたら、資金がだぶついて必要以上に金利負担が重くなるおそれがあります。その前にやっておくべきことがありそうです。

実は、社長が行ったことはパターン3でした。なぜ、社長は自社の不況に対する強さを測定することにしたのでしょうか。そもそも、不況に対する強さとはどうやって測定するのでしょうか……
 

答えは、自社の会計データの中にあった!

リーマンショックの騒動も何とか終わり、翌期は利益を出すことができました。こうして平穏な日々が訪れ始めたある日、社長が経理部長と話していました。

社長 今回の不況ではえらい目にあったな。好不況は繰り返すものだから、今のうちから次の不景気に備えておくことが必要だな
経理部長 備えると言っても具体的に何をしたら良いのでしょう。例えば、さらにコストカットしておくとか、銀行からもっと借入れをして手許キャッシュを増やしておくとか……、でしょうか
社長 そうだなー。どうしたものか……
ちょうどそこに、顧問税理士事務所の若手税理士であるA先生がやってきました。
A先生 こんにちは~。先月の月次決算の資料をお持ちしました
社長 おお、A先生、こんにちは。そうだ、ちょうどいいところに来てくれた。実は今、いつ来るか分からない今後の不況に備えて、何をしたら良いのかという話をしていたところなんです。会計・税務の専門家であるA先生のご意見を聞かせていただけませんか?
A先生 ええっ、まだ専門家というほどではありませんが……、一つの考え方として、まず“経営安全率”を知ることが大切だと思います
社長 経営安全率って、何ですか? 私はいつだって、顧客の安全、社員の安全を心掛けて経営しているつもりですが……
A先生 いえ、社長、そういう意味ではないんです。経営安全率というのは、御社の売上高が何パーセント下がったら赤字になるか、という指標を言います。つまり不況に対する強さと言ってもいいと思います
経理部長 経営安全率が低い場合、不況になるとすぐに赤字になってしまう。だから経営安全率を高めるように財務構造を改善したほうがいいってわけですね
A先生 その通りです
社長 しかし、そんな数値、どうやって分かるんです?
A先生 すごく簡単ですよ

そう言うと、A先生は経理部長と一緒に、経理部長のパソコンの前で、会計ソフトを操作し始めました。

A先生 まずは費用を固定費と変動費に登録してください
経理部長 これは固定費、これは変動費……、ざっくりですができました
A先生 では、これで、ほら。損益分岐点売上高と経営安全率が計算されます
社長 なるほど。これで見ると、うちの会社の経営安全率は5%。つまり……、売上が5%下がったら赤字になってしまうってことか!
経理部長 リーマンショックのときは売上が30%も落ちましたから、今の状態は危険ですね。売上が30%ぐらい下がっても利益が出せるように、費用の見直しや従業員の生産性の改善を進めたほうが良さそうですね
社長 うちの会社は不況に対する強さに欠けるということか……
A先生 いえ、経営安全率だけでは何とも言えませんから、まずは御社の収益性や生産性、安全性など詳細に調べてみてはいかがでしょうか。会計ソフトで簡単に出せますよ
その後、経理部長は顧問税理士事務所の力を借りて、会計ソフトの財務分析機能で分析した結果を経営幹部に報告し、少しずつ固定費の削減や生産性の改善などを進め、経営安全率を30%まで引き上げることに成功したのでした。
 
【ワンポイント解説】
「経営安全率」(安全余裕率)
現状の売上高が何パーセント減少すると赤字になるかを示したものであり、不況に対する強さを示すとも言われます。経営安全率を算出するためには、費用を固定費と変動費に分解し、損益分岐点売上高を計算することが必要です。
なお、会計ソフトによっては、費用科目ごとに固定費・変動費の登録をすれば、自動的に損益分岐点や経営安全率を計算できるものもあります。
関連リンク損益分岐点や経営安全率(安全余裕率)の見方・使い方について、もっと知りたい方はコチラもご覧ください。
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