採用コストはどう考える? SNS採用が進む時代の費用管理

2026年8月3日

質問

法人向けサービス業を営む「ミロクワークス社」では、採用活動が活発になり、SNSを活用した採用(SNS採用)にも力を入れるなど、その方法も多様化しています。採用活動にかかる費用の把握について、最も適切な考え方は次のどれでしょうか?

パターン1

採用に関する費用は、内容にかかわらず、すべて「採用教育費」の科目で会計処理する方針に変更する。

パターン2

採用に関する費用は複数の勘定科目に分かれることがあるため、採用に関する費用として括り直して把握できるように工夫する。

パターン3

SNS採用については、SNSアカウントの開設自体が無料であれば、採用に関する費用は発生していないとみなしてよい。

この質問をイメージして以下のストーリーをお読みください。

ビジネス
採用

採用活動に見えてきた手応え ~SNSによる情報発信も活用

「ミロクワークス社」では、今年度の採用活動が順調に進んでいます。
従来の会社説明会や求人広告に加えて、採用サイトの見直しやSNSでの情報発信にも力を入れた結果、会社の雰囲気や働き方が応募者に伝わりやすくなりました。最近では、若手社員の仕事ぶりに関心を持って応募してくれる人も増えています。

今年の採用活動は、なかなか手応えがあったね。当社の雰囲気に合いそうな人にも出会えているようだ


社長


人事部長

はい。SNSでの情報発信を見て応募してくれた方もいて、新しい取り組みの効果を感じています

しかし、半年前は、こうした新しい採用活動にどのように取り組むか、また採用コストをどのように見ていくかについて、まだ手探りの状態でした。

半年前 ~採用活動の多様化と採用コストの悩み

半年前、ミロクワークス社の人事部長は、社員の採用活動を説明するために社長室を訪れていました。


人事部長

……ということで、従来から行っている会社説明会などに加えて、当社も新卒採用向けのSNSを本格的に運用し始めました

最近は、採用活動も様変わりしているんだね


社長


人事部長

そうですね。応募者に当社の雰囲気を知ってもらうには、いろいろな方法で情報を発信する必要があります。中途採用については、人材紹介会社を利用することもありますし

人手不足が続くなかで、採用活動が活発になり、その方法も多様化しています。
求人広告を出す、人材紹介会社を利用する、採用サイトを整える、会社説明会を開く、応募者との面接を行う――。近年では、SNSを活用して自社の情報を発信したり、採用向けの動画や画像を制作したりするケースも増えています。

採用のためのコストも増えているのかな。会計データの経費一覧を見ても、採用にいくらかかっているのか、よくわからないね


社長


人事部長

そうですね。この経費一覧でいえば、『採用教育費』という科目が関係しそうですが……。経理部長に確認してみましょう

人事部長が経理部長に確認すると……


人事部長

経理部長、採用にどれくらいコストがかかっているのか、会計データのどこを見ればわかりますか?

うーん、『採用教育費』だけを見ればわかる、というものでもないですね。求人広告であれば広告宣伝費、人材紹介会社への手数料であれば支払手数料、面接のための交通費であれば旅費交通費というように、内容によって別々の科目に分かれている可能性があります


経理部長

質問

法人向けサービス業を営む「ミロクワークス社」では、採用活動が活発になり、SNSを活用した採用(SNS採用)にも力を入れるなど、その方法も多様化しています。採用活動にかかる費用の把握について、最も適切な考え方は次のどれでしょうか?

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パターン1

採用に関する費用は、内容にかかわらず、すべて「採用教育費」の科目で会計処理する方針に変更する。

パターン2

採用に関する費用は複数の勘定科目に分かれることがあるため、採用に関する費用として括り直して把握できるように工夫する。

パターン3

SNS採用については、SNSアカウントの開設自体が無料であれば、採用に関する費用は発生していないとみなしてよい。

会社によって、使用する具体的な勘定科目には幅がありますが、採用に関する費用だからといって、すべてを「採用教育費」として処理すればよいわけではありません。求人広告、人材紹介会社への手数料、面接のための交通費、採用サイトやSNSに関する費用など、採用活動に関連する費用にはさまざまなものがあります。費用の内訳を適切に把握しづらくなるおそれがあるため、基本的には、その内容や性質を示す勘定科目で処理するのが妥当です。

会計上の勘定科目ごとに処理するだけでは、採用活動全体にどれくらい費用がかかっているのかが見えにくくなることがあります。そのため、経営管理上は「採用に関する費用」として括り直して把握できるように工夫することが有用です。たとえば、会計システムにおける補助科目や摘要欄を活用したり、採用活動の種類別に管理資料などを別途作成したりして、採用活動に関連する費用(採用コスト)を後から集計できるようにしておくことが考えられます。

