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2019/07/03

質問

製造業を営む「MJS製作所」では、創業時から経理を任せてきた経理部長が引退をにおわせています。経理部長が退職したときに困らないように、あなたが経営者なら、経理スタッフに引き継ぎをしてもらうだけでなく、次のうちどういった準備をしますか? 

パターン1

取引銀行に後任の経理部長となる人の出向を仰ぐ。

パターン2

幹部社員たちが会計の基本的なことを身につけるようにする。
 

パターン3

会計・経理面を会計事務所にお願いする。

この質問をイメージして以下のストーリーをお読みください。
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順調に成長している会社

「MJS製作所」は、創業から40年にわたり順調に成長してきました。7年前に創業者である先代から現社長に経営をバトンタッチしてからは、新しい事業も展開し、それまで以上に売上高や経常利益も増加しました。従業員数も50名を超え、地元でも優良企業として評判で、さらなる成長を目指しています。

昨年から取引銀行や会計事務所にも参加してもらい年度の経営方針について発表するようにしていますが、今年度も無事終了しました。

今ではこんな状況のMJS製作所ですが、2年前は違いました。ベテラン経理部長が健康面での不安もあり、しばらくしたら引退したい意向をにおわせ始めたのです。このため、いざ経理部長が退職したとき困らないように、どういった準備をするか悩み始めていました。ちょっとその頃の様子を見てみましょう。

2年前 ~経理部長の引退が迫る

MJS製作所の創業者である先代社長は、エンジニアの勉強はしたものの、経理については全くの素人であったため、大学で会計学の勉強をしていた高校の先輩を創業時から経理担当として採用し、二人三脚で経営を切り盛りしてきました。先代社長は、創業3年目に株式会社化したのを機に、この先輩を経理部長に抜てきしました。

その後、会社設立30周年を機に息子に経営を譲りました。経理部長は、引き続き新社長をサポートしてくれましたが、健康面での不安もあり、しばらくしたら引退したいという意向をにおわせ始めました。

社長はあわてました。これまでずっと、親子二代にわたって経理面をサポートしてもらっていた、というよりも完全に任せっきりだったからです。経理部長は、MJS製作所の経理はもちろん、会社の隅々まで知っているので、社長は父親から経営を引き継いで以来、頼りにしてきました。そこで社長は経理部長に、あと1年で経理部長退任後の体制を整えるので、それまで勤続してもらうことを了解してもらいました。

質問

製造業を営む「MJS製作所」では、創業時から経理を任せてきた経理部長が引退をにおわせています。経理部長が退職したときに困らないように、あなたが経営者なら、経理スタッフに引き継ぎをしてもらうだけでなく、次のうちどういった準備をしますか? 

▼あなたの思うパターンをクリック▼

パターン1

取引銀行に後任の経理部長となる人の出向を仰ぐ。

パターン2

幹部社員たちが会計の基本的なことを身につけるようにする。
 

パターン3

会計・経理面を会計事務所にお願いする。

取引銀行からの出向を仰ぎ、経理部長に就任してもらうようお願いすることも一案です。しかし、銀行からの出向者は、担当者が数年で交代する可能性もあります。また、取引銀行の目的は、融資した資金の確実な回収であることから、必ずしも、拡大しつつあるミロク製作所が事業展開のリスクをとることを好むとは限らないため、足かせになることもあります。

MJS製作所では、幹部社員たちが会計の基本的なことを身につけられるよう準備しました。経営に必要な会計・経理については、経理だけに任せてしまうのではなく、幹部社員たちが基本的なことは身につけておく必要がありそうです。そうすることで、自社にノウハウが残るようになり、部長会などでも会計・経理のデータに基づいて活発な議論が進むことが期待できます。

会計・経理面は会計事務所に任せられるよう、会計事務所にお願いすることもあり得ます。しかし、MJS製作所くらいの規模で順調に成長してきている会社では、会計や経理を外部に一任してしまうには、さまざまな課題があります。会計や経理に対する理解、会計情報の入手タイミングなど、その影響についても考慮する必要があるでしょう。

