記事制作:税経システム研究所

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2019/03/13

質問

空調機器を製造・販売する「ミロクエアー」。特徴は、機器導入前にユーザーの状況や要望を十分に聞き、建物やビルに最適な空調システムを提案することです。ところが、いざ受注の段階になると、空調機器そのものの価格競争となり、低価格を提示するライバル企業にいつも負けてしまいます。この状況であなたが経営者なら次のうちどの経営判断を選びますか?

パターン1

ライバル企業より低い価格を提示する。

パターン2

空調システム導入のコンサルティング料金を別途徴収する。

パターン3

空調のシステムデザインに価値を見出すユーザー等が相手の市場で勝負する。

この質問をイメージして以下のストーリーをお読みください。
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お客様に喜ばれる会社

ユーザー 「ミロクエアー」に頼んだおかげで、長年の課題だった温度と湿度の問題が解決したよ。うちの工場の製品だけでなく、そこで働く人も環境がよくなったと言ってくれてね~本当に感謝しているよ
営業員 ありがとうございます。そう言って頂けるのが何よりも喜びです

しばらくして、会社に戻ると、

営業員 今日もユーザーの社長さんからお褒めの言葉を頂きました。オフレコでしたが、新しいお客様も紹介してくれるそうです
社長 おお、そうかい、そうかい

そう言って社長は目を細めていますが、1年前までのミロクエアーはこのような状態ではありませんでした。

1年前 ~「とんびに油揚げをさらわれる」とはこのことだ!

ミロクエアーは空調機器の製造・販売会社で、建設会社や商社がエンドユーザーから受注した建物やビル建築に関わる案件のうち空調機器に関する部分を、これらの建設会社等から受注し納入しています。
営業員 社長、またやられそうです! ライバル企業が信じられない位、低い価格を提示してきたようです
社長 え、その価格だと利益が出ないばかりか、原価割れだぞ!
部長 毎回これだ! うちが空調システムをデザインしたからこその物件なのに、その部分はタダ乗りされて、機器だけの競争になってしまう
社長 事前にコストの生じていないライバル企業はその分、価格を抑えてくるから、毎回おいしい所だけ持ってかれてしまう。あー悔しい!
いざ建設会社等から注文がもらえるかという段階になると、建設会社等は少しでもコストを抑えたいと考えがちで、空調機器そのものの価格競争となり、ミロクエアーは低価格を提示するライバル企業にいつも負けてしまうのです。
 

質問

空調機器を製造・販売する「ミロクエアー」。特徴は、機器導入前にユーザーの状況や要望を十分に聞き、建物やビルに最適な空調システムを提案することです。ところが、いざ受注の段階になると、空調機器そのものの価格競争となり、低価格を提示するライバル企業にいつも負けてしまいます。この状況であなたが経営者なら次のうちどの経営判断を選びますか?

▼あなたの思うパターンをクリック▼

パターン1

ライバル企業より低い価格を提示する。

パターン2

空調システム導入のコンサルティング料金を別途徴収する。

パターン3

空調のシステムデザインに価値を見出すユーザー等が相手の市場で勝負する。

ライバル企業より低い価格を提示すれば受注できる可能性があります。しかし、利益の確保や採算と言う面から検討し、ボーダーラインを設定しなくてはなりません。このラインを下回る価格設定は自分で自分の首を絞めることになってしまいます。

システム導入のコンサルティング料を別途徴収するのはいいアイデアです。しかし、ミロクエアーはコンサルティング会社ではなく、設備の製造・販売の会社です。従来の市場の中での勝負を続け、設備の導入前にコンサルティング料として建設会社等から別途金銭を徴収するのは、建設会社等のコスト増につながりますし、業界におけるビジネスの慣行からも、現実問題としては難しいと言えそうです。

ミロクエアーの社長が選択したのはこの案で、ライバル企業が参入しづらい、別の市場で勝負することにしました。空調に課題を持っていて、空調のシステムデザインに理解のあるユーザー等を発掘し、取引をするようにしたのです。

イケメンの呪縛

社長 ただいま~、お、どうしたんだい? 険しい顔をして
奥さん ちょっと聞いてよ。前にお世話になった社長さんがいい人を紹介してって言うじゃない。そこで、何人か釣書を持って行ったんだけど、イケメンじゃないって写真だけ見てそっぽ向いちゃったのよー
社長 あれ、孫娘って言ってもアラフォーじゃなかったか?
奥さん そうなのよー、自分のこと棚に上げて、困っちゃう
その話、今日の大学の授業でやってたよ
奥さん 大学で見合いの話なんかするわけないでしょ
イケメンみたいな競争の激しい市場は、「レッド・オーシャン」と言うらしいの。熾烈な争いがあることから「血の海」や「赤い海」とも言われるの
社長 確かに競争は激しいな
それで、イケメンでないから競合がいないか少なくて、未知なる可能性を秘めている男性たちのいる市場を「ブルー・オーシャン」と言うの。パパのようにね
社長 ホメられている気がしないな

娘との会話で、社長は自身が「レッド・オーシャン」に身を置いていたことを悟りました。ライバル企業が手を出したくても出せない市場を見出して、そこで勝負しようと決意したのでした。そのときふと社長の頭をよぎったのは、空調のデザイン力の強みだったのです。

その後、例えば、生き物を扱う動物園やペットショップ、絵画や骨とう品など美術品を扱う店など、空調に課題を持っていて、空調のシステムデザインに理解のある顧客を発掘し、取引をするようにしていったのでした。

【ワンポイント解説】
「ブルー・オーシャン戦略」
ブルー・オーシャン戦略とは、フランスの欧州経営大学院の教授であるW・チャン・キムとレネ・モボルニュの著書『ブルー・オーシャン戦略』により提唱された戦略です。
本文にあるように、競合のいない、もしくは少ない新しい市場で、未知なる可能性を秘めている市場を「ブルー・オーシャン」と呼び、そこで企業価値の創造を試みる戦略です。ただし、ブルー・オーシャンも永久にブルーではありません。必ず模倣が起こり、レッド・オーシャンとなる可能性をはらんでいます。
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