SNSアカウントの開設自体が無料だからといって、SNS採用に費用が発生していないとみなすのは適切ではありません。アカウントの運用や投稿用の画像・動画の制作を外部に依頼する場合には、委託費用などが生じることがあります。また、社内の担当者がSNSを運用する場合でも、その作業時間に対応する人件費は、経営管理上、採用に関連するコストとして捉える必要がある場合があります。

習い事にかかるコストは「月謝」だけではない


人事部長

あら、経理部長、腕がずいぶん日焼けしていますね

週末に子どものサッカーの試合に付き添っているんですよ。グラウンドで待っていたら、日焼けしてしまいました


経理部長


人事部長

わかります。うちの子も野球をしているので

人事部長のところもですか。月謝だけでなく、スパイク代や試合会場までの交通費などもかかるので、子どもの習い事もなかなかコストがかかりますね


経理部長


人事部長

そうですね。お金だけでなく、送迎や付き添いの時間、ユニフォームの洗濯なども含めると、思った以上に負担があります。いったい、全体でどれくらいのコストがかかっているのかわからないわ

……採用活動も、それと同じですね。勘定科目ごとに見ているだけでは、採用活動にどれくらい費用がかかっているのか、全体像が見えにくい状態です


経理部長

視点を変えて、費用を括り直す

会計処理上は、費用の内容や性質に応じて適切な勘定科目で処理することが必要です。しかし、勘定科目ごとに処理しただけでは、採用活動全体にどれくらい費用がかかっているのかが見えにくくなることがあります。

特に近年は、求人広告や人材紹介を利用したり、会社説明会を開催したりするだけでなく、採用サイトやSNSを積極的に運用するケースや、応募者情報・選考状況を管理するシステムを利用するケースなども広がっています。このように採用活動の方法が多様化している結果、採用に関する費用は複数の勘定科目に分かれやすくなっています。

そのため、経営管理の面では、「採用活動」という切り口で費用を括り直して把握できるようにしておくことが有用です。たとえば、会計システム上で、勘定科目の下に補助科目を設定したり、摘要欄に「採用」「新卒採用」「中途採用」「SNS採用」などのキーワードを入力したりしておくと、後から採用関連費用を横断的に集計しやすくなります。

後から採用関連費用を集計できるように、会計システム上の補助科目の設定や摘要欄の使い方を工夫してみますよ


経理部長


人事部長

助かります。会計システムに入力されたデータは、決算書を作成するためだけのものではないんですね。経営判断に役立つ情報としても活用しやすくなりそうです

また、会計データとは別に、採用活動の種類別に費用をまとめた管理資料を作成しておく方法なども考えられます。
費用が生じたときの入力方法や管理方法を少し工夫しておくことで、複数の勘定科目に分かれた費用も、採用活動に関する費用(採用コスト)として把握しやすくなります。

SNS採用に潜む、見えにくいコスト

近年増えているSNS採用については、コストの捉え方に注意が必要です。SNSアカウントの開設自体は無料でできる場合がありますが、アカウントの日々の運用や投稿用の画像・動画の制作を外部に依頼すれば、その分の費用が発生します。

また、社内の担当者がSNSを運用する場合でも、投稿内容を考える、画像を作成する、コメントやメッセージに対応するなど、一定の作業時間がかかります。会計上、追加の支出として表れにくい場合でも、経営管理上は、こうした「中の人」の作業コストを採用活動に関連する費用として意識することも考えられます。


人事部長

SNS運用は、人事部の担当者が行っています。その作業時間が多くなってくるようであれば、そうした時間も採用活動に関連する費用として意識する必要もありそうですね。

そうだね。各部で協力して、採用活動の種類ごとにどれくらい費用がかかっているのかを把握してもらえると助かるよ。採用活動の効果とあわせて検討し、より効果的な採用活動につなげていこう


社長

採用活動では、単に費用を抑えればよいというわけではありません。どの採用活動にどれくらい費用がかかっているのかを把握したうえで、実際の応募者数や採用人数、入社後の定着状況、採用後の効果などもあわせて見ることが大切です。

採用活動等にかかる費用の捉え方

採用活動に関する費用は、会計上、複数の勘定科目に分かれて処理されることがあります。そのため、経営管理上は「採用活動」という切り口で括り直して把握することが有用です。会計システムにおける補助科目や摘要欄を活用する、採用活動の種類別に費用の管理資料を別途作成するなどの工夫により、活動に関連する費用の全体像や内訳を把握しやすくなります。こうした考え方は、販促活動や物流活動など、他の活動についても活用できるものです。

MJSシステムでは補助科目や摘要を活用することで、採用活動など管理したい活動に応じて費用等を集計することができます。
(イメージ)

図1

MJSシステムに興味のある方はコチラもご覧ください。
■ MJSLINK DX(財務大将)

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