決算書の読み方 ~ 貸借対照表の土地の金額は何の金額? 値上がりしたらどうする?

2026年8月13日

質問

ある日のこと。自社の貸借対照表を見ていた「ミロ社」の社長は、ある事に気が付きました。貸借対照表の土地の金額が買った時の値段(取得原価)だったのです。最近、土地も値上がりしており、もっと金額が高くてもいいはず。ミロ社の社長は、貸借対照表の土地の金額をどのようにすれば良いでしょうか?

パターン1

取得原価のままにしておく。

パターン2

現在の時価に修正させる。

パターン3

取得原価でも時価でも自由に選んで良い。

この質問をイメージして以下のストーリーをお読みください。

会議
上昇

貸借対照表の土地の金額の意味を理解できた

「ミロ社」では以前、自社の貸借対照表を見ていた社長が、土地の金額が極端に低いことに疑問を呈したことがありましたが、今では貸借対照表の土地の金額の意味を理解できています。

以前 ~土地の金額が低すぎる?

ミロ社は、ある製品を作っている製造業の会社です。ある日のこと。自社の貸借対照表を見ていた社長は、あることに気が付きました。


社長

あれ?

どうしたんですか?


従業員A


社長

土地の金額、低いなぁ

確かに


従業員A


社長

最近、このあたりの土地は値上がりしてるから、こんなに低い金額じゃないはずなのになぁ

間違いかもしれませんね


従業員A


社長

さすがにこの金額はないよね

私の記憶でももっと高かったと思います


従業員A


社長

やっぱり間違いだな

修正しないとですね


従業員A


社長

危ない危ない

取り急ぎ、経理部長に伝えておきますね


従業員A

質問

ある日のこと。自社の貸借対照表を見ていた「ミロ社」の社長は、ある事に気が付きました。貸借対照表の土地の金額が買った時の値段(取得原価)だったのです。最近、土地も値上がりしており、もっと金額が高くてもいいはず。ミロ社の社長は、貸借対照表の土地の金額をどのようにすれば良いでしょうか?

▼あなたの思うパターンをクリック▼

パターン1

取得原価のままにしておく。

パターン2

現在の時価に修正させる。

パターン3

取得原価でも時価でも自由に選んで良い。

日本の会計基準では、貸借対照表における土地は、原則として取得原価(取得に要した金額)で計上することになっているため、貸借対照表の土地の金額を取得原価のままにしておく、が正解です。どうして取得原価のままにしておくのかと言うと……

貸借対照表の土地の金額を、現在の時価に修正させる。これは、間違いです。日本の会計基準では、貸借対照表における土地は、原則として取得原価で計上することになっています。

日本の会計基準では、貸借対照表における土地は、原則として取得原価で計上することになっています。取得原価でも時価でも自由に選んで良いわけではありません。

貸借対照表の土地の金額が表すものは?

翌日、従業員Aさんから報告を受けた経理部長が、慌てて社長のところにやってきました。

昨日Aさんから報告のあった、土地の金額の件ですが


経理部長


社長

ああいう間違い、困るよ~

いえいえ。貸借対照表の土地の金額はあってるんです


経理部長


社長

いや。最近の金額とは明らかに違うようだったけど

確かに最近、うちが持ってる土地の金額は値上がりしていますが、会計のルール的には、貸借対照表の土地の金額はあってるんです


経理部長


社長

よく分からないなぁ

会計的には、土地の金額は取得原価、つまり、取得に要した金額で記録されるんです


経理部長


社長

取得した時って、かなり前だよね

そうなんです。うちの土地はかなり昔に安く購入したものなので、金額がとても低く記録されてるんですよ


経理部長

貸借対照表の土地を取得原価のまま計上している理由


社長

でも、なぜ取得原価で計上するルールになっているんだろう? 時価で計上した方が現実的じゃない?

確かにそう思うかもしれませんが、土地は長期にわたって使用するために保有しているもので、売るために保有しているわけではないですよね?


経理部長


社長

うん、そのとおりだ

土地を時価で計上すると、土地の価格変動によって、毎期毎期、貸借対照表が大きく変動してしまいます。これでは、企業の財務状況を安定的に評価することが難しくなります。それに、売る予定もないのに、毎期毎期、時価を把握するとなると本当に大変ですし……


経理部長


社長

そういうことだったのか。結局、いくら土地が値上がりしていても、これまでどおり使い続けている限り、利益は出ないってことだね

もちろん、土地は値上がりしていますから、売ったときには売却益が出ますよ


経理部長


社長

いやいや~。売るつもりはないよ

経理部長から説明を受けた社長。ミスだと疑って悪かったなぁ、と反省しきりでした。

「土地の貸借対照表価額」

日本の会計基準では、土地の貸借対照表価額は、取得時の取得原価(不随費用も含む)を基に計上され、減価償却の対象外となります。市場価値の変動があっても、貸借対照表上の価額は原則として変更されません。これにより、企業が長期にわたって使用する土地の価値を安定的に把握することが可能となります。ただし、大幅に値下がりしている場合などで減損処理(損失処理)が必要となることもあり得る点には注意が必要です。

なお、土地が減価償却の対象とならない点についてもっと知りたい方は、コチラの記事もご覧ください。

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