急成長しそうなベンチャー企業。投資家が投資に際して採用した社長の見張り役とは?

2023年2月3日

質問

投資家のあなたは、将来性があると感じたあるベンチャー企業に巨額の投資をすることにしました。しかし、そのベンチャー企業の社長がとんでもない経営をするんじゃないかと心配です。社長が暴走しないよう、投資家のあなたなら社長の見張り役を誰に頼みますか?

パターン1

警備会社に警備を頼む。

パターン2

従業員に見張りを頼む。

パターン3

知り合いの経営者に監視を頼む。

この質問をイメージして以下のストーリーをお読みください。

成長
投資

ついに株式上場も視野に入ったベンチャー企業

あなたは親の遺産で突然お金持ちになり、その資金でベンチャー企業へ投資することにしました。

最初に投資した「ベンチャーみろく」で株式上場のための主幹事証券会社が決まったため、今日はお祝いに同社の社長を訪問しています。

あなた 社長、お久しぶりです。いよいよ上場に向けて本格的にスタートですね
社長 ありがとうございます。2年前、うちの会社の経営がピンチだったときに、あなたに出資してもらったおかげです
あなた 私はただお金を出しただけです。社長と従業員の皆さんの努力の成果ですよ
社長 一刻も早く株式公開をして、投資家の皆さんに喜んでもらえるよう頑張ります

今でこそ、あなたは投資先の成長を安心して見守ることができていますが、あなたが投資を始めた頃はちょっと違ったのです。

2年前 ~知人の紹介で将来有望なベンチャー企業を見つけた

2年前、あなたには親の莫大な遺産が舞い込み、その資金をベンチャー企業へ投資しようと考えるようになりました。そんなある日、知人からベンチャーみろくを紹介され、その社長と面談することになりました。

社長 ……というわけで、当社には画期的な技術があるのですが、今期は業績が苦しくて、資金が必要な状態なのです
あなた すばらしい技術ですね~。その技術があれば、社会の大勢の人々がより良い暮らしができる。是非、私に資金面で支援させてください

ベンチャーみろくの社長の話を聞いたあなたは、期待に胸を膨らませながら帰宅したのですが、自宅でふとテレビをつけると、経営者の不正により会社が倒産したというニュースが流れてきました。

あなたの心の声 <確かに社長の不正で会社が倒産したって話は聞いたことがあるぞ。一度投資をしたら、社長がどんな経営をしているかなんて見えなくなる。投資をした後も誰かに社長を見張ってもらえれば安心なんだが……>

質問

投資家のあなたは、将来性があると感じたあるベンチャー企業に巨額の投資をすることにしました。しかし、そのベンチャー企業の社長がとんでもない経営をするんじゃないかと心配です。社長が暴走しないよう、投資家のあなたなら社長の見張り役を誰に頼みますか?

▼あなたの思うパターンをクリック▼

パターン1

警備会社に警備を頼む。

パターン2

従業員に見張りを頼む。

パターン3

知り合いの経営者に監視を頼む。

確かに警備会社なら常に社長のそばで社長を見守ることができるかもしれません。しかし警備会社は社長の身の安全は守ってくれますが、社長の不正な経営までは見抜けません。他に適任者を探す必要がありそうです。

確かに従業員なら常に社長のそばで社長を見張ることができるかもしれません。しかし従業員は社長の部下ですから、社長が不正な経営をしたときに、それを止めるのは難しいでしょう。他に適任者を探す必要がありそうです。

実は、投資家のあなたがとった行動はパターン3だったのです。知り合いの経営者に監視を頼むとは、一体どういうことでしょうか……

上場企業の社長が取締役会で突如解任された!

ベンチャーみろくの社長と面談をした日、投資家のあなたが自宅に帰ってくると、妻がテレビのニュースを見ながら、あなたに説明し始めました。

あなた、大変よ。あの有名な上場企業の社長が、社長をクビになったらしいわよ
あなた えっ? 一体何があったんだい?
どうやら、あの社長は経費を私的に使ったり、従業員にパワハラしたり、とんでもない経営をしてたらしいのよ
あなた ひどい社長だな~。で、誰がその社長のクビに鈴をつけたんだ?
どうやら社外取締役らしいわよ
あなた 社外取締役?
普通は会社で出世して取締役になるでしょ。それは社内取締役。それに対して、取締役会のときだけ会社に来る、他の会社の社長さんとか大学の教授とか、あの人たちのことを社外取締役っていうらしいのよ
あなた 確かに、俺が会社勤めしてたときも、社外取締役がいたな~
社外取締役は社長のお目付け役っていう位置づけらしいのよ。だから、その社外取締役が社長の経営を見かねて、取締役会の決議で社長をクビにしたらしいわよ

そんな会話をしながら、あなたはふと思いました。

あなたの心の声 <なるほど、この手があったか! あのベンチャーみろくにも社外取締役を採用してもらえばいいじゃないか!>

後日、あなたは改めてベンチャーみろくの社長を訪問しました。

あなた 社長、私は御社の技術を気に入りました。是非、投資をさせてください
社長 それは助かります。これで会社が生き延びます
あなた ただ、一つだけお願いがあります
社長 なんでも言ってください
あなた 正直に言うと、あなたがた役員はみな年齢も若く、社会人としての経験も浅いので、これだけの資金を預けるのは不安です
社長 ごもっともです
あなた そこで、私の知り合いにすばらしい経営者がいますから、彼をベンチャーみろくの社外取締役として採用して欲しいのです
社長 それはかえってありがたい。私も経営のプロに入ってもらってアドバイスがいただければ心強いです

こうして、あなたはベンチャーみろくに投資をし、知人の経営者が社外取締役に就任することになったのです。

ワンポイント解説

「社外取締役」

会社の業務執行をせずに、取締役等の経営に対して外部の目線で監督などをする取締役を言います。経営者や大学教授、弁護士、公認会計士などが選任されることがあります。株式上場などをする会社には、社外取締役を選任することが求められており、社外取締役の人材不足なども言われることがあります。

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