記事制作:税経システム研究所

小売業

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2018/12/23

質問

いくつかの子会社を作ってグループ経営をしている会社。ある子会社が他の子会社に商品を売って利益を出していることが分かり、グループ全体で儲けが出ているのか分からず不安になっています。あなたが経営者ならどのような資料を作るよう指示しますか?

パターン1

“比較”損益計算書を作成させる。

パターン2

“変動”損益計算書を作成させる。

パターン3

“連結”損益計算書を作成させる。

この質問をイメージして以下のストーリーをお読みください。
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グループ全体の利益がついに大台を超えた!

「みろく・ホールディング」は、この3年間、グループ全体での利益最大化を目標にグループ一丸となって頑張ってきました。そして、ついにグループ全体の利益が目標金額を突破したのです。社長はグループ会社の社長らを前に満面の笑みを浮かべています。

社長 ついに、グループ全体の利益が目標金額を突破しました。これも各グループ企業の社長である皆さんのお陰です

今でこそ、グループ経営がうまくいっていますが、3年前までは大変だったのです。

3年前 ~グループ会社間で商品を売って利益を出していた!?

みろく・ホールディングでは、毎月、そのグループ会社であるA社・B社・C社の社長も交えて、グループ経営会議が開かれます。その会議の席上でのことです。

社長 グループ会社のみんなが努力してくれたお陰で、各社とも順調に売上・利益が増えているが、なぜか各社の商品在庫が増えているように思うのだが……
A社長 そっ、そうでしょうか……、そんなはずはないんですが
社長 A社の在庫の明細を見ると、随分と高額な商品がたくさんあるが、これは何だ?
A社長 実は……、グループのB社から頼まれて仕入れた商品でして……
社長 どういうことだ? B社長
B社長 その商品は、グループのC社から頼まれて仕入れたものでして……
社長 おいおい、どういうことだ? C社長
C社長 その商品は、もともとA社から頼まれて仕入れたものでして……
社長 何だ? 結局A社に戻ってきたぞ。各社とも利益が出ていると思ったら、グループ会社に商品を売っていただけだったのか……
社長の心の声 <何てことだ! グループ会社間で商品をグルグル売り回して利益を出してただけだったなんて……。そもそもうちのグループは全体できちんと利益が出てるのか? 何だか不安になってきたぞ>
 

質問

いくつかの子会社を作ってグループ経営をしている会社。ある子会社が他の子会社に商品を売って利益を出していることが分かり、グループ全体で儲けが出ているのか分からず不安になっています。あなたが経営者ならどのような資料を作るよう指示しますか?

▼あなたの思うパターンをクリック▼

パターン1

“比較”損益計算書を作成させる。

パターン2

“変動”損益計算書を作成させる。

パターン3

“連結”損益計算書を作成させる。

予算と実績を比較する「予算実績“比較”損益計算書」や、前期と今期を比較する「対前年“比較”損益計算書」などの比較損益計算書を作れば、今期の業績がどの程度良かったか、または悪かったかを理解することができますが、グループ全体で利益が出ているかどうかは分かりません。違う形の損益計算書を作る必要がありそうです。

費用を固定費と変動費に分けた「“変動”損益計算書」を作れば、損益分岐点売上高の計算はできますが、グループ全体で利益が出ているかどうかは分かりません。違う形の損益計算書を作る必要がありそうです。
 

実は社長が作ったのは”連結”損益計算書だったのですが、連結とは一体何なのでしょうか。

 

簿記の検定試験の勉強をしている娘に教わった!

その日、社長が家に帰ると、ちょうど大学生の娘が勉強している最中でした。

社長 おっ、頑張ってやってるな! しかし、随分と電卓をたたきまくっているが、一体何の勉強だ?
今、簿記の検定試験の勉強をしているのよ。簿記の資格を持っていた方が就職活動にも有利でしょ
社長 そうか。で、合格できそうか?
問題は“連結”ね! 最近のグループ経営重視の流れで、簿記の検定試験でも“連結”が出るようになったのよ
社長 連結? 何だそりゃ? 電車の車両連結のことか?
違うわよ。グループ会社の損益計算書を合算することよ
社長 何だ、ただ合算するだけなら簡単だろう
それが違うんだな~。親会社と子会社の取引や子会社同士の取引を消去するのよ。つまりなかったことにするの。そうすることで、グループ全体を1つの会社としてみた損益計算書ができるわけ
そう言うと、娘は次のような2つの図を描き、その仕組みを説明したのです。
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ちょっとこれを見てよ。A社は20の利益、B社は30の利益を出して一見儲かってるように見えるでしょう? でもね、グループ全体では100で仕入れてきた商品をそのまま持ってるだけ。保管場所は変わったかもしれないけど
社長 ってことは……

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A社の利益20もB社の利益30もなし。グループでの利益はゼロってことよ!
社長 なるほど。グループ会社の利益をバラバラに見ていても、グループ全体の本当の利益は分からないってことか!

次の日、社長はさっそく経理部長に相談しました。

社長 うちのグループでも連結とやらをやって、グループ全体の利益を計算してもらいたいんだが
経理部長 えっ、連結ですか? 当社は上場企業ではありませんから、連結決算をする必要はありませんが
社長 必要がなくても、やってもいいんだろう? グループ会社の社長たちには、見せかけの利益なんか出しても意味がないことを理解してほしいんだ。連結した損益計算書を見て、グループ全体での利益をどうやって増やしていくか、ということこそ考えてもらいたいんだ

こうして、みろく・ホールディングでは連結決算を行うことにした結果、グループ全体での利益が把握できるようになりました。グループ間取引でいくら利益を出しても意味がないことを理解したグループ会社の社長たちは、本当にやるべきことが何かが分かったのです。それからは、グループ利益を最大化するよう努力するようになったのです。

【ワンポイント解説】
「連結決算」
連結決算とは、グループ全体を1つの企業のように見立てて、グループ全体の連結損益計算書や連結貸借対照表を作成することを言います。
グループ内での取引等は消去されますので、グループ外との取引で儲けが出なければ連結決算上の儲けにはなりません。グループ経営が重視される今日、非上場企業においても、グループとしての業績の実態をつかんでよりよい経営につなげるなど、連結決算の必要性が高まっています。
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