記事制作:税経システム研究所

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2020/07/03

質問

新型コロナウィルスに関する緊急事態宣言の前夜のこと。あるメーカーの社長が、銀行から今後必要になるかもしれない資金をどのように借りようか悩んでいました。あなたが経営者なら、次のうちどの借入を行いますか?

パターン1

タームローンにする。

パターン2

コミットメントラインを設定する。

パターン3

当座貸越を設定する。

この質問をイメージして以下のストーリーをお読みください。
イメージ01
イメージ02

緊急事態宣言が解除され、三密を避けながら操業を続ける工場

「みろく製作所」の社長は、今日もマスクをして、工場の中を歩きながら、従業員が三密になっていないか確認しています。

社長の心の声 <新型コロナウィルスはひと頃よりは落ち着いたが、まだ第2波や第3波が来てもおかしくない。従業員の健康にだけは注意しながら操業を続けなければ>

今でこそ、新型コロナウィルスによる緊急事態宣言も解除され、工場も少しずつ再開できるようになりましたが、緊急事態が宣言される直前は大変だったのです。

社長! タームローンか、コミットメントラインか、当座貸越か、どれにしますか?

緊急事態宣言が出されるのは今日か明日か、ということで、日本中が新型コロナウィルスの恐怖におびえていた頃のことです。
 
経理部長が毎週行われている定例の幹部会議で説明を始めました。

経理部長 当社は現状まだ資金が十分ありますが、今後、緊急事態宣言が出されて、得意先の工場も停止、当社の工場も停止、なんてことになった場合には資金が数億レベルで足りなくなります
営業部長 何だって! 大変じゃないか。すぐに銀行から借入をするべきじゃないか?
経理部長 ええ、さっそくこの会議の後、銀行の担当者に相談に行く予定ですが、その場合、タームローンにするか、コミットメントラインにするか、それとも当座貸越にするか、迷っているんです
社長 う~ん。それは……、確かに迷うな <タームローンとかコミットメントラインって何だ? 初めて聞いたぞ!>
営業部長 それぞれ、メリットとデメリットがありますからね~ <まずい。ここで意味が分からないとは言えないぞ>
経理部長 そうですね。私もそう思います。では、この後すぐに銀行を訪問しますので、銀行の担当者の意見を聞いてみます
社長 うん。頼んだぞ <タームローンとか、当座貸越とか、難しい言葉をよく営業部長も知ってたな。危なく恥をかくところだった>
 

質問

新型コロナウィルスに関する緊急事態宣言の前夜のこと。あるメーカーの社長が、銀行から今後必要になるかもしれない資金をどのように借りようか悩んでいました。あなたが経営者なら、次のうちどの借入を行いますか?

▼あなたの思うパターンをクリック▼

パターン1

タームローンにする。

パターン2

コミットメントラインを設定する。

パターン3

当座貸越を設定する。

タームローンとは、一般に証書貸付のことを言い、設備投資など中長期の資金調達に適した借入です。今回は設備投資ではなく、運転資金の調達なので、他にもっとこの会社の資金状況にあった借入の方法がありそうです。
 

実は社長が選択したのはパターン2でした。タームローンにも当座貸越にもないコミットメントラインのメリットとは何だったのでしょうか?
 

当座貸越とは、一定の限度額までは自由に借りたり、返済したりできる借入であり、短期の運転資金の調達に適しています。しかし、当座貸越は、限度内であっても必ずしも借入ができるとは限らないという特徴があるため、今回はもっと良い資金調達方法があるかもしれません。

営業部長がネットで検索して調べていた!

経理部長から銀行借入について説明があった直後のこと。社長が今週の売上見込みを知りたいと思い、営業部長の席に行きましたが、営業部長はちょうど席を外していました。
 
そこで社長は営業部長が戻るまで営業部長の席の横で待つことにしたのですが、そのとき、ふと営業部長のパソコンの画面に目をやると、そこには「タームローン」のキーワードで検索した結果が表示されていたのです。

社長の心の声 <なんだ、やっぱり営業部長もタームローンやらコミットメントラインやら、知らなかったんだな~。安心した。いやいや、安心している場合じゃないぞ。私も早く検索して理解しておこう>

こうして、社長はすぐに席に戻り、インターネットで検索をしました。
 
すると、タームローンというのはいわゆる通常の長期借入金であり、主に設備投資の際に利用されるものであるため、運転資金が必要な自社には合わないと分かりました。
 
一方、コミットメントラインと当座貸越は、どちらも主に運転資金の借入であり、限度額を設定し、必要なときに資金を調達できるため、今の会社の状況に合いそうだと分かりました。

【タームローン(証書貸付)】    主に、設備投資など長期の資金調達に使われる
【当座貸越、コミットメントライン】 主に、運転資金など短期の資金調達に使われ、限度額の範囲で自由に借入ができる

ただ、当座貸越とコミットメントラインはどちらも限度額の範囲であれば自由に借入ができるものの、当座貸越が銀行の判断によって融資を受けられない場合があるのに対して、コミットメントラインは基本的には必ず融資を受けられるということが分かりました。

【当座貸越】       銀行の判断で融資を受けられないことがある
【コミットメントライン】 基本的には必ず融資を受けられる

社長の心の声 <なるほど。今後、本当に資金が必要になったときに確実に融資を受けられるようにするためには、当座貸越よりコミットメントラインのほうが安心ということだな>

社長は携帯電話をとり、銀行に向かって移動中の経理部長に電話をかけました。

社長 もしもし、経理部長? もう銀行についたのかい?
経理部長 まだ移動中ですが、何かありましたか?
社長 先ほどの借入の件だが、今すぐには資金が必要というわけではないが、今後、新型コロナで経営が苦しくなったときには確実に融資を受けられるようにしておきたい。だから……
経理部長 コミットメントラインがいいってことですよね。ちゃんと分かってますから安心してください。ただ、コミットメントラインを設定できるかどうかは銀行の審査もありハードルが高いと思いますから、そのあたりも銀行で聞いてきます
社長 うん。頼んだぞ! 借入ができるかどうかが、会社の命運を分けるからな!
 
ワンポイント解説「コミットメントライン」予め契約した期間の間であれば、限度額の範囲で、企業が必要なときに、銀行に融資を申し込むことができる形式の借入を言います。一般的に、当座貸越に比べて確実に融資を受けられる点で企業にメリットがあると言われますが、審査が厳しいとか、一定の手数料を払わなければならないなどのデメリットもある場合があります。
また、コミットメントラインでは財務制限条項などが設定されるため、財務内容が一定の条件より悪化した場合は借入を返済しなければならなくなります。 新型コロナウィルスにより売上が減少する中、大手企業が銀行のコミットメントラインを設定したというニュースが報道されました。
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