付加価値のある仕事をしろ、って言うけれど、付加価値って何?

2024年2月3日

質問

ある企業の経営会議で社長が「付加価値の高い仕事をしよう」と経営幹部に言ったところ、人事部長から「付加価値ってどうやって計算するんですか?」と質問されました。あなたが社長なら、付加価値の計算方法についてどのように説明しますか?

パターン1

付加価値は「売上高」のことだ。

パターン2

付加価値は「当期純利益」のことだ。

パターン3

付加価値は「売上高から外部購入額を引いた金額」のことだ。

この質問をイメージして以下のストーリーをお読みください。

会議
成長

順調に付加価値を増やしている会社

「みろく製造所」は現社長が30年前に脱サラして創業したメーカーであり、付加価値の高い仕事をすることを社是にしています。ある経営会議でのことです。前期の決算数値が確定し、付加価値の高い仕事をすることができたと経営幹部の皆さんが喜んでいます。


社長

皆さん、先日、前期の決算数値が確定しました。そして、前期の当社の付加価値はついに5億円を超えることができました!

おおっ~!


経営幹部


社長

今期は、さらに付加価値の高い仕事をしていこうじゃないか!

おおっ~!


経営幹部

今でこそ、付加価値をちゃんと計算して、付加価値の高い仕事を目指しているみろく製造所ですが、数年前までは付加価値の意味が分からず混乱があったのです。

数年前 ~そもそも、付加価値って何ですか?

数年前、みろく製造所の経営会議でのことです。社長がいつものように経営幹部を前に訓辞をたれています。


社長

……、ということで、当社は創業以来、お客様のニーズに寄り添い……

(また社長の長い訓辞がはじまっちゃったな~)


営業部長

(あ~、早く終わらないかな~、仕事が溜まってるのに)


工場長


社長

……、ということで、引き続き、社是にある、付加価値の高い仕事、これを常に念頭に置いて、皆さんも日々努力を……

社長が気持ちよく話を終わらせようとしたところで、突然、先月中途入社したばかりの人事部長が発言しました。

社長、お話し中、恐縮ですが、質問よろしいでしょうか?


人事部長


社長

もちろんだ、何でも聞いてくれ

当社の社是にもある、付加価値の高い仕事をする、という点ですが、そもそも、付加価値って何でしょうか?


人事部長


社長

へっ??

付加価値の計算式が分かれば、当社の付加価値をちゃんとチェックできるかな、と思ったのですが……


人事部長

人事部長の素朴な質問に、社長をはじめ経営幹部の誰もが目を点にしてしまいました。

質問

ある企業の経営会議で社長が「付加価値の高い仕事をしよう」と経営幹部に言ったところ、人事部長から「付加価値ってどうやって計算するんですか?」と質問されました。あなたが社長なら、付加価値についてどのように説明しますか?

▼あなたの思うパターンをクリック▼

パターン1

付加価値は「売上高」のことだ。

パターン2

付加価値は「当期純利益」のことだ。

パターン3

付加価値は「売上高から外部購入額を引いた金額」のことだ。

確かに売上を上げれば付加価値も増えるでしょう。しかし、仕入れた商品を売ったり、原材料を仕入れて製品を作った上で売った場合などは、商品や原材料の仕入代金までその企業が生み出した価値とは言えず、売上が丸々付加価値になるわけではありません。では、付加価値はどうやって計算するのでしょうか?

確かに当期純利益のことを付加価値という人もいますが、会計上の付加価値の計算は違うのです。では、付加価値はどうやって計算するのでしょうか?

付加価値とは、売上高から外部購入額を引いた金額のことをいいますが、この付加価値は一体何を意味しているのでしょうか?

付加価値って計算できたのか~

経営会議で、人事部長が付加価値の計算式を教えてほしいと言ったときのことです。社長は、付加価値を計算するという発想がなかったためうろたえてしまいました。


社長

えっ、付加価値の計算式だって?? ふっ、付加価値っていうのは、われわれみろく製造所が生み出した価値って意味であるからして……

社長が答えられず、困っている姿を見て、経理部長が助け舟を出してくれました。

社長、よろしければ、細かい計算式は私からご説明させていただきますが


経理部長


社長

おっ、そうか、じゃあ、経理部長から話してくれ

付加価値の計算式には様々なものがありますが、ざっくり言えば、売上高から外部購入額を差し引いたものです


経理部長


社長

えっ、そうなの? 確かにその差額が、会社が加えた価値ってことだな

ただ、実際の計算式はもっと複雑で、一般的には(税引前当期純利益+人件費合計+賃借料+金融費用+租税公課+減価償却費合計)として計算されます


経理部長


社長

付加価値ってちゃんと計算できたのか~。でも何だか、全然意味が分からない式だな~

逆に、こんなふうに考えていただくと分かりやすいかもしれません。付加価値を生み出した会社の関係者は誰か? それは社員と不動産屋と銀行と株主と国です


経理部長

なるほど、だから、社員に払う人件費と、不動産屋に支払う賃借料と、銀行に払う金融費用と、国に払う税金と、株主に払う配当を、全部支払う前の利益を計算すれば、それが付加価値になるってことですね


人事部長


社長

なんだって??

人事部長のおっしゃる通りです


経理部長


社長

何だ、何だ? 分からないのは俺だけか??

「付加価値(粗付加価値)」

付加価値とは、会社が新たに生み出した価値のことをいいます。付加価値の計算方法には様々ありますが、一般的には以下の計算式で求めることが多いです。
 付加価値
 = 税引前当期純利益+人件費合計+賃借料+金融費用+租税公課+減価償却費合計
 または
 付加価値 = 売上高-外部購入原価(商品や原材料の購入価額、外注加工費など)

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