記事制作:税経システム研究所

卸売業

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2017/07/23

質問

営業社員の架空売上が発覚して、頭を悩ませている「みろく物産」の経営者。あなたが経営者なら、経理部長にどのような対策を指示しますか?

パターン1

商品の検収書などの帳票類を経理部でダブルチェックするよう指示する。

パターン2

受注を獲得する都度、取引先に経理部から確認のメールをするよう指示する。

パターン3

入金が遅れている売掛金をチェックして営業社員に確認するよう指示する。

この質問をイメージして以下のストーリーをお読みください。
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過去最高の売上高にわく会社

「みろく物産」は、関東地方を中心に急成長している専門商社です。数年前までは業績が苦しい時期が続きましたが、今や景気回復の波にのって順調に売上を増やしています。

今日は、みろく物産の期末日の夕方です。社長が全社員を集めて、報告しました。

社長 皆の努力のおかげで、今期はついに過去最高の売上高を達成しました! 来月には決算賞与を全員に支給します!

今でこそ架空売上計上がされることなく健全に成長していますが、数年前、ある営業社員の架空売上でひどい目にあったのでした。

数年前 ~営業のエースが突然の退社!

ひと頃の売上が厳しい時期を脱し、過去最高の売上高を達成! 特に営業のエースAさんの貢献が大きかったのですが、それからしばらくたったある月末のこと、人事部長が社長の部屋に飛び込んできました。

人事部長 社長、大変です。うちの営業のエースAさんが、急に会社を退職したいと言い出しました
社長 えっ、本当に? 彼はうちの稼ぎ頭じゃないか。彼が辞めてしまったら、うちは大打撃を受ける。何としても止めなければ
人事部長 私も引き留めようとしたのですが、病気が悪化したのですぐに入院しなければならないということです
社長 病気?? 本当に? 昨日まであんなに元気そうだったのに……
人事部長 信じがたいのですが……。すぐに入院するので、明日からもう出社できないというのです
翌日から、営業のエースのAさんは出社しなくなり、社内ではライバル企業にヘッドハントされたのではないか、などさまざまなうわさが流れました。
 
しかし、それから数日後、彼が急に退社した理由が判明しました。それは「架空売上」だったのです。

彼は、ここ数年の間に、架空売上を繰り返し、高額なインセンティブを手に入れてきました。しかし、もう不正を隠し通せなくなったと感じたのでしょう、急に会社を辞めることにしたのです。

このときの調査で、Aさんほど多額ではなかったものの、他にも架空売上の事実が発覚しました。達成したとばかり思っていた過去最高の売上高が、実は架空売上によって作られた数字にすぎなかったのです。信じていた人に裏切られ、社長は大きなショックを受けました。
社長の心の声 <過去最高の売上達成なんて浮かれてる場合じゃなかった。何で架空売上を発見できなかったんだ!>
社長は社内の仕組みに不安を感じ、何か対策が必要だと頭を抱えました。 

質問

営業社員の架空売上が発覚して、頭を悩ませている「みろく物産」の経営者。あなたが経営者なら、経理部長にどのような対策を指示しますか?

▼あなたの思うパターンをクリック▼

パターン1

商品の検収書などの帳票類を経理部でダブルチェックするよう指示する。

パターン2

受注を獲得する都度、取引先に経理部から確認のメールをするよう指示する。

パターン3

入金が遅れている売掛金をチェックして営業社員に確認するよう指示する。

売上の根拠資料となる「検収書」など、取引の実在性を示す資料を確認することは必ず行うべきです。これらの帳票を経理部がチェックをしていないようであればすぐに行う必要があります。しかし社員が架空取引を行っている場合、帳票類も改ざんされる可能性がありますから注意が必要です。

実は社長が行ったことはパターン2でした。社長は経理部長に、営業部が受注を獲得する都度、取引先に確認のメールをするよう指示をしましたが、そこにどのような効果があったかというと……

架空売上により発生した売掛金はいつまでも入金されませんから、入金遅れの売掛金を調査することで架空売上を発見することができる場合があります。しかし、もっと早い段階で架空売上を発見する方法があれば望ましいところです。

塾をさぼった息子に学んだ、架空売上の防止方法とは?

その日、社長が自宅に帰ってくると、妻が小学6年生の息子を大きな声でしかっているところでした。

また塾をさぼって! もう頭にきたわっ!
息子 ごめんよ。もうさぼったりしないから……
もうだめよ。信じられないわ!
息子 じゃあ、こうしようよ。これからは僕が塾についたころに、お母さんが塾に電話して確認するっていうのはどう?
確かにそれはいいわね……。嫌よ、そんなの。めんどくさい
二人の会話を聞きながら、社長はひらめきました。
社長の心の声 <なるほど。ちゃんと塾に行ったかどうかは、塾に電話して確認すればいいわけだ。簡単な話だった>

次の日、社長は経理部長を呼び、こう指示を出しました。

社長 経理部長。これからは営業社員が受注を獲得したときには、必ず、取引先の担当者にメールをして、注文の確認をするようにしてもらえるかな?
経理部長 えっ、もちろん構いませんが、なぜですか?
社長 もし営業社員が架空売上をしていたら、そこで発覚するだろう
経理部長 確かにそうですね! 分かりました。すぐ対応します

翌日、社長は全社朝礼で、今後は受注があったときには、経理部から取引先の担当者に確認のメールをするということを説明しました。このことが、営業社員に「架空売上はすぐ見つかってしまう」と思わせる、良い防止策になったのでした。

架空売上に無防備だったみろく物産では、これが不正防止の仕組み整備の第一歩となりました。

【ワンポイント解説】
「架空売上」
実際には存在しない売上を計上することをいいます。架空売上をする営業社員は、帳票類を偽造することもあるため、社内の通常のチェック体制では発見できないことがあります。ここで紹介した、経理部による確認メールなどの対策が考えられます。
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