ターニングポイントは社長自らが会計情報の重要性に気付いたことだった

社長は、経理部長の「引退宣言」に頭を悩ませていました。いつまでも経理部長に会社の会計・経理の面倒を見てもらえるわけではないことはよく分かっています。一方で、経理部長が創業以来ずっと担当してきた会計・経理面の業務を、どのように代替できるかについて、なかなか方向性が見定まらないままでした。

ある日曜日、MJS製作所の社長は久しぶりに高校時代の友人と会食するために出かけました。待ち合わせ時間まで余裕があったので、駅前の書店に入り、ビジネス雑誌のコーナーに行ってみると、会計・経理の特集を掲載しているものがありました。手にとってみると、そこに書いてある「日本の経営者は会計が分かっていない人が多い」という一文に目が釘づけになりました。それは、先代社長と自分に向けられた指摘であるように感じました。その雑誌を購入し、わしづかみにして友人との待ち合わせ場所に行きました。

友人 しばらくだな。会社の経営もうまくいっているようだな。あっ、その雑誌買ったのか。俺も気にはなっていたんだけど、パラッと見たら基本的な内容ばかりだったから買わなかった
社長 そりゃ、お前は大きな会社の経理部にいるんだからな。買ってみたけど、俺には、分からないことばかりだ

二人は店に入り、飲み物を注文します。

友人 じゃ、今夜は経理の話でもしようか? お前の会社の経理は誰がやっているんだ?
社長 親父の代から経理部長に任せっきりだ。この雑誌に『日本の経営者は会計が分かっていない人が多い』って書いてあるけど、お前がいるような大きな会社ではどうなんだ?
友人 うーん、会社にもよるんだろうけど、そういう話は聞いたことがあるな。うちの社長は、経理部の出身だから、会議でもいろいろと数字を聞いてくる。それに答えられないと、部門長はこってり絞られるんだ
社長 えっ、大きな会社なのにか
友人 大きな会社だからだよ。最終的な判断をするには、文字よりも数字を見たほうが分かりやすいからな。今の社長になってから1年ぐらいたった頃には、会議で部門長が自分から数字で説明するようになった
社長 経理部からじゃなくてか? うちの会社は経理部長が報告しているんだけど……
友人 自分の部門で起きていることを数字で把握していなければ、自部門の経営はできないっていうのが社長の考え方なんだ。数字はもちろん経理部門で把握しているけど、各部門からデータの提供を頼まれたら経理部門で必要な計算をして提出しているんだ
社長 ほー、なるほど。うちも俺を始め幹部たちが自社の数字を把握していなければ、経営はできないってことだな
友人 その雑誌の特集に興味を持ったら、まずは会計の基本を勉強することだな
社長 会計の基本?
友人 会計・経理の数字は『ビジネスの言葉』だって言うからな。それが分からなかったらビジネスの話が通じない。今や会計は、ITや英語と並ぶ、ビジネスマンの「新・三種の神器」の1つなんだ
社長 そうか。じゃ、やってみよう

その後、引退宣言した経理部長には残任期間の間に後任を育てるべく経理スタッフの指導をしてもらいましたが、それだけでなく、社長や幹部社員たちは、会計の基本をいろいろと教えてもらい、会社の数値についてだいぶ理解できるようになりました。

そして、部長会でも会計・経理の情報に基づいた議論が積極的に行われるようになっていきました。

【ワンポイント解説】
「ビジネスマンの「新・三種の神器」」
人として身につけるべき能力として、昔は「読み・書き・そろばん」と言われましたが、最近はビジネスマンの三種の神器として、「IT」、「英語」、そして「会計」がよく挙げられます。決算書を読んだり、数字を使って議論をしたりといったことができるような会計力を是非身につけましょう。